2017年11月30日

暴力、暴言ひどくなる「抗認知症薬」?

【認知症の進行を遅らせる効果がある「抗認知症薬」の服用により患者の暴力や暴言がひどくなったと悩む介護者が少なくない。次第に激しくなって薬の原料や中止に踏み切る人も。厚生労働省は昨年、抗認知症薬の投与を規定量未満に減らすことを認めたが認知症が進行する可能性もある。薬を減らす場合は主治医と十分に話し合う一方、薬以外に原因はないか慎重に見極める必要がある。】

(中日新聞・朝刊 201795日 記事引用)


抗認知症薬の開発は意外と最近のもので、世界では1980年代になってからだそうです。

現在ある代表的な認知症薬も、そのころなので、他の薬と比べてもその歴史は浅いのです。

(しかし逆に言えば、だからこそ今後更に効果的な薬が開発される可能性もあるとも言えます)


記事で伝えられるように、抗認知症薬の副作用は、大問題です。

認知症の進行を遅らせるために服用させるのに、

家族が一番困ってしまう周辺症状を引き起こしてしまうのでは本も子もありません。

しかしそのことが果たして薬だけが問題なのかも含めて検討する必要があります。

単純に家族の人の接し方が悪かったり、

適切な介護ができなかったりなどの問題なども含めて、

総合的に判断する必要があるでしょう。

記事の最後にも書かれているように、

主治医にそのような様々な情報をしっかり伝えて、

医師からの総合的な判断ができるように、家族側も対応してもらいたいですし、

医師も単純に薬のせいだけにしない対応をしてほしいものです。

posted by リハ技師 at 19:18| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月29日

女医の25% 過労死ライン

【日本医師会が病院勤務の女性医師を対象としたアンケートで、4人に1人が「過労死ライン」と呼ばれる月80時間以上の時間外労働をしていることが20日、分かった。約半数が休職や離職の経験があり、理由に出産と子育てを挙げる人が最も多かった。月80時間以上の残業がある女性は働く女性全体の3%程度で、医師を取り巻く環境の厳しさが浮かんだ。】

(南日本新聞・朝刊 2017921日 記事引用)


最近の医師国家試験合格者の3割は女性になっています。

年推移でみていくと、その割合は増えてきています。

ゆえに今後も女性の割合は急激ではないものの、増えてきているので、

その女性が働きやすい職場づくりは、現在の医師確保対策では必須ともいうべきものになっています。


女性医師の場合、やはり問題になるのは「子育て」と業務が両立していかない、という問題でしょう。

病院のところで保育所の確保を手助けしたり、

勤務時間も短時間勤務などの柔軟な対応、残業や当直の免除などを行っているところも多いとは思います。

しかし医師確保が困難なところは、女性医師においてもそのような対応ができないところが多いでしょう。


ちなみに過労死ライン、80時間というのは様々な研究で因果関係があるとされている客観的なラインです。

病院勤務医師の場合、たまたまその月が過労死ラインになったということではなく、

日所茶飯事として月80時間を超えているところも一定程度いるのではないでしょうか。

以前ある宴会で医師同士の会話から、

「俺たち何かあったら、確実に労災認定なるよね」と言っていました。


根本的には、やはり医師の絶対数不足、医師の地域偏在化、診療科目の偏在化が大きい。

posted by リハ技師 at 18:35| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月28日

発達障害のある人への就活成功バイブル

新書の紹介。

発達障害のある人への就活成功バイブル」

小宮善継

経営者新書


経営者新書なので、経営者視点での内容になっているかと思いきや、

やはりタイトル通り、当事者向けの内容になっていました。

(しかし当然経営者側が読んでも参考になるものが多い内容になっています)

また私たちリハ技士からみても参考になる内容になっていると思います。

内容的には、発達障害の職業支援に関わるサービスや法律などが、

コンパクトにわかりすい表現で記載されています。

(特に第34章がノウハウ的には参考になる部分でした)

特にこの本でよかったのは、単に発達障碍者に対してのテクニカルな対応を述べるだけでなく、

発達障がい者の可能性にまで、しっかりと著者の強い想いをこめて述べられているところです。


当院でも高次脳機能障がい者の就職支援は、いろいろ工夫しながら対応していますが、

リハ職の高次脳機能障害患者に対する視点という点でも参考になるものでした。

posted by リハ技師 at 18:36| 山形 🌁| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

恒例の年末ランキング予定

12月26日、新書ランキング。
12月27日、番組ランキング。
12月28日、コラムランキング
12月29日、日記ランキング 来年の抱負。

このような予定でいく予定です。
(まだ番組関係3本、新書関係3~4冊は紹介します)
posted by リハ技師 at 18:05| 山形 ☁| Comment(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月25日

ルポ老人地獄

昨日に引き続いて新書の紹介。


ルポ老人地獄

朝日新聞経済部

文春新書


【男女混合で雑魚寝、汚物の処理もせずノロウイルスも蔓延…。「ひもつきケアマネ」に食い物にされ、都内から都外の施設に追いやられる。こんな老後に誰がしたのか?硬骨の本格的社会派ルポ!


とにかくこの本を読み進めると、老人にはなりたくない、と思ってしまう内容になっています。

この本の発行は201512月、

今から約2年前のものですが、

おそらくこの実態と現在ではおそらくほとんど変わっていないでしょう。

このような実態を明らかにしたのは、この本の素晴らしいところではありますが、

もっと工夫して対応しているところも1章ぐらいかけて報告してもらいたかった気はします。

しかしそうは言っても、

ところどころ頑張って対応している介護事業者も報告されています。

例えば介護職の確保が困難になっているという報告のなかで、

山形県鶴岡市の「山形虹の会」の取り組みが紹介されています。

その取り組みとは、介護職の奨学金制度です。

ブログ管理者も知っている「山形虹の会」の井田事務局長のコメントもでていたのでびっくりしました。


現在の介護の問題を把握したければ、この本は勉強にはなるでしょう。

posted by リハ技師 at 19:38| 山形 ☔| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月24日

発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ

久しぶりに新書の紹介。


「発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ」

山口真美

講談社BLUE BACKS


本の背表紙にこの本の内容紹介が記載されています、一部引用します。

【じつは、脳が発達する過程で、うまく視覚が形成されなかったりすると、

そのほかの感覚器の形成に影響が現れるというのです。

人より視力や聴力が極端によすぎるために同じものを見たり、聞いたりしていても

まったく違う世界として受け止めているかもしれない、

それが発達障害の素顔なのです。

自閉症、ADHD、ディスレクシア、ウィリアムズ症候群、アスペルガー症候群など、

感覚の特性としてとらえることで新しい治療と対応の可能性が見えてくる!

少しのあいだかれらの世界に寄り添ってみませんか。】


視覚形成から発達障害を論じる、という切り口が新鮮でした、

もっと砕いていうと、視覚形成がうまくいかなくなると、心の異常が起きてしまう…(ちょっとかみ砕きすぎて、正確でないかもしれません)、というもの。


私たちの高次脳機能といわれるもののなかで、

コンピューターでもできるもの(もしくはコンピューターのほうが上回っているもの)は結構あります

例えば、計算だったり、記憶的なものであったり…。

しかし、人間関係や社会関係を作るうえでの学習はコンピューターには、

少なくとも今のところ難しいのではないでしょうか。

他人の心を推し量ったりなど、複雑な推論が求められます。

また人は十人十色であり、1人の人がその関係に成功したからと言って、応用できるとは限りません。

つまりそれだけ相手の心を読む、というのはそれほど難しいのです。

自閉症の子どもも、相手の心が読めない、と言われています。

そして自閉症は第一次視覚野の発達に問題があるとされているのです。

(生まれつきからある脳の機能障害的なものだけではなく、

様々な環境からの刺激が脳の構造・機能を歪めてしまう例も本書では提示されていきます)


視覚野だけでなく、感覚の異常も報告されます。

例えば自閉症のひとの中には、聴覚過敏や視覚過敏なることによって、

感覚処理がうまくいかなくなる子どもたちも多い…。

最近の発達障害をテーマにした番組でも、感覚処理がうまくいかないことで、

人間関係や社会生活がうまくできない人たちを報告したものが多くなっています。

この本の中で、ブログ管理者が一番面白かったのは、

5章の「コミュニケーション能力は顔と視線から」というもの。


多少なりとも知識がないと、ハードルが高い本ではありますが、

ハードルを越えれば、「うーん、なるほど」と知的好奇心をくすぐられる内容になっているでしょう。

posted by リハ技師 at 18:15| 山形 ☔| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月22日

法人リハ技士部の半年目発表

今日は法人リハ技士部の半年目発表がありました。
発表者は、
鶴岡協立リハ病院・鶴岡協立病院あわせて12名。
業務上、1時間で終了したかったため、
分科会を3つに分けて(理学療法室・作業療法室・会議室に分かれて)、発表会を行いました。
12名の発表、タイトルだけ書いてみましょう。

「廃用症候群の改善とライフスタイルの変化によって生じた制限因子に着目した症例」

「起立動作と運動耐容能の改善を目指し介入した症例」

「右大腿骨大転子部・頚部骨折を受傷した症例 〜介入時のリスク管理について〜」

「高所からの転落により歩行困難となった症例〜畑仕事の再開を目指して〜」

「左基底核梗塞の症例の病棟内ADL拡大に向けてのアプローチ」

「病前趣味であったグラウンドゴルフを訓練に取り入れたことで、信頼関係が生まれた1症例」

「転倒により左尺骨遠位端骨折を呈した症例―再転倒予防目的に退院時指導実施―」

「長下肢装具を用いた訓練とベッドサイドでの訓練によりベッド周囲動作早期自立した症例」

「大腿骨骨頭下骨折と関節リウマチにより活動性低下した症例」

「仮性球麻痺、球麻痺、低栄養、血圧変動がみられた摂食嚥下障害患者に対する介入と考察」

「尿路感染症・肺炎によりADL低下し歩行自立目指した症例-リスク管理を通した関わり-

「高次脳機能障害を呈した症例~屋内歩行自立を目指して~


発表者はもちろん指導者の人もご苦労様でした。

posted by リハ技師 at 19:09| 山形 ☁| Comment(0) | 日記・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月21日

介護技能実習生 半年で職員扱い

11月から受け入れが始まる介護分野の外国人技能実習生について、厚生労働省は6か月間働けば日本人の職員と同じ扱いにすることを決めた。施設の運営に必要な職員としてカウントでき、介護報酬の支払い対象にもなるため、人手不足の施設で受け入れが加速する可能性がある】

{朝日新聞(東京)・朝刊 201797日 記事引用}


いつももの通り、外国人技能実習制度を説明しましょう。

簡単に言うと、

発展途上国の若者を技能実習生として受け入れて、

実際の仕事を通じて実践的な技術や技能・知識を学んで、

帰国後母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした公的制度です。


しかしこの制度は本当に帰国後のその国のために役立つのであればいいのですが、

それが本当の理由ではないでしょう。

現在の介護職不足という状況から、

もう日本での介護を担うことも外国人にお願いしていくことを真剣に考えているのだと思います。

ブログ管理者の勝手な推測ではありますが、

厚生労働省は「仕事が大変で賃金が安いような業種は外国人にやってもらおう、

その見返りに移民の基準をおおいに緩和していこうと………。

その前段階なのか、

今月から開始された「技能実習適正化法」において、

今までの介護技能実習の期間は3年だったのに、5年へと期間延長されました。


もちろん大変技能もあり、性格もいい外国人は多いでしょう。

しかし言葉の違い、宗教の違い、文化の違いなど、

あらゆるところで違う外国人のなかに、

果たして介護の安全やサービスの質を落とすようなことにつながることがでてくるのではないか、と危惧を持っています。

posted by リハ技師 at 19:49| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月20日

増える「老衰死」 死因第5位に

【特定できる病気がなく自然に亡くなる「老衰死」が増えている。2015年は約85000人で、05年から10年で3倍になった。高齢者の増加が要因とされるが、背景には死因救命より、人生の最後を重視することで死を受け入れようとする本人や家族、医師の価値観の変化もあるようだ。】

(信濃毎日新聞・夕刊 2017722日 記事引用)


現在、死亡原因で一番多いのは、がんです。

次は心疾患、その次に肺炎、そのまた次に脳血管疾患となります。

やっと第5位に老衰なのです。

しかし老衰というのは、他の疾患とは趣がかなり違います。

特定の何かの病気ということではなく、

多くの臓器が衰え、これが原因だと特定できないようなものは、

死亡診断書に老衰と書かれます。


この老衰死の診断、年次ごとに推移を見てみると、

2000年付近までは徐々に減り続けてきましたが、

記事にある通り2005年ぐらいから急激に増えてきています。

本人や家族の終末期の意識が変化している…のか

(つまり大往生と言われるような人の死に方は老衰死のような状況が多く、

躁であれば家族も本人にきちんとした最後を迎えることができたという感覚になっている…)

もしくは医師が安易にきちんとした診断を下さず、老衰と診断しているのか…。

もしくはその両方なのか…。


このテーマは以前NHKスペシャルでも2年前に特集されています。

老衰の細胞におけるメカニズムとは何か、

そして痛みはどうなのか、など興味深くみていた番組です。

命の長さだけを求めるのではなく、

安らかにいくためには、ということが報告された番組で、

なかなかうちの両親のこともあって、考えさせられる番組でした。

その番組のことを思い出すと、やはり本人・家族の意識の変化、という気がしています。

posted by リハ技師 at 21:18| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月16日

特定看護師 広がぬ理念

【自らの判断で一定範囲の医療行為ができる「特定看護師」の研修制度が、201510月の導入から2年を迎える。超高齢化社会で在宅医療を支える人材として期待され、国は全国で10万人の養成を目指しているが、実際に研修を受けた看護師は、想定より極端に少ない。人や賃金面の理由で研修機関が増えないことなどが拡大を阻んでいる。】

(中日新聞・朝刊 2017912日 記事引用)


まず特定看護師って、わかるでしょうか。

まぁ、ごく簡単に言うと、医師に変わって医療の一部を行うことができる看護師です。

なぜこのような看護師の制度ができたのでしょうか。

これは将来的に医療・介護職の人材が不足していくことをふまえて、

様々な職種が職能の移譲という手法で対応していく、ということです。

職能の移譲とは、

仕事でお互いに重なり合っている部分があることを当然として考え、

さまざまな職種が職種間で相互乗り入れして職務を遂行することを意味します。

今まで医師しかできなかったものも、

医師もできるけれど他の職種もできることで、医療の効率化が図れる、というものです。

このような背景で進められてきた特定看護師、

しかしなかなか記事によると、普及できていません。

指定研修機関の少なさ・指導者不足・研修者の負担が大きいと、記事では書かれています。

しかし、それだけでしょうか…。


この特定看護師は、もう看護師とは呼べないのではないのかと、ついつい見てしまいます。

なんかミニ医師のような感じが…。

看護師の専門性は何なのか、ということは問わなければいけません。

特定看護師になりたい人もたくさんいるかもしれませんが、

それ以上に今まで歴史的に培ってきた看護師の姿に魅力を感じ、仕事をしてきたひとはいます。

特定看護師の研修が受けられる環境にある人にあり、その能力がある人でも、

あえてそこは目指さない、というひとが結構いるのだと思います。


ゆえにおそらく国は研修機関を増やしたりなどの環境づくりを早急に進めるでしょうが、

国の目標数値にはなかなかハードルは高い、とブログ管理者は見ています。

posted by リハ技師 at 20:49| 山形 ☔| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする