2011年02月18日

ホームエクスサイズ

久しぶりにリハビリテーション・イントロダクション。
今回はホームエクスサイズについて。

ホームエクスサイズは簡単に言うと、
在宅で長く過ごせるように機能面・能力面を維持させる訓練の事を言います。
実際に退院した患者さんにあわせて、
家で簡単にできる運動や体操、
または生活の中で動作指導等を行います。

ホームエクスサイズに限らない話になってしまいますが、
在宅で健康に暮らせるためには様々な視点が必要です。
特にみなさんに覚えてもらいたいのは、
厚生労働省でだした「寝たきりゼロへの10カ条」です。
これが実によくできていて、
具体的な体操の指導ではありませんが、
参考になると思います。

「第1条 脳卒中と骨折予防 寝たきりゼロへの 第一歩
 第2条 ねたきりは ねかせきりから 作られる 過度の安静 逆効果
 第3条 リハビリは 早期開始が 効果的 始めよう ベッドの上からの訓練を
 第4条 くらしの中での リハビリは 食事と排泄 着替えから
 第5条 朝起きて まずは着替えて 身だしなみ 寝・食分けて 生活にメリとハリ
 第6条 「手は出しすぎず 目は離さず」が介護の基本 自分の気持ちを大切に
 第7条 ベッドから 移ろう移そう 車いす 行動広げる 機器の活用
 第8条 手すりつけ 段差をなくし 住みやすく アイデア生かした 住まいの改善
 第9条 家庭でも社会でも よろこび見つけ みんなで防ごう 閉じこもり
 第10条 進んで利用 機能訓練 デイサービス 寝たきりなくす 人の輪 地域の輪」

この10カ条はかなり古いもの(1991年作成)ですが、
今でも通用するものでしょう。
もちろん少し古くなってここはこう言い換えた方がいい場所もあります。
例えば題名と第2条、
現在、寝たきりは当然いるものの20年前と現在ではその寝たきりの割合は減少していると聞きます。
現在であれば一歩踏み出して座ったままだけにさせないという方針がでてきてもいいでしょう。
ごく簡単な言葉で書かれており、
ケアマネージャーや介護福祉士もこの10カ条を覚えてもらえればと思います。
リハをする上でこの10カ条は基本的な事ではありますが、
意識しなければその基本をおろそかにする事もありえます。
やはりリハ技師も心に刻み込まなければならない10カ条だと思います。

次回のリハビリテーション・イントロダクションは、
物理療法についてです。
posted by リハ技師 at 08:58| 山形 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月17日

呼吸器リハビリテーション

リハビリテーションイントロダクション,
かなり久しぶりになってしまいました.
今回は呼吸器リハビリテーションについて.

『呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハビリ)の目的は,慢性呼吸不全患者における呼吸困難の軽減,運動耐容能の改善,健康関連のQOL(HRQOL),ADL(日常生活活動)の改善である.すでに薬物療法により症状が軽減している患者においても,呼吸リハビリによりさらに上乗せの改善効果を得ることができる』
(動画でわかる呼吸リハビリテーション第2版 中山書店 引用)

当院は嚥下障害の患者さんがたくさんいます,
呼吸と嚥下は非常に密接な関係があることから,
当院においてPT・OT・STが呼吸器チームを
本格的には2年前から立ち上げています.
呼吸器リハを必要とする患者は,
その呼吸器リハチームが
呼吸器リハのところだけを担当します.
最近は呼吸器関連の研修を鶴岡協立病院で行ったので,
当院の呼吸器リハチームの意識・意欲も高まっています.
更なる呼吸器リハの質の向上に向けて頑張ります.

次回のリハビリテーションイントロダクションは,
ホームエクスサイズについて.
posted by リハ技師 at 19:49| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月07日

高次脳機能障害について

リハイントロダクション、
今回は高次脳機能障害について
「大脳には直接投射野と連合野がある。直接投射野は大脳と大脳以外とを結ぶ部位で、そのため一次領域と呼ばれ、感覚野(視覚、聴覚、触覚など)と運動野にあたる。連合野は大脳内での神経連絡が行われる部位で、二次領域と呼ばれ、情報の処理にかかわる。大脳の前半部(前頭葉)は運動機能にかかわる。大脳の後半部(頭頂葉、側頭葉、後頭葉)は感覚機能にかかわる。左大脳半球は言語機能にかかわり、優位半球とも呼ばれる。右大脳半球は空間認知にかかわり、劣位半球とも呼ばれる。病気や怪我のために大脳の連合野が損傷されると高次脳機能障害が出現する。高次脳機能障害には言語、認知、記憶、思考、注意、行為など人間が社会生活を送るうえで必須な機能の障害が含まれる。これらの機能は現代社会では高い価値を与えられている機能であり、これらの障害を帯びると人は安寧した生活を送ることが難しくなる。また、麻痺のない高次脳機能障害は障害の認定が受けにくく、社会福祉サービスも整っていない。」
(教材による認知リハビリテーション、種村純・椿原彰夫、永井書店)

よく例えで「脳は宇宙のようなものだ」と言われることがあります、
それほどわかっていないことがたくさんあり、
これからの研究が待ち望まれる分野であることを示しています。

この高次脳機能障害は、本当に様々な障害があり、
どのような障害かを診断するのかが
まだまだ遅れているように思われます。
交通事故をにあい、頭を打ったとします、
麻痺はなかったものの、
判断力や注意力が仕事に影響があったとします、
しかし周りの人は「事故があってからやる気がなくなったな」というように
誤解を受ける人はたくさんいるかもしれません。
医療側がしっかりと診断を下さないためにそのような事が出てしまいます.
この診断に対して数年前に,
高次脳機能障害の「診断基準」が、行政的な観点から策定されました。
この診断基準が有効的に使われることを望みます.

また仮にきちんとした診断がつけられても
記事にあるように社会福祉サービスは不十分です.
しかし徐々に改善しつつあります.
例えば,
高次脳機能障害と診断されれば「器質性精神障害」として、
精神障害者保健福祉手帳の申請対象になります。


次回のリハイントロダクションは,
呼吸リハビリテーションについてです.
posted by リハ技師 at 08:52| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

言語訓練について

リハイントロダクション,
久しぶりになってしまいました.
今回は言語訓練について.

様々な方法があります,
言語機能の賦活・復元・再編成が目的の,
  機能改善的アプローチ
  刺激法
  機能再生法
   認知心理学的アプローチ.
代償手段の獲得,実用コミュニケーションの拡大が目的の,
   代償的アプローチ.
環境条件の調整,社会参加が目的の,
   環境調整的アプローチがあります.
(参考文献:脳卒中最前線 第3版 pp232)

このようにみると
言語訓練というだけでも
幅広いアプローチという事がわかってくると思います.

次回のリハイントロダクションは,
高次脳機能障害について
です.
posted by リハ技師 at 12:10| 山形 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月19日

家事訓練について

リハイントロダクション、
今回は家事訓練について。

「家庭管理として(home management)として、食事の用意、掃除、金銭管理、買い物、電話、医療的管理、洗濯、時間管理、運転や交通機関の利用と言った……」
(作業療法ジャーナル6月増刊号 身体障害領域における「家事」 pp523〜pp524)

家事(文献では家庭管理と書かれているが、ここでは家事と読み替える)と言っても上記のように広い範囲になります。
これは人によって行う家事が十人十色だからです。
その人の家庭内役割・習慣が違うからこそ、
その内容を把握することが大切になります。
当然現在の遂行機能レベルはどの程度なのか、
その予後はどこまでいくのかも見極めなければいけません。
また上記のような活動の特色を把握する必要があります、
文献にも出ていましたが、
例えば調理はプロセス技能重視の傾向で、
掃除は運動技能を重視する傾向等です。
その活動の特色と現在の患者の技能を総合的に分析をし、
対応を図っていく必要があります。

次回のリハイントロダクションは、
言語訓練について。
posted by リハ技師 at 08:23| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月05日

下肢装具

リハイントロダクション、
今回は下肢装具について。

「骨格、運動器、皮膚など、身体の外部から装着することにより、機能・能力障害の維持・改善を図り、強いては社会的不利の改善をもはかるために用いる器具(あるいは装身具)である。」
(臨床理学療法マニュアル 南江堂 引用)

脳血管疾患等の患者に
機能訓練を行い、
障害が完全によくなるのであるなら、
装具は必要ではありません。
ただ後遺症は残存することが多く、
リハ技師はその後遺症がどの程度残存するのかを
見極めながら対応していく必要があります。
また廃用症候群の問題もあります、
早期に積極的な立位・歩行を行う事によって、
廃用症候群を改善していく事ができます、
ひいてはダイナミックなリハビリテーションを展開することが可能になります。
その時に下肢装具は必要な道具になります。
また心理的な問題も大きいでしょう、
病気をして立てなくなった、歩くことができなくなったという悲観的な思いから、
下肢装具を利用してでも立つことができた、歩くことができたという体験は、
その人のモチベーションをあげることにつながっていきます。
ただし当然装具をして歩ければいいと問題ではありません。
どのように歩いているのかという質の問題は追及していかなければいけません、
装具をしていても変な歩き方をしていて、
体を痛めたりすることがないようにしていかなければいけません。

次回は、
家事訓練についてです。
posted by リハ技師 at 08:44| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

利き手交換

リハイントロダクション、
今回は利き手交換について。

「利き手(ふつう右手)が麻痺した場合、麻痺が軽く早期に完全な回復が期待できる場合を除き、原則的には非利き手への利き手機能の転換の訓練を早くから、患手の訓練と並行して開始すべきである。」
(目で見る脳卒中リハビリテーション医学 上田敏 p84 引用)

私の尊敬する人に
星野富広さんという人がいます。
四肢麻痺の詩人+画家です。
大学を出てすぐにある中学校の体育の先生として赴任したのですが、
2ヶ月後にその体育で首の骨を折り、
頚髄損傷になります。
絶望と闘いながらも看護師・看護学生の助言から、
口にくわえた筆で絵を描くようになるのです。
(後に詩を付け加えるようになります)
本も出しており、
私も書店で(私は以前群馬に住んでいました)見かけ、
特にその詩に心揺れるハート打たれました。
いつか星野富広さんの詩を紹介しましょう。

この星野富広さんの四肢の回復は困難だという事は、
医師からの面談などで聞いていたかもしれません、
おそらく目の前が真っ暗になった事でしょう、
周りにいた看護師・看護学生は、
星野さんにまだまだできることはある、
口と首の動きで絵がかけるじゃないという思いで
助言したのだと思います。

かなり話がずれましたが、
障害された手足に対してアプローチをかけることは、
当然リハ技師として行うべきものです、
しかし手足の機能回復がリハ技師として、
患者さんに対する最上の治療方針ではありません。
患者さんが地域に帰って幸せに暮らせるようにすることが
最上の方針となるのです。
星野富広さんを知るとそう思います。

人には(残存機能の)適応性があるという事に確信をもち、
機能面改善に対しても可能性を探りながらアプローチを加えていく、
ということがリハアプローチの原則のような気がします。

次回は
下肢装具についてです。
posted by リハ技師 at 18:51| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

移動補助具について

リハイントロダクション、
今回は移動補助具について。

「二足歩行の困難な人の歩行を補助する目的で用いられる杖、松葉杖、歩行器、歩行の代替用具として使われる車椅子を総称して移動補助具という」
(移動補助具 金原出版株式会社 松沢正監修 松原勝美著 文献引用)

皆さんがイメージするのは、
一本杖と車いすでしょう、
大きく分けるとそれにプラスして歩行器(車)が入ります。
最初歩けない場合は車いすを使用します。
しかしできるだけ早く移動補助具+装具を利用して、
移動が自立できるようにしていきます。
移動補助具をどのような人に
どのようなタイミングで
どのような環境下で行うかは、
医師の基本方針に基づきながら、
理学療法士が具体的に検討しアプローチしていきます。
(アプローチの場合は、
行う意味合いは違いますが、
作業療法士や看護・介護職が行うときがあります)
もちろん装具や移動補助具も外しても大丈夫だと判断できたときは、
独歩での歩行にします

例え歩くことが難しい場合は車いすになります、
しかし当然ですが適切な車いすを処方していきます、
特に全介助の患者さんの場合、
不適切な車いすの場合は姿勢が崩れてしまいます。
そのために体に痛みが生じたり、
床ずれができてしまったり等の二次的な障害を引き起こしてしまいます。
これも
医師の基本方針に基づきながら、
理学療法士が具体的に検討しアプローチしていきます。

次回のリハイントロダクションは、
利き手交換訓練です。
posted by リハ技師 at 19:12| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハイントロダクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする