2018年06月27日

静かで、にぎやかな世界 ~手話で生きる子どもたち〜

久しぶりに番組の紹介。

526日放送、NHKEテレ。

ETV特集「静かで、にぎやかな世界 ~手話で生きる子どもたち〜」


番組のホームページから、この番組の概要を。

【耳が聞こえない子どもたちが手話で学ぶ明晴学園。小さな手がたくさんの言葉を紡ぎ出す。子どもたちの静かで、にぎやかな世界と卒業生の日々をノーナレーションでみつめる。

子どもたちが目をキラキラさせながら、手話で教科書にある「春のうた」を朗読。声はない。でも“静かな朗読”を見ていると、早春の爽やかな風が頬を撫で、いぬのふぐりのちっちゃな花々が目の前に咲き乱れる。全国のろう学校では長年、聞こえる人が大半の社会に適応することが重視されてきた。しかし明晴学園は“ろう”のまま生きることを大切にする。子どもたちの“静かで、にぎやかな世界”と卒業生が見た社会に“目”を傾ける。】


番組の演出がまずびっくりでした。

まずナレーションが全くありません。

BGMも多少あっただけ。

話す人のインタビューは確か1人のみ。

基本は全て字幕でした。

つまりこの番組の「音」は、ほとんど物音だけだったのです。

全く静かな番組でした。

しかし、です。

タイトルが示しているようにこの明星学園の子どもたちの表情や、

身振り・手振り、

また積極的な行動は、

とても活動的で躍動していました。


いつのまにかブログ管理者はこの番組に引き込まれてしまいました。

なぜか声や音が無くても、なぜこれほど引き付けられるのか、

おそらくこの明星学園の教育方針にあったのだと思います。


全国のろう学校では長年、聞こえる人が大半の社会に適応することが重視されてきました。

どのような教育かと言うと、

“聴者”が大多数の社会に出た時に困らないように、と力を入れてきたのは発音練習や、

口の形を読み取る訓練。

しかし、音を聞いたことのない子どもが、口の形を見て、

言葉を習得するのは簡単なことではありませんでした。

手話もならってはいたようでしたが、時間的に不十分だったので、

中途半端な状態。

また言葉の習得もうまくいかない子どもたちがたくさんいたのです。

しかし明晴学園は“ろう”のまま生きることを大切にします。

日本手話という言葉をきちんと身に着けたことで、

きちんと人と向き合い、そして深く考えられるようになっていったのです。


明星学園に来るまでは、ほとんどコミュニケーションをしなかった子どもたちが、

ここにきて、日本手話でのおしゃべりがとまらなくなったと、

母親が笑顔で話していました(話していたと言っても、手話を使ってです)

そして自分は、ろうであることを恥じないと、全ての子どもたちが話していました。


聞こえる人たちの集まる社会に適応するための教育、

しかしそもそもこの教育理念は正しいと言えるのでしょうか。

ろうの人たちが参加しやすい社会にするためには、

少しでも健常な人たちが、ろうの人たちに寄せていくことが必要ではないでしょうか。

posted by リハ技士 at 18:29| 山形 ☔| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月07日

学校におけるガン教育

さて番組の紹介。

310日放送。

BS朝日1

TVスペシャル「学校におけるガン教育」

番組のホームページから…。

【がんは日本人の死亡原因の第1位、2人に1人が罹患する時代、がんを知り、癌を予防するという視点から「学校におけるがん教育」について考えます。

3期がん対策推進基本計画では、文科省の学習指導要領にも、がん教育の実施が盛り込まれました。

番組では「神奈川県がん教育協議会」や集学的がん治療の現場などを取材して、がんとの共生社会の実現についても考えます。】


まず基本的なところからおさらいしましょう。

日本人のがん罹患率は、

男性が2/3、女性が1/2となっており、

誰もが身近に罹患している病気であることは間違いないものだと思います。

そのような身近な病気であるのにも関わらず誤解があるものもあり、

例えば内閣府で行ったがんに対する世論調査において、

がんを予防するために日ごろから行っているものは、という問いに、

第1位で「(食べ物を食べるときに)焦げた部分は避ける」というものがあります。

ブログ管理者も聞いたことがある内容ですが、

これはもう都市伝説のようなもので、全く科学的な根拠が何もないものです、

つまりきちんと小さいころから学校で正しい知識を得ることは重要なのです。

(番組で言っていたことで意外だったのは、

世界の先進国の中でがん死亡が増え続けているのは日本だけというものでした)

もちろんこれはただがんに対して正しく理解するということだけでなく、

命の大切さについても考えさせられるいい機会にもなりうるものです。


以前ある番組である先生が防災(地震など)の必要性をあることを地域に啓蒙しようとしたのに、

集会に来たのはそのような防災に意識の高い人、少数にとどまってしまい、

どう防災意識をうまく地域で高められるか悩んでしまいました。

そこで手をうったのが、小中学生に対しての授業に防災を取り入れたのです。

授業ですので、子供たちは絶対経験します、

その子供たちが家庭に戻って、両親などにその防災の重要性を報告し、

最終的にその地域の防災意識は高まったという成功例でした。

今回のがん教育も同じことが当てはまります。

子どもたちの教育が家庭に広がり、早期に検診していくことにつながっていくかもしれません。


この取り組みで、

まだ10年単位の時間はかかるかもしれませんが、

日本だけが増え続けているがん死亡者の数をストップさせることができることを期待しています。

posted by リハ技士 at 11:42| 山形 ☔| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月05日

Reborn〜再生を描く〜

番組の紹介。

2月17日放送。

ETV特集「Reborn〜再生を描く〜」


番組のホームページから…。

【自分の身にいったい何が起こったのか。これからどう生きていけばいいのか。脳損傷をきっかけに絵の才能が開花し戸惑うディジュリドゥ奏者・画家GOMA、再生の日々を描く

ディジュリドゥ奏者・画家GOMA8年前、交通事故で脳を損傷し高次脳機能障害をおった。一方、事故から2日後、全く造詣のなかった絵の才能が開花。以来描かずにはいられない衝動に駆られ、脳裏に浮かぶイメージを点描画で表現してきた。自分の脳に何が起きたのか。アメリカを旅し、サヴァン症候群の研究者や脳損傷を機に音楽や数学の才能が目覚めた人を訪ね、自らの生き方を模索。】


この番組でこの人の絵を見ましたが、

ものすごく幻想的で、何か夢の中の風景を描いているような不思議な感覚に襲われる感じでした。

しかしこの絵が実は脳損傷を受け、高次脳機能障害になってからということに驚きました。


このように脳に障害を受けたあと、

特定の分野に驚異的な能力が開花することを後天的サヴァン症候群と言います。

有名どころで言うと、

昔ドラマにもなっていた「裸の大将放浪記」、

これにはモデルがいて、名前を山下清と言います。

この人の絵は、ものすごく温かみがあって、個人的には好きですが、

この人がサヴァン症候群ではなかったかと考えられています。


番組にでていたGOMAは、新たな能力を得ましたが、

それ以上にその他の高次脳機能障害の問題に対して悩み、

そして現在突然湧いて出た能力がいつかなくなってしまい、

何もできなくなってしまう人間になってしまうのではないかと強い不安におびえているのでした。


番組では、GOMAがアメリカの何人かのサヴァン症候群をもっている人たちや、

その研究者とあって、

その不安をぬぐおうと語り合うのですが、果たして…。

posted by リハ技士 at 20:22| 山形 | Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月26日

“脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体

番組の紹介。

24日放送のNHKスペシャル。

タイトルは、

「“脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」。


番組のホームページから概要を引用します。

【…テーマは“脳”だ。番組では、お笑い芸人で芥川賞作家でもある又吉直樹さんの脳を、世界最先端の技術で徹底的にスキャン。内部を走る電気信号の様子を、世界で初めて映像化した。その結果「ひらめき」に関わるとされる、特別なネットワークの正体が浮かびあがってきた。さらに「記憶力アップ」の鍵も解明されつつある。脳の“ある場所”で、新しい神経細胞が次々と生まれ、記憶力を高める重要な役割を果たしていることが分かってきたのだ。そのメカニズムの解明がさらなる研究へと波及し、認知症治療の新たな戦略も見えてきている。創造性やひらめき、意識や心も生み出す、究極のネットワーク臓器“脳”。その美しくも神秘的な世界に迫る。】


この番組の中で注目したのは、最後のところ。

記憶は歯状回というところの新しい細胞が次々に生まれているかが、

その老化の程度をさぐる1つの指標になるようなのですが、

なんと90歳においても健康な人の能であれば、歯状回で新しい細胞が次々に生まれているのだそうです。

またマウスだと一定程度年をとると必ず脳細胞は急激に減っていきます、

しかし脳は必ずしもそうではなく、

人間だけには年をとってもある程度高い認知機能を保てるような機能があるのだそうです。

そうであるならば、脳機能低下予防の鍵は必ずあるはずです。


もう1つ「うーん」とうなったのは、

ひらめきについての番組における考察です。

脳神経細胞のネットワーク、

ほぼ何も考えない状態でぽっーとした状態を電気信号の状況がみることができる機械でみると、

太い幹が全体をつないでいる状態なのです。

実は脳は「ぼーっ」としているときに様々な記憶の断片を自由自在につなぎあわせて、新しい発想を生み出しているのです。

(ということは、たくさんの記憶の断片を獲得することも「ひらめき」を獲得するためには必要なのです)

普通、「ぼーっ」とした時というのは脳はそれほど活動していない状態と思われていましたが、

そうでもないというのが最近のテクノロジーでわかってきているのです。


記憶に関しても番組では言及されていましたが、ここでは割愛。

posted by リハ技士 at 17:55| 山形 | Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

長すぎた入院

番組の紹介、

23日の放送 ETV特集「長すぎた入院」。

番組のホームページから、概要を引用します。

【精神科病院大国、日本。人生の大半を精神科病院で過ごした人の実態が、原発事故をきっかけに見えてきた。なぜ彼らは長期入院になったのか。当事者の証言で探っていく。

精神科病院大国、日本。世界の病床のおよそ2割が集中し、長期間、精神科病院で過ごす人が少なくない。国連やWHOなどからは「深刻な人権侵害」と勧告を受けてきたが、その内実はほとんど知られることはなかった。ところが、原発事故をきっかけにその一端が見え始めてきた。人生の大半を病院で過ごした人。入院治療の必要がなかった人。番組では、患者たちの人生を追うとともに、なぜこのような事態が生じてきたのかを探る。】


このような実態は、

新聞の記事や新書で読み、ある程度理解はしていました。

しかし今回は実際に40年以上精神科病棟に入れられていた人が、

顔をきちんと出して、なぜ長期入院に至ったのか、

当事者がその一緒にいた友達(同じく長期入院していた人)や職員を訪れて、

その要因を探るルポになっており、

具体的な事例を通しての番組構成だったので、理解しやすかったです。

(番組に出ていた人は、原発事故がなければずっと長期入院のままだっただろうと本人は言っていました、

原発事故のためにその病院の地域が避難地域だったため、他の病院に転院し、

更に福島に戻りたいということで福島の別の病院に転院したところ、

そこでの診断は精神状態が安定しているので、入院する適応ではないと判断されたのです)


家族も社会も精神障害に対しての偏った知識があったために、

なかなか地域に帰れなかった状況や、

そもそも精神病院が安定している精神患者を退院させなかったという問題がありました。

番組でもっともびっくりしたのは、

知的障害をもっている人たちが、精神障害ということで入院させられていたのですが、

調べてみると何の精神障害をもっていないという事例も結構あることが分かったのです。

明らかに差別感情がこのような結果を引き起こしたのではないかとブログ管理者はとらえています。


以前、通所リハの卒業のコラムで、卒業するには地域の受け皿が整備されていることが大切だと言いました。

今までの状態は、その地域の受け皿が意図的に作らなかった?作れなかった?というふうにとらえられても仕方がないような気がします。

もちろんここ数年は在宅復帰強化に向けての取り組み、受け皿強化も進んでいます。


「長すぎた入院」による「深刻な人権障害」は、解消の方向に進むことを強く願うばかりです。

posted by リハ技士 at 17:43| 山形 ☔| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする