2018年08月09日

“ともに、生きる” 〜障害者殺傷事件 2年の記録〜

番組の紹介。

721日の放送。

NHKスペシャル「“ともに、生きる” 〜障害者殺傷事件 2年の記録〜」


番組の概要をホームページから。

【模原市の津久井やまゆり園で、重度の知的障害者19人が殺害され、27人が重軽傷を負った事件から726日で2年になる。「意思疎通できない障害者は不幸しかもたらさない」。植松聖被告が語った動機は社会に大きな衝撃を与えた。

いま、植松被告に直接向き合うことで、事件を乗り越えようとしている人たちが相次いでいる。重度の知的障害のある娘を育ててきた学者や、福祉を志す女子学生など・・・。それぞれが植松被告と、接見や手紙のやりとりをしながら事件と向き合おうとしている。

さらに、事件が福祉の現場に突きつけた重い課題を乗り越えようと、実際に行動を起こし始めた人たちもいる。NHKでは、やまゆり園の入所者や家族を事件直後から取材。“見えにくかった”障害者の意思を丹念にくみ取り、本人が望む日常生活を送れるようにしようと、新たな取り組みを始めている。

“戦後最悪の大量殺傷事件”の教訓をどう受け止め、未来につないでいけばよいのか。被害者や家族、そして事件と向き合った人たちの2年を記録し、きれい事ではない本当の意味での共生とは何か、考えていきたい。】


実際にこの植松のように行動してしまう人はいないのでしょうが、

植松と似たような考えを持っている人は大勢いるのだと思います。

(SNS等で植松の考えに共鳴し、賛同した意見を表明している人もいると番組では話していました)

そのような人がいることを想定したうえで、

私たちが発信しなければいけないのは、

引用した記事にあるように、きれいごとではない説明をしていく必要もあるのではないかと考えています。


そもそも植松はどのような考えをもっていたのでしょうか。

重度の知的障害でコミュニケーションが取れない人は、「心失者」、

つまりこのような人は、人としての心をもっていない人と、捉えていたのです。

心がないから人間ではない、そのような人を保護する必要はない、

もっと言えば、いなくていいという論理なのです。


番組では、意思表明ができないような人においても、きちんとその人を観察していれば、

嬉しかったり、悲しかったりする心の動きがわかる、ということを何人かの人を紹介して説明していました。

実際にダウン症候群をもつ父親は、

「なぜ断定的に心がない人と言えるのか」と憤りの言葉を番組で言っていました。

それはそうでしょう。

実際にきちんと適切な対応をし、

そしてつぶさに観察していけば心の動きはわかる場合が大きいと私も思うからです。

しかしそもそも心がない状態においてでさえ、家族が思う心は強いものです。

なぜなら私たちは亡くなった人でさえ「遺体」という言い方をします、

「死体」ではなく、「遺体」です。

亡くなっても、ただ物体として見るのではなく、その一個人として敬う見方をしていきます。

2年前の事件で亡くなった家族の想いは、相当であったはずです。


確か植松は殺した家族には申し訳ないとは言っていたような気がします(本当にそう思っているかは甚だ疑問ですが…)

しかし国としてはそのような人を保護すべきではないという考えをもっているようなのです。

そのような考え方しかできない人と、

ノーマライゼーションの思想を持っている数多くのリハスタッフでは、

考え方に大きな差があります。

ゆえに植松のような考え方をしている人に、命の大切さを教えても、話は平行線です。

ではどのように話していけばいいのでしょうか。


ブログ管理者にも明快な答えはありません。

ただあえて全く不十分な答えでいいのであるなら、このように話すかもしれません。


健常な人は今は健康で楽しく生きているかもしれない、

しかし何かの拍子で事故に遭ったり、急な病気に合うことは可能性としては0ではありません。

絶対健康な状態が続くという保証は誰もがもっていないのです。

そうであるなら、

誰もが重度な障害をもつ可能性があります。

その時に周りが生きていても無駄であるような環境であれば、

絶対その人は不幸になるに決まっています。

誰もがそんな不幸な生き方はしたくないはずです。

重度な障害をもっている方をきちんと国が保護してくれる仕組みであれば、

私たちがいつそのような状態になっても安心だと言えることができます。

しかし、ここで反論があるでしょう。

国のお金には限りがある、

全てそのような人に多くの保護を与えてしまっては、財政的にもたない、というものです。

ブログ管理者の反論としては、

だからこそ政治があるのだ、というものです。

どのところまで支援するのか、そして財政的な問題も含めて、

一定程度の線引きをしていくのです。


相模原事件からもう2年、

植松の問いに、私たちはどう返すのか、更に考え続けています。

posted by リハ技師 at 19:55| 山形 ☁| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月08日

“悪魔の医師”か“赤ひげ”か

番組の紹介。

77日放送。

ETV特集「“悪魔の医師”か“赤ひげ”か」


番組のホームページから下記引用。

【愛媛・宇和島で行われたある移植手術は、激しい批判と長年の論争を巻き起こした。週刊誌記者・学会・患者など多角的な証言から浮かび上がる、日本の医療と社会の姿とは。

2006年、宇和島市の万波誠医師が行った手術が大きな波紋を呼んだ。がんなど病気の腎臓の患部を切除して移植する「病気(修復)腎移植」。特殊な医療を独断で行ったと学会やマスコミから「人体実験だ」など猛烈な批判を受けた。一方、患者たちからは移植医療の選択肢として万波医師を支持する切実な声も広がった。“医療のあり方”をめぐり論争を呼んだ騒動のゆくえを、当事者たちの証言とアメリカでの移植の現状を交え描く。】


このブログでも病腎移植について特集をしたことがあります。

結論的には、

同意書などの文書の不備や倫理委員会を通していないなど、

様々な段取りが極めて不十分であったことは、批判しつつも、

現在の腎臓移植絶対数の少なさから考えれば、

病腎移植については、前向きに研究を進めるべきだという結論でした。


そもそもこの病腎移植をすすめた医師(万波医師)に対して、

週刊誌などで悪魔の医師というレッテル張りを含めた言い方で、

多くの批判が寄せられました。

確かに様々な手続きがぬけていたことには批判があっても仕方がないと思いますが、

その思いのところまでリサーチすることなく、

週刊誌が売れればいいという的な感覚で書いてしまうということも私たちはふまえなければいけないと思われます。


病腎移植批判側も言っていましたが、

本当に問題なのはいかに腎臓を提供できる数を確保していくか、ということです。

移植に関するデータで、

どの臓器が移植待ちが多いのかリサーチすると、圧倒的に腎臓です。

心臓や肺や膵臓・肝臓などは200~700人程度ですが、腎臓は12000人を超えています。

なんと2桁も違うのです。

それほど待機者がいる実態、

そして腎臓が提供できる人(死後の移植)は年間100(腎臓は2つあるので200)程度なのだそうです。

つまりその年で腎臓が1つでももらえる可能性は1%台なのです。

圧倒的に腎臓の数が少ないことは、このことであきらかでしょう。


厚労省は先月、この病腎移植を先進医療として認めました。

つまり一部保険適応が認められたのです。

今までの宇和島徳洲会で積み重ねた実績のたまものだったかと思います。


万波先生の臨床での淡々とした姿、私にはまぶしく見えました。

posted by リハ技師 at 18:57| 山形 ☁| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月03日

空海 乗り物酔い克服術

番組紹介。

BSプレミアム 偉人たちの健康診断

「空海 乗り物酔い克服術」

74日放送。


まずこの番組の紹介をホームページから引用。

【平安時代、日本に密教をもたらした空海。中国大陸を目指した遣唐使船の船旅では、誰もが船酔いに苦しむ中、ひとり空海は船酔いをものともしなかったという。その秘密を空海がマスターしていた独特の呼吸法から探る。さらに仏教の奥義を極めるために難解なサンスクリットをわずか3か月でマスターできた理由を脳科学の見地から検証。そして帰国後に苦しんだという「心の病」。空海の心を救ったのは「ある習慣」だった!?】


そもそも空海はなにをした人か、皆さんは理解しているでしょうか。

ブログ管理者も、宗教のすごい人、という程度で正直よくわかっていませんでした。

リサーチしてみると真言宗の開祖と書かれています。

しかしその真言宗自体がそもそもよくわかりません。

それもリサーチすると、この宗教の特徴は密教と書かれています。

この密教は誰でも修行によってすぐに(生きたまま)仏になることができる、というものでした。

当時の宗教は、生まれながらに才能を持った人しか悟りを開くことはできない、というものでした。

最澄の天台宗もそうですが、

だれもが悟りを開くことができるということをいい、宗教を万人に開いたのです。

また空海のすすめた真言宗は更に深化し、

悟りを開く材料は身の回りにいくらでもあるということも述べたのです。

(当時の宗教は、目に見えない何かを探求することでした)

ここまで聞くと、空海が推し進めた真言宗のすごさがわかり、宗教人としては偉人だったことはうかがい知ることはできます。

しかし空海はそれだけではありません。

空海の別名、弘法大師という名前は皆さん、聞いたことはないでしょうか。

弘法筆を選ばず、という文句は聞いたことがあるでしょう。

空海は字がうまいことでも有名ですし、詩などの文学にも造詣は深かったと言われています。

それだけにとどまりません。

なんと日本で初めての学校を開いたのも空海と言われています。

もうこうなると、スーパーマンですね。


さてその空海。

中国に行って、真言宗の核となる密教を学んで、それを日本に持ち込んだわけですが、

その航路で、船酔いをしなかったという言い伝えがあるのです。

当時の船は、今の船と違って、横揺れ防止装置がなかったので、

尋常じゃない揺れ方をしていていたそうです。

そのような揺れをしていけば船酔いになるのは自然なことです。

ではなぜ空海は船酔いをしなかったのでしょうか。


そもそも船酔いとは何なのでしょうか。

一言でいうと、視覚と耳の中になる三半規管のズレ、と言えます。

それが大きくなると、自律神経が乱れ、ヒスタミンが放出、嘔吐という症状に至ってしまいます。


真言宗では、阿字観という瞑想法があります。

実際に番組でその瞑想法をしているお坊さんに脳波を計測する機械をつけてみました。

そうするとリラックスしたときにでるα波がかなり見られ、

時に、深い眠りについたときにあらわれるシータ波がでたのです。

起きているのにシータ波がでている…、

空海はこの瞑想法によって、視覚と三半規管のずれを遮断したのではないか、

そのことで自律神経は安定し、乗り物酔いが起きなかったのではないか、というものでした。

空海、恐るべし………なのです。


歴史の面白さと健康ネタも追える番組として、

今後この「偉人たちの健康診断」は見続けていきたいと思います。

posted by リハ技師 at 15:24| 山形 ☀| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

近視との闘い ~大流行は止められるか~

番組の紹介。

65日の放送、

NHK BS1BS世界のドキュメンタリー「近視との闘い ~大流行は止められるか~

(2017年、フランスの番組)


番組のホームページから。

【アジアを筆頭に、欧米さらに途上国の現代っ子のあいだで爆発的に増える文明型疾患=近視。その原因となる遺伝子や生活環境などを探り、最新の知見と予防・治療法を紹介する。

2050年までに5億人が視力を失うと警告する科学者がいる。若者の8割以上が近視の中国では、目を机に近づけないように姿勢を矯正するバーを教室に導入。近視の原因となる遺伝子は100種類以上あるとわかり、特定は困難とされているが、戸外で過ごす時間が長い子どもは近視になりにくいという意外な調査結果も注目を集める。瞳孔を開かせるアトロピン目薬が人気のシンガポールなど、各国での試行錯誤の例も数多く紹介する。】


今までのブログ管理者における近視の理解は、

テレビとか本とか見すぎることによって、

毛様体筋がずっと収縮しつづけて、その影響で常に緊張状態になってしまう、

しかし毛様体筋はカメラでいうピントを合わせる機能を持っているので、

それがずっと緊張し続けて機能を果たせなくなると、

ピントが合わずぼやけた映像になってしまう、という理解でした。

これはこれで大きな間違いではないようですが、

もう一つあったのです(もう常識として把握している人も多いかもしれませんが、ブログ管理者には初耳でした)

それが、眼球の奥行が伸びてラグビー状になっていくというものです。

軸性近視と言われるもので、

ホームページで検索してみるといっぱい出ていましたので、

興味ある方は検索してください。


遺伝的要因も近視にはあるものの、環境的要因も当然かなりあります。

その環境的要因で今トピックスなのは「光」。

それも外の自然光です。

自然の光は光の波長で360~400ナノメートルが近視になるのを抑制できる効果があるという研究結果が出たのです。

逆にパソコンやスマートフォンからでるブルーライトは、目に良くないらしく、

携帯を離さない子どもたちの近視は、更に今後も進んでいくかもしれません。


posted by リハ技師 at 19:06| 山形 ☁| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月09日

大きく変わる がん治療最前線

番組の紹介。

テレビ東京 未来世紀ジパング

「大きく変わる がん治療最前線」


いつものように番組のホームページから、番組の概要を引用します。

【日本人の二人に一人がかかる病 がん。

そのがん治療が、今年4月から大きく変わった。

ロボットを使った手術と放射線治療で、公的保険の適用が大幅に拡大されたのだ。

これまで高額で、治療をあきらめていた人に光明が。

また、アメリカで注目されている最新治療法も紹介。】


大きくわけて4つ紹介されていました。

1つはロボット支援技術についてです。

今年4月から、病気の種類にもよりますが、公的保険が認められ、自己負担額が大きく低下しました。

その人の年収にもよりますが、

200万円かかっていた自己負担額が10万円程度になったのです。

ではロボットをわざわざ手術で使うメリットは何なのでしょうか。

それは人の手を使用するよりも精密で安全性の高いものができるからです。

このことによって、

将来、外科手術が標準化される可能性があります(やぶ医者が存在しなくなる???)

今までは、この機会はアメリカのある1企業が特許の関係で独占していましたが、

そろそろ特許がきれるころのようで、日本の企業も参戦をする予定のようです。

(なんとこれから参戦する日本企業で開発しているのは、

実際遠隔操作しているのにも関わらず、その手術時の操作時の感触もわかる機器を開発しているとのことでした)


放射線に関しては、重粒子線治療が紹介されました。

これも今回公的保険に認められ、自己負担額が大きく減りました。

この治療のメリットは、がん細胞だけを狙い撃ちできる放射線治療だとうことです、

それだけ放射線に対してのがん以外の健全な細胞に負担があまりないので、

この治療をしたあとでもスポーツができるレベルだとあるホームページでは宣伝していました。

デメリットとしては、これを行う施設はかなり限られているということでしょうか。

日本に13か所しかないようです。(ただし今後増えていくようです、山形県もその一つ)


3つ目は薬。

オプジーボについて、説明がありましたが、これは割愛。


4つ目の「光免疫療法」は、最初の3つと違って、全く初耳でした。

重粒子線治療は、多少なりともやや健全な細胞には影響は与える(ただし最小限)ようですが、

光免疫療法は、その光が全く無害な光なので、健全な組織は悪い影響を一切起こさないらしいです。

また今までの放射線治療は、がん細胞を狙い撃ちにして、たたくわけですが、

光免疫療法は、免疫細胞をがん細胞に対してきちんと戦えるようにする治療法です。

がんを狙い撃ちにするのではなく、免疫細胞をがんがあっても活発化させる仕組みなので、

特にがんの種類に限らずできる療法のようです。

まだ開発段階で、人に試せるのは今から3年後ぐらいでした。

posted by リハ技師 at 19:33| 山形 ☀| Comment(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする