2011年05月26日

理学療法士としての基本的接遇・コミュニケーションスキル

すみません.
昨日コンピュータートラブルで報告できませんでした.
別のパソコンでこのブログを入力しています.

一昨日の抄読会の報告をしましょう.
PTの報告.
「理学療法士としての基本的接遇・コミュニケーションスキル」
吉井智晴

クエスチョン形式で設問があり,
それに答える形の論文となっていました.
9つの設問がありましたが,
2つの設問のみを紹介しましょう.

よい患者―治療関係が「とれた」と感じるのはどんなとき?
この設問に対してここで挙げられているのが,
聞く姿勢,です.
『話を聞いてくれる人には良い印象をもち,思わず話してしまうということがある.そうやって話を聞くことを積み重ねていけば,次第に患者は受け入れられていると感じ,「この人なら話しても良さそう」と思ってくれる.』
10数年前はリハ技師一人に20人程度の担当患者を持っていました.
私が一番ひどい時で,
30人を超えた数を担当したことがあります.
その時のリハは患者数が多すぎて,
ゆっくりと患者の話す内容を聞くことが出来なかったように思われます.
(もちろんなるべく聞く様に努力したのですが…)
現在はリハ技師の数も多くなり,
かなり担当の数も減ってきています.
その分患者さんと向き合う時間も増え,
訓練だけでなく,
何を患者は必要としているのか,
現在何を思っているのか,
等をじっくりと聞くことが出来るようになってきています.

情緒・感情とコミュニケーションをどのようにコントロールするか?
「情報のやり取りだけではなく,感情的にも共感できる部分を増やし,少々の行き違いがあってもそれを修復できるだけの信頼関係をコミュニケーションによって築いておくべきだったということである.」
以前,報・連・相の勉強をしたときに,
情報の共有には3種類の共有があると聞きました.
事実・目的・感情です.
人間は感情にある意味支配されています.
例えば何かやりたいという思いは,
感情なのです.
リハは主体的に生活できるように援助していくことが大きな1つの目的となります.
主体的に,ということを考えた時に感情の視点は必須です.
そのことをふまえて対応する必要があります.

論文の内容はおそらく若手向けだとは思いますが,
中堅以降のリハ技師も思いを新たにするためにも必要な内容だと感じました.
posted by リハ技士 at 12:58| 山形 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月24日

リバーミード行動記憶検査

先週の抄読会を今日報告します。
今日あった抄読会は明日のブログで紹介しましょう。

先週はSTの報告。
リバーミード行動記憶検査について
クリニカルリハビリテーションの2009年4月号 Vol.18

記憶障害をもつ人にはリバーミード行動記憶検査(RBMT)とWMS-Rは必須の検査法。
RBMTの具体的な検査内容としては、
姓名の記憶・持ち物の記憶・約束の記憶・絵カードの記憶
物語の記憶・顔写真の記憶・道順の記憶・用件の記憶・見当識。
検査時間は30分程度と比較的短いのも特徴です。
英国での研究ではこのRBMTと日常生活の問題をよく反映していることが確認されています。
当院においてもよく使用される検査バッテリーです。
posted by リハ技士 at 18:44| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月23日

臨床実習再考

作業療法ジャーナル 4月号(2011年)
特集「臨床実習再考」

コラムも含めて7つの論文がありました。
その中から4つの論文をごく簡単に報告しましょう。

「作業療法士養成のための臨床実習再考」
竹田徳則
毎年7000名の作業療法士を社会に送り出していますが、
その作業療法を目指す学生は多様化し、
様々な課題を抱えている者が増えてきています。
このような学生に対してどのように教育をし、
質の高い作業療法士を育てることが課題です。
現在の臨床実習では
クリニカル・クラークシップという形態をとるところも多くなりました。
上記の内容は、
「実習指導者のもとで秘書として働いて仕事を覚える」というものです。
これは単に知識・技術の習得ではなく、
専門職種としての態度を身につける事が目的となっています。
私はレポート中心の実習ではなく、
体験を中心として学生とディベートする実習というイメージととらえました。
また様々な問題を抱えている学生には、
ある一定の学校側のフォローがある事が必要です。
実習指導者に対しての指導技術、その事に関する知識は、
臨床実習指導者会議などで研修できる場を作る事が重要となってきます。

「現代の学生気質とその対応」
高木邦子
現代の学生気質として6つ挙げられていました。
意欲・主体性のなさ・表面的な真面目さ・要求の厳しい依存性
うたれ弱さ・現実と乖離した自信・社会的スキルの不足。
確かに上記のような傾向はありますし、
その後の記述におけるどうしてそのような気質になったかという環境面での考察は、
十分に理解しつつも、
自分が社会人になった時も同じようなことがいわれていたような気がします。

ではそのような学生にどう向き合えばいいでしょうか。
当論文では4つの方法が挙げられています。
1.危機への直面は教育の一環と考える、
必ず誰でも人生、壁にぶつかります。
その事自体は異常ではなく当然であるという認識をまず支える側は持つ必要があるのでしょう。
2.具体的なフィードバックをする。
3.目標の優先順位と評価基準を明示する
4.場合によっては個別指導も

「臨床実習における心理的ストレスとメンタルケア」
綾野眞理
臨床実習の場は学生にとっては異文化体験であり、
カルチャーショックにおける心理的反応と類似しています。
臨床実習前に予想されるストレスを学校側が実習指導者に伝える事が重要と書かれていました。

「臨床実習再考」
工藤亮
まずは臨床実習の現状が述べられています。
これはごく簡単に表になっているのがあるのでそれを引用しましょう。
指導者側の抱えている問題点
指導者の人員不足・指導時間が取れない・指導者の若年化傾向
指導者の教育力低下・認知領域に偏る指導・治療効果の提示困難
学生が抱えている問題点
指導内容の違い・指導者との相性・やり取りができない
社会性のなさ・意欲の低下・想像力のなさ

クラークシップにも言及されていますが、
先ほど述べたので割愛します。
ただし先ほどの論文よりは詳しく内容が書かれています。

最後に指導ポイントが書かれていて、
1.学校側と実習施設側との連携
2.対象者との直にふれあって成功させる体験
3.学生にやる気を起こさせる関わり
を挙げていました。

ここまで読むと、
学生に甘すぎるのではないかという意見も出そうです。
ただ人は教育で大きく変わるのだという信念、
その事をベースにするのであるならば、
そのやり方はその対象者(学生)いかんで変わってくると考えます。
固定的な観念で指導に当たることなく、
現在の学生気質をふまえつつ、
先ほどの信念のもとに、
柔軟な対応が望まれるのではないでしょうか。
posted by リハ技士 at 10:05| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月19日

物理療法のエビデンスとトピックス

総合リハビリテーション 4月号
特集「物理療法のエビデンスとトピックス」

5つの論文が報告されています。
3つの論文をごく簡単に報告しましょう。

「物理療法のエビデンス」
物理療法のエビデンスを確立することが難しいがまず説明されています。
そしてエビデンスについての説明が入ってきます。
最後にエビデンスに基づいた物理療法の実例が挙げられていました。
その中で一つ気になった電気治療の報告では、
「中等度の嚥下障害には有効であるが重篤な嚥下障害には無効とされる」
当院ではこのようなアプローチは行っていませんが、
もっと具体的にどのように行ったか知りたい内容でした。

「痙縮に対する振動刺激」
中枢性麻痺の振動刺激は今まで麻痺筋の運動誘発を目的としていました、
しかし著者は振動刺激痙縮抑制法を開発、
バイブレーターを使用していて、写真にそのつけ方が載っていました。
結果としては促通反復療法と併用すると、
MASとSTEFで有意に改善を示していました。
CI療法との併用も確かに試しても面白いかもしれません。

「褥瘡に対する物理療法」
壊死組織の除去としては、
水治療法(推奨度C1)・電気刺激療法(推奨度C1)。
創の縮小としては、
水治療法(推奨度C1)・電気刺激療法(推奨度B)・光療法(推奨度C1)
陰圧閉鎖療法(推奨度C1)、高圧酸素療法(推奨度C1)。
感染・炎症の制御としては、電気刺激療法(推奨度C1)。
ポケットの解消・縮小には、陰圧閉鎖療法(推奨度C1)。
褥瘡に物理療法は恥ずかしながら初耳でした。
物理療法 恐るべし。
posted by リハ技士 at 19:50| 山形 | Comment(4) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月13日

ロコモティブシンドローム

理学療法ジャーナル 2011年4月号
特集「ロコモティブシンドローム」

リハ室として月に2〜5回、組織部の職員の付き添いで、
庄内医療生協の組合員さんの班会に行き、
毎回何かしら(10分程度)リハ体操を指導しています。
その時によく利用するのが、
太田仁史先生のいっぱつ体操と、
ロコモティブシンドロームトレーニングです。

ロコモは当法人の健康ネットワーク庄内という機関紙にも特集されたので、
多くの組合員さんは少なくとも聞いたことがあるぐらいにはなっています。
介護予防の患者や、
虚弱老人の方の予防的なトレーニングとして、
よく使われることが多いでしょう。


文献は4つの文献がありましたが、
最初の文献のみを紹介しましょう。

ロコモティブシンドロームの概念と現状
伊藤俊一 菊本東陽 西原賢

このロコモティブシンドローム(ロコモ)は2007年に、
日本整形外科学会で提唱された新しい概念です。
加齢によって、様々な運動疾患が起きて、
運動能力の低下を引き起こします。
運動器疾患で要介護者になっているのは2割を超えていているのです。
ロコモの要因は筋力の低下とバランス低下と運動器疾患です。
ロコモに気づくためのロコチェックという7つのポイントがあります。
班会でもこの7つのポイントを示すと、
引っかかる人が(私の印象ですが)7割程度います。
ロコモトレーニングでは、
片足立ち、スクワットが挙げられています。
特にスクワットは正しいやり方がある事を意識しなければなりません。
(意外と間違ったやり方をしているときがあります)

最近腰を痛めた私もロコモトレーニングをしようと、
やる気持ちだけは強まってきています。
実際行って続くかどうかは………。
posted by リハ技士 at 13:08| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする