2017年02月02日

超高額薬 柔軟に価格下げ

【厚生労働省は超高額の公定価格(薬価)を随時引き下げられるよう制度を大幅に見直す。価格の見直しは原則、2年に1度だが、売上高が1千億円を超えるような超高額薬では必要に応じて、価格を下げられる仕組みを導入する。技術革新に伴い、超高額薬は相次ぎ登場している。現在の硬直的な薬価決定方法を見直し、医療費の膨張を抑える。】

(日本経済新聞・朝刊 20161020日 記事引用)


これは以前診療報酬シリーズで説明しましたが、

再度説明しましょう。


この超高額薬・オプジーボが大きな問題となったのをきっかけに、

今回の薬価のシステムが改善されたので、

オプジーボ問題をまず説明しなければなりませんね。


オプジーボは最初皮膚がんに効く画期的な薬として保険適応されました。

しかし肺がんにも効く、ということにもなり、

最初470人の適応者から2万人の適応者に拡大されました。

皮膚に対しての画期的な薬だったので、

薬価のつけ方としては、製造原価+マージンという原価計算方式で、利益が出やすい仕組みになっていました。

このことによってきわめて高額な薬価になり、

なおかつ適応者が大幅に増えたので製薬企業の利益はうなぎのぼりで繁盛しつつも、

国の保険財政に直撃し、大問題になったのです。


このことにより厚生労働省は、薬価の改定の仕組みのハンドルを大きく変えることとなりました。

記事にも書いていますが、

保険適応の対象となる病気を増やしたときに、

売り上げ予測なども考慮すること、

海外での薬価を参考にすること、ということになり、

硬直的な薬価改定に風穴をあけたのです。


実際オプジーボは緊急避難的な対応でしたが50%の価格にし、順に価格を下げる方向のようです。

今度はこれが緊急避難的対応ではなく、システムとして対応されていきます。

posted by リハ技師 at 19:33| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月30日

貧困 胎児に深刻な影響

【経済的に貧困状態にある妊婦は、糖尿病などを患っている割合が高く、おなかの子に健康被害が生じる危険性があることが、千鳥橋病院(福岡市博多区)など5病院の共同調査で明らかになった。食の偏りや予防接種を受けないなど、貧困と幼児期に関する調査は行われているが、胎児期から影響を及ぼしていることを示したデータはほとんどない。】

(西日本新聞・朝刊 2016914日 記事引用)


以前みたクローズアップ現代では、

20代から40代の女性の自殺が増えている背景として、貧困があることが語られていたのを覚えています。

そこでは貧困だけの問題ではなく、幼児からの虐待や、夫からのDVなどの問題も複雑に絡み合っていました。

救急で自殺未遂の人を支援していくためには、

医療的な支援だけでなく、

精神面への支援+生活のところまで入り込んだアプローチをしないと、

根本的な対応はできないなと思いながら、番組を見ていました。


番組では、虐待を受けた女性は子どもをもっても、今度は虐待をする側になるケースも報告されていたので、

この不幸の連鎖を打ち切るためには、

何度も言いますが、総合的な支援が必要になってくるのです。


今回の報告はやや先ほどの話とは趣は違うものの、

貧困状態というものが、妊婦においても、いかに健康状態に直結しているかが、理解できます。

詳しく記事を見ていくと、

赤ちゃんの状態として、

脳に障害を及ぼしかねない低血糖が非貧困群0.8%なのに対し、貧困群は、3.1%となっていました。

他にも先天性疾患も大きな差があり、貧困群の方がかったのです。


しかし、本来このような調査は、国がしていくべきです。

どこまで格差が広がり、どのような問題が起きているのかを明確にすべきでしょう。

posted by リハ技師 at 18:20| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月17日

「地域枠医師」各地で奮闘

【道内の医学生に卒業後の地方勤務を義務付ける代わりに奨学金を支給する道の「地域枠医師」の1期生7人が、地方の医療現場に出てから10月で半年が経過した。制度が軌道に乗れば160人が地方で働くことになる。郡部の医師不足解消に期待が集まる一方、地方では高度な医療技術を学ぶ機会が限られるなど、課題も見えてきた。】

(北海道新聞・朝刊 20161013日 記事引用)


まずそもそもの地域枠医師制度とは何かを説明しましょう。

ごく簡単に言うと、

地方の医師不足を緩和するために設けられた奨学金制度と言えます。

月額10~15万円で、6年間でおおよそ1200万円程度。

医師免許取得後、

そのもらった奨学金の都道府県の医療機関などで、

貸与期間の概ね1.5倍(9年間)、従事していれば、奨学金の返済が免除される、というものです。


この記事によると9年間の流れとしては、

0~2年の初期臨床研修は、道内の研修病院で様々な研修を経験、

3~5年の地方勤務は希望する専門医研修ができる公的医療機関で研修(ただし5年目は200床以下限定)

6~7年の選択研修は、道内の医療機関を自由に選択、

8~9年目の地方勤務は200床の公的医療機関で医師不足地域に限定、というものです。


この地域医師枠制度の最大の課題は、きちんと本人が望む専門医を取得できるか、ということに尽きます。

専門医が取得できるような施設は都市部に集中しています、

しかし地域枠制度は医師不足地域に勤務してもらい、

もし気に入ればそのまま………、ということを期待しているのです。

ゆえに北海道の研修は6~7年目の研修を本人の自由に選択できるようにして、

その間に専門医をとれるように配慮したのだと思います。


当地域の山形では遅れて2015年度から…、

つまりまだ地域枠の医師学生は2年生でまだまだです。

山形においても医師不足地域は本当に多いですし、深刻です。

山形でこの地域医師枠制度によって、

本当に山形で医師になろうとしてくれるひとが増えるのか、

それがわかるのはまだ10年以上も先の話になります

posted by リハ技師 at 19:40| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月16日

精神保健指定医 89人資格取り消し

【精神障害者の強制入院などを判断する精神保健指定医の資格不正取得問題で、厚生労働省は26日、19都道府県の指定医計89人について、精神保健福祉法に基づき、資格取り消し処分としたと発表した。十分に診療していない患者の情報を使用して虚偽の症例リポートを作成するなどしていた。大量処分により、精神医療の信頼は大きく損なわれ、地域の精神医療への影響も懸念される。】

{読売新聞(東京)・朝刊 20161027日 記事引用}


まぁ、あきれたとしか言いようがありません

いろいろリサーチしていくと、

この中には、

神奈川県相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件で逮捕された容疑者の強制入院措置に関わった医師も含まれているのです。

そしてこの不正は、特定の地域ということではなく、

なんと全国的にあるということなのです。

これでは精神科って何か悪しき風土があるのではないかと疑ってしまうのは自然なことだと思います。

(もちろん、ブログ管理者、

一生懸命努力している精神科医も知っているからこそ、

このようなニュースは悲しい………)

また問題なのは不正した人だけでなく、

きちんと調べることなく、合格とした指導医も問題です。


強制入院と言うのは特別な権利で、

ある意味、その人の様々な自由を縛っていくものです(本人が拒否しても強制させて入院させられるものです)

ゆえにその資格と言うのはかなり重いものなのです。

このような不正を行っている人が精神障害の人の人権を制限する…、というのは、

倫理的にも到底許されるものではありませんし、

実力的にもその判断ができる医師ではなかった可能性があります。

例えばですが、仲の悪い家族がこの人がこのような状況だから強制入院させてください、と話したことをうのみにする医師がいたら…、

うーん、怖いです。

実際に厚生労働省は、処分者が過去に下した措置入院が適切であったかどうかを検証するように自治体に指導しています。


今回の事件は精神科医療の信頼を大きく崩してしまったと言わざるをえません、

抜本的に認定の在り方を検討すべきでしょう。

posted by リハ技師 at 19:54| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月05日

個人病歴を一元管理 厚生労働省構想

【厚生労働省は19日、病院での治療歴や健診結果など国民の医療や保健に関する様々な情報を統合し、病院や介護などの現場で活躍できるデータベースを2020年度から運用する構想を明らかにした。国民一人一人に最適な医療や保健サービスの提供を目指すとともに、投薬や検査の重複を防ぐことで医療費の節約にもつなげたい考え方だ。一方、情報提供への同意の取得や個人情報の取り扱いなど、実現には高いハードルが想定される。】

{毎日新聞(東京)・朝刊 20161020日 記事引用}


~ん、こんなの2020年度からできるんでしょうか。

厚生労働省が進めようとしている意思は、よくわかります。

ビッグデータを利用し、医療の効率化を図っていく考え方は、

客観的な事実に基づいての政策になりうるので、理解はできます。

(ただし、このようなものはうまく数字のマジックで利用されることもありうるので、

厚生労働省はその全体のデータを透明化し、誰もが検証できるようには、すべきでしょう)


しかしブログ管理者には現実的にこのような方向性に持っていくことは、

病院側から大きな反発があるのは目に見えています、

まず規格を統一するということであるならば、

現在電子カルテを入れているところでもまた設備投資しないと統一できない…、

ということがあるはずです。

やや古いデータで申し訳ないですが、

2014年の一般社団法人病院会と一般社団法人全国公私病院連盟協同の調査で、

自治体病院は9割が赤字、私的病院では5割が赤字の状態となっており、

年々その経営状態は2010年以降悪化傾向が止まっていません。

病院側も余裕はなかなかないのです。

厚生労働省が長期的にみれば、ということで、

全病院に一定程度の補助を出してくれるのであるならばいいですが、

あまり期待できそうにないのでは…、と思っています。


しかし、もしかしたら厚生労働省に何か秘策がある???

posted by リハ技師 at 19:49| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月26日

がん検診 精度に疑い

【総務省は30日、がん検診の精度を保つため都道府県が実施する事後評価について、17都道府県を抽出して2012~2014年度の状況を調査したところ、約4割に当たる7道県で不備が見つかったと発表した。北海道は評価自体をしておらず、精度の低下を防げなかった疑いがあるという。青森、埼玉、愛媛、福岡、長崎は主な4つの評価項目の一部が未実施だった。香川は望ましいとされる毎年度の評価をしていなかった。】

(伊勢新聞・朝刊 2016101日 記事引用)


まずがん検診後の事後評価って何だろうと思う人もいますよね。

この評価は2007年施行のがん対策基本法に基づいて行われているものです。

このことを行うことで、

実際のがん検診が意味のあるものになっているかを分析・評価するという目的があります。


他に調査された都県で問題なかったのは、

宮城・山形・東京、石川、福井、愛知、滋賀、大阪、鳥取、広島。

今回調査したのは17都道県だったので、

あとの30府県は今回調査していなかったので不明なのですが、

17都道県がこのような状況であれば、

きちんとがん検診後の評価を行っているかどうかはかなり怪しそう…、と思ってしまいます。


この国や地方自治体が関係している検診は、対策型検診と呼ばれます。

がん死亡率の減少を目的として、

有効性が確立された検査方法で実施されます。

公的な予防対策として行われる検診のため、費用は無料か少額の自己負担で済みます。

その対策型検診の中身は5種類で、

胃がん検診・大腸がん検診・肺がん検診・乳がん検診・子宮頸がん検診があります。

胃・大腸・肺はここ最近の部位別がんのベスト3にはいるもの、

乳がん・子宮頸がんは比較的死亡者数が多く、

がん検診で比較的発見される数が多いので、おそらく公的に対策型検診に入ったのでしょう。


とにかくエビデンスの高い検診になるように、地方自治体の努力が必ず必要です。

総務省が後押ししているので、やらざるをえない状況にはなりそうですが、

早急に行ってもらいたいものです。

posted by リハ技師 at 18:32| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月22日

膵臓がん早期発見「尾道方式」

【発見時には進行しているケースが多く、5年生存率が低い「膵臓がん」を、早期発見する取り組みが、広島県尾道市で成果を上げている。地域の中核病院「JA尾道総合病院」と診療所の医師約30人が連携し、糖尿病や肥満などリスクの高い患者について、膵臓の検診をいち早く受けてもらう仕組み。5年生存率は全国推計の約3倍で、「尾道方式」として各地に広がりつつある。】

{読売新聞(大阪・夕刊 2016107日 記事引用)


がん情報サービスというホームページをみました。

その中、生存率でやはり最も低いものは男女ともに膵臓、

5年生存率男性7.9%、女性7.5%

ワースト2位が男女ともに胆のう、胆管で、

5年生存率男性23.9%、女性21.1%

ワースト3位が男女ともに肝臓で、

5年生存率男性33.5%、女性30.5%

1位と2・3位と差を見ても明らかなように、

膵臓がんがいかに深刻なものかがわかってきます。

死亡率だけでいうと、厚生労働省の調査では、昭和56年以降ワースト1

30年以上ワースト1なのです。


この膵臓癌のやっかいなところは、

膵臓自体が内臓の奥深くにあること、

また膵臓癌自体の初期症状があまり目立たないことがあります。

また膵臓の近くには大きな血管やリンパ管があり、転移しやすいというのもさらに厄介なのです。


がんの進行ステージは4段階あって、Wになれば最も重度(膵臓癌・5年生存率1.5%)です、

このステージTの段階で発見できれば、なんと膵臓癌・5年生存率は36%となっています。

まだそれでもかなり低いのですが、まだ希望が持てる確率と言えます。


このために膵臓癌になるリスク(「糖尿病」「肥満」「喫煙」「家族に膵臓がんがいる」などのリスク)をチェックし、

当てはまる人がいれば腹部に超音波をあてて画像をチェックする、

そして疑いが残る画像の場合は尾道総合病院に紹介する、という基準を作ったのです。


このことで尾道地域の5年生存率は、約20%にまで上昇。

病院と開業医との協業と取り決め、

これは他の地域にも波及するかもしれませんね。

posted by リハ技師 at 14:15| 山形 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

療養費不正 対策を強化 部位替え請求 重点審査

【整骨院などの柔道整復師(柔整師)による療養費の不正請求が相次いでいることを受けて、厚生労働省は、再発防止に向けた対策を強化する方針を固めた。「部位転がし」と呼ばれる新たな不正の手口を重点的に審査することや、保険請求できる柔整師(施術管理者)の要件の厳格化などが柱だ。ただ、健康保険組合などが求めた本格的な対策は見送られ、早くも実効性に疑問の声も上がっている。】

{読売新聞(東京)・夕刊 20161012日 記事引用}


まず日本柔道整復師協会のホームページから、

柔道整復師の業務、というところを引用します。


【接骨院や整骨院では、柔道整復師によって、骨・関節・筋・腱・靭帯などに加わる急性、亜急性の原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの損傷に対し、手術をしない「非観血的療法」によって、整復・固定などを行い、人間の持つ治癒能力を最大限に発揮させる治療を行っています。】


そしてこのような骨折・脱臼・捻挫などの身体状況は、

この超高齢化が進む中、確実に増えているのでニーズはあり、

まずますのお客さんもいるのです。

このような一部の柔道整復師が不正請求する背景として、下記のようなことが大きいようです。

ここ10年数年ぐらいで学校が増え、

国家資格は1998年の定員1050人から、今年は定員8600人と急増していています、

(実際の柔道整復師の数としては、1998年に約29000人程度、2016年で約64000人と急上昇しています)

以前は国家試験が合格しても、

初めから開業するのではなくて、他の開業のところで修業をしてから開業というパターンが多かったと聞きます。

しかし、このような急増はなかなかその修業を引き受けるところに限りがあり、すぐ開業するために、

学校卒業後、勉強もせずに患者さんに対応するということもあるようです。

また学校数が増え、定員も増えたことで、入る人の質も下がったこともあるかもしれません。


しかし、どんな不正をするのでしょうか。

1番多いのは、慢性の肩こり・慢性の腰痛(保険適応外)を、肩や腰の捻挫(保険適応)にして、

請求してしまう、というものです(振替請求)

記事にでている「部位転がし請求」とは何でしょう。

同じ患者で負傷部位を替えて何度も不正請求する、というものです。


そこで厚生労働省は、

部位転がしを重点審査していく、

指導・監査にあたる地方港政局の人員を増強

保険請求できる施術管理者について、3年以上の実務経験の義務、

学校のカリキュラム強化、

あと国家試験も難しくして合格率を下げる取り組み、

などの対策をたてています。


この対策強化でどれだけ不正請求が減っていくのか、

とりあえず見守っていきましょう。

posted by リハ技師 at 14:32| 山形 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする