2017年08月18日

ドラッグラグ 5大がんは「ほぼ解消」

【海外で承認されている薬を国内の患者が使うまでに時間がかかる「ドラッグラグ」は、肺がんや大腸がんなどの治療を中心に、この10年で改善されてきた。だが患者が少ない希少がんでは、解消されていないものもある。】

{朝日新聞(朝刊)2017625日 記事引用}


ドラッグラグについてのコラムを以前書いた覚えがあります。

ドラックラグがもたらす患者の不利益について、話したかと…。

それが今では一変しているというこの記事は、驚きでした。

この一変するきっかけは、がん対策推進基本計画、

ではこのがん対策推進基本計画とは、どのようなものだったでしょうか。

今から10年前に策定されたもので、大きく分けて9つに分けられます。

1.がん医療

(1)放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とチーム医療の推進

(2)がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成

(3)がんと診断された時からの緩和ケアの推進

(4)地域の医療・介護サービス提供体制の構築

(5)医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組

(6)その他(希少がん、病理診断、リハビリテーション)

2. がんに関する相談支援と情報提供

3. がん登録

4. がんの予防

5. がんの早期発見

6. がん研究

7. 小児がん機関整備

8. がんの教育・普及啓発

9. がん患者の就労を含めた社会的な問題

、というもの。

ドラックラグ対策は1(5)にでていますね。


そしてこのがん対策推進基本計画の目標が具体的で、

平成19年から10年間でがんによる死亡者の減少 (75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少)となっています。

なかなか高い目標で、

どれだけ本格的に取り組むかと言う本気度が伝わってくる数値目標です。

さて、その10年が今年度になります。

果たしてその結果はどうなるのか???

もちろんまだ結果はこれからなのですが、

厚生労働省では中間総括をしていて、

減少はしているのですが、20%減少は困難ではないかという統計予測がでています。


さて話は戻しましょう。

さてドラッグラグはどの程度変わってきたのでしょうか(特に2013年度になって大きく変わったようです)

ドラッグラグは申請ラグ(申請の準備にかかる期間)と審査ラグ(審査期間)に分かれますが、

2012年には申請ラグが32.9か月、審査ラグが1.6か月、

2013年には申請ラグが5.7か月、審査ラグが0か月となっています。

うーん、かなり早くなっていますね。

(記事に出ていた慶応大学の教授は、もうほぼドラッグラグは解消してている、と言っています)


しかしこれは外国のいい薬をタイムラグなく、使用することができてよしとみるか、

あまり迅速にやりすぎて安全性は果たして大丈夫なのか、という不安は残ってしまいます。

ただ今回の記事を読み進めると、

臨床試験の体制が確立され、またその対応にも慣れてきていることが大きく、

安全性に対しての問題に関しては疑っていない………。


ただ引用文の最後にあるように希少ながんでは、まだドラッグラグはあるとのこと。

今後はその改善がポイントになっていくでしよう。

posted by リハ技師 at 19:14| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月10日

保健所医師 足りない

【保健所などを拠点に住民の健康を守る公衆衛生医師の不足が深刻だ。なり手が少なく、高齢化が進む一方で、愛知県などは「地域医療を支える大切な仕事」とアピールし、人材確保に懸命になっている。】

{読売新聞(名古屋)・朝刊 2017624日 記事引用}


まず皆さん、公衆衛生という分野を知っているでしょうか。

そしてその中で医師の役割は何があるのでしょうか。

ウィキペディアだと、

「集団の健康の分析に基づく地域全体の健康への脅威を扱う」、

うーん、わかるような…、わからないような微妙な感じ…。

ここは公衆衛生学会のホームページの理事長挨拶が、

長い文章ではありますが、分かりやすかったです。

(以下は上記の引用)

【人々の健康問題の原因を主として人間と社会・環境の関係性の中で分析し、その予防方法や解決方法を研究し、政策の立案や法律・制度の充実を図り、人々の健康意識を高め望ましい行動を促すことなどを社会をあげて実施し、その評価についても研究するなどの、まことに実践的な学問であり技術】

(古典的な定義だと、

1920年にアメリカの公衆衛生学者Winslow)のが一番有名です)


余談ではありますが、

この学会の北海道・東北理事に安村誠司氏がなっており、

今から20年近く前に講演で読んだ先生でした。

実は2011年の秋にも講演を口約束ではありましたが依頼していました、

しかし東日本大震災で、安村先生も講演どころではなくなってしまいました。

いずれまたお呼びしたい、と考えています。


さて、ではその公衆衛生での医師の行うこととは何でしょうか。

いろいろなホームページでリサーチしてみた結果、

公衆衛生医師は、行政における医師としての役割を持つとともに、

地域全体を診て地域の持つ様々な資源がよりよく機能するように地域の調整をして人々の健康を守る活動に従事しています、

また公衆衛生医師には、医療・医学の知識や経験などの専門性が求められ、

災害、食中毒、結核などへの対応、地域医療や救急医療の確保、多岐にわたる課題に取り組んでいます。


では、この公衆衛生を目指す医師が不足しているのでしょうか。

それは、やはり、

公衆衛生そのものが目の前にいる患者さんを対象にしないため、

やりがいという点でマッチしない医師が多いのだと思います。


ブログ管理者、この公衆衛生学会の学会誌を見てみたのですが、

興味がある報告たくさんありました。

例えば…。

一番最近の7月号

「介護認定を受けた高齢者の認知機能変化に関する研究」

その前の6月号。

「地域在住の自立高齢者における膝痛の有症率と膝痛者の基本特性:全数調査」

更にその前の5月号

「基本チェックリストと健診データを用いた縦断研究に基づく要支援・要介護リスク評価尺度の開発」


皆さん、興味がある方は、ホームページを見てください。

posted by リハ技師 at 16:51| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

身長2センチ縮むと、転倒リスク2倍

【若い頃より伸長が2センチ以上低くなった中高年は、転倒する確率が2倍に高まるとの調査結果を、埼玉医大などの研究チームがまとめ、日本老年医学会で発表した。】

{読売新聞(大阪)・朝刊 2017618日 記事引用}


まず身長が年を取るにつれ縮む人がいるのは、どんな仕組みなのか、ということを問わなければいけません。

脊髄の間にはいっているクッションのようなものが椎間板です。

老化していくと水分が徐々になくなって、少しずつその水分の分、縮んでしまいます。

(当然上記は、個人差がありますし、生活習慣の影響もあるようです)

こうなると脊椎の間のクッション機能は果たせなくなります。

そうなると骨そのもの(脊椎)に負担がかかり、

その影響で椎体の渕がつぶれて棘のような状態になり、

それが神経を刺激し、痛みを引き起こすのです。

何も対応せずそのまま放置するとなおさら姿勢が悪くなり、

そのまた影響で神経が刺激される…という悪循環に陥ります。


身長2センチ以上低くなった中高年、

確か厚生労働省の何かの研究で、将来介護を受ける確率が2倍になる、というものがでていました。

やはり2センチ低くなっているというのは、

身体に何らかの危険信号がでている、と思った方がいいのでしょう。


ブログ管理者、気になったので測ってみました。


大丈夫でした。

posted by リハ技師 at 17:27| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

介護食 柔らかさの目安表示

【介護される人の状態に合わせ、柔らかさの目安を数字で示すなどとした介護職の新たな表示制度が始まった。表示商品はすでに店頭に並び始めており、高齢者の低栄養問題の改善などに効果が期待されている。】

{読売新聞(東京)・朝刊 2017519日 記事引用}


この方式で表示する介護職を「スマイルケア食」と言います。

大きく分類して3つ。

噛むことに問題がある人用(黄色で表示)

飲み込みに問題がある人用(赤色で表示)

口の機能には問題はないけれど…、という人(青色に表示)、です。


噛むことに問題がある人は4種類あり、

飲み込みに問題があるは3種類、

口の機能に問題がないけれど…、は1種類になります。


実はこのような食品の形態は、各病院によって、その名称が様々で、

地域での連携で多少なりとも問題になるものだったと思います。

しかし今回からこのような公的な統一基準が国から示されたことにより、

地域での共通言語として使用できるでしょう。

このことによって、摂食・嚥下障害をもつ人たちの食事の情報交換がしやすくなります。


どのような表示なのかは、

「スマイルケア食品」でリサーチしてもらいたいのですが、

この表示自体が一定程度の基準クリアした食品に送られるものなので、

数ある介護食品を選ぶときは、参考にした方がいいと思います


ただどのマーク(食事形態)を選ぶのかは、

そのように知識・技術がある医療機関できちんと調べてもらってから、

というのは言っておかなければいけないでしょう。

posted by リハ技師 at 19:49| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月02日

改正民法 契約トラブル減少期待

【国会で26日に成立した改正民法は、契約などを巡るトラブルに巻き込まれやすい人を保護することに重点を置いた。社会のルールとして定着しながら明文化されていなかった規定も盛り込まれ、当事者などからは歓迎の声が上がる。】

{読売新聞(東京)・朝刊 2017527日 朝刊 記事引用}


改正民法、

120年ぶりに行われる抜本的な改正で、

特に消費者保護に重点を置いた改革のようです。


今回の改正民法で注目したのは、

認知症高齢者に対しての訪問販売でのトラブル事例です。

今回の民法改正で、重度の認知症など、意思能力がない状態で行った場合は無効と明確に記載されたのです。

今まではこのようなトラブルでの裁判では、

1905年の大審院事例を判例に使い、そのような意思能力が乏しい人の契約には無効という判決がでていました、

今回は、きちんと法律に書き込んで明確化したのです。

(このことで認知症の人たちにむらがる悪徳業者の契約を裁判で無効化しやすくなると思います、

ブログ管理者も大歓迎なのですが、

悪徳業者はまた法の網の目をかいくぐってお金をかすめ取ろうとします、

常に社会はこのような悪徳業者から監視の目を外してはいけません)


もちろん今回の改正民法は他にも大きな改革がありました。

例えば以前の民法ではアパートなど借りるときの「敷金」については、

何も記載がありませんでした。

そのため敷金のありかたで、なんの基準もなかったために、

全国で様々なトラブルが続いたのです。

そして今回初めて「敷金」の定義が決められたのです。

他にもいろいろ改正がありました、

気になる方は検索してチェックしてみてください。

posted by リハ技師 at 19:07| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

介護の資格 志望者減

【高齢者が増える中、介護保険を利用する人のケアプランを作るケアマネージャーや介護福祉士を目指す人が減っている。2016年度の資格試験の受験者や合格者は減少、人気低下が鮮明になった。研修時間増など制度変更が要因とされるが、背景には待遇に見合わない責任や負担の大きさがある。いずれも現場で中心的な役割を担うだけに、なり手が減れば介護の質の低下を招きかねない。】

(南日本新聞・朝刊 2017619日 記事引用)


まずどの程度減っているのでしょう。

ケアマネージャーはここ7~8年では一番少ない受験者数、

合格率に至っては過去最低の状況。

介護福祉士は、ここ14~15年では一番少ない受験者数、

これで問題なのは前年度の5割の受験者数となったこと、

この影響もあってか介護福祉士の合格率は過去最高の合格率になりました。

こうなるとやはり特に介護福祉士の受験者数急減が問題です。


では、なぜこのように急減したのでしょうか。

記事では、研修時間増などの制度変更を要因にしています。

具体的に言うと、

実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、介護福祉士実務者研修課程の修了が義務付けられたのです。(研修時間→320時間)

前までは経験が3年以上あれば、研修を受ける義務はありませんでした。

試験内容も1つ付け加わりました。

それは医療的ケア、具体的には喀痰吸引・経管栄養が加わりました。

細かいところも言うと、

試験問題数も120問題から125問題、試験時間も210分から220分に変更となりました。


この制度変更の趣旨としては、研修をきちんと行ったということで、

介護福祉士の社会的評価を上げ、なおかつその資質もあげていこうとしたものです。


しかし問題はやはり処遇(給料・労働条件など)なのでしょう。

社会的評価・資質をあげたとしても、

肝心かなめの特に給料面での評価かが低ければ、

「これだと飯が食えないよ~」という現実につきあたってしまい、

介護福祉士という仕事を選ばない、という人もでてくるのだと思います。

posted by リハ技師 at 18:15| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月28日

診療指針作り 患者も参加

【病気に対する標準的な治療をまとめた「診療ガイドライン」に患者の意見を反映させるために、学会などによるガイドライン作りに患者が参加するケースが増えている。医師と一緒に治療方針を決めていくには、患者や家族の側も情報を正しく理解する必要がある。】

{朝日新聞(東京)・朝刊 2017315日 記事引用}


診療指針になぜ患者・家族の視点が必要なのか、そう思う人も中にはいるでしょう。

あくまでも医師としての専門的な診療指針に、なぜ素人の視点が必要なのか。

それはやはり医師にはわからないような側面があるから、なのです。

例えば経済的な側面など総合的な視点が必要で、

そのような総合的な視点になれば、

自然と医師が患者・家族と信頼関係が気づきやすくなる、と思います。


もう一つの診療指針の使い方として、記事においても挙げられたのは、

患者・家族もこの診療指針を読むことで、

なお一層患者・家族が面談の時に理解しやすくなる、というものです。

専門用語などがあって、理解するのには一定程度能力と努力が必要ですが、

この診療指針、つまり診療ガイドラインは、インターネット上に公開されており、

このガイドラインを手に入れることは可能なのです。


診療ガイドラインをみるうえで、私がいいなと思ったのは、

厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds ガイドラインライブラリ、というホームページです。

気になった方はこのホームページで見てください。

posted by リハ技師 at 18:25| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月27日

脳性まひ1割減

【出産時の事故で赤ちゃんが脳性まひになった際に原因を詳細に調べる制度を発足させたところ、脳性まひの発生が2009年から3年間で毎年1割ずつ減ったとする調査結果を日本産婦人科医会が11日までに、発表した。】

(日本経済新聞・夕刊 2017511日 記事引用)


なぜこのように脳性まひが年1割も削減していったのか、

記事によると、「産科医療保障制度」の影響ではないかと分析しています。

産科医療保障制度とは、

分娩に関連して発症した重度脳性まひの子どもと家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、

原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供することなどにより、

紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ることを目的としているものです。

20091月から開始されたものです。

この制度は、出産施設が加入するものになっていて、

実際ほとんどの施設が加入されているようです。

(心配であれば、だいたいその施設の掲示コーナーに掲示されていると思います)


この制度は単なる保障だけでなく、

第三者機関が、

その脳性麻痺になった原因とその情報の共有と言う医療の質を向上させたことが大きいと言えるでしょう。


最後にこの産科医療補償制度設立のきっかけとなったのが、「福島県立大野病院産科医逮捕事件」です。

200412月、福島県・大熊町にあった福島県立大野病院で出産した女性が帝王切開の手術中に死亡して、

執刀した産婦人科の医師が業務上過失致死・医師法違反の容疑で20062月に逮捕されたのです。

当時、人を救うために行ったこの行為に対して逮捕と言う衝撃的な警察の対応は、

これでは産婦人科なんてリスクが高くてやってられない、という空気を作ってしまいました。(訴訟数も他の分野と比べてかなり多い状況でした)

これだと、なりてがいなくなる

→残っている医師が多忙になる

→その医師が燃え尽き症候群や体調不良で辞めてしまう

→更に残っている医師が多忙になる、という悪循環に陥ってしまったのです。

(ただこの事件、裁判で無罪にはなりました)


そのような産婦人科そのものを救う意味でも、この制度は意味があったのです。

posted by リハ技師 at 20:09| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする