2017年07月27日

脳性まひ1割減

【出産時の事故で赤ちゃんが脳性まひになった際に原因を詳細に調べる制度を発足させたところ、脳性まひの発生が2009年から3年間で毎年1割ずつ減ったとする調査結果を日本産婦人科医会が11日までに、発表した。】

(日本経済新聞・夕刊 2017511日 記事引用)


なぜこのように脳性まひが年1割も削減していったのか、

記事によると、「産科医療保障制度」の影響ではないかと分析しています。

産科医療保障制度とは、

分娩に関連して発症した重度脳性まひの子どもと家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、

原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供することなどにより、

紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ることを目的としているものです。

20091月から開始されたものです。

この制度は、出産施設が加入するものになっていて、

実際ほとんどの施設が加入されているようです。

(心配であれば、だいたいその施設の掲示コーナーに掲示されていると思います)


この制度は単なる保障だけでなく、

第三者機関が、

その脳性麻痺になった原因とその情報の共有と言う医療の質を向上させたことが大きいと言えるでしょう。


最後にこの産科医療補償制度設立のきっかけとなったのが、「福島県立大野病院産科医逮捕事件」です。

200412月、福島県・大熊町にあった福島県立大野病院で出産した女性が帝王切開の手術中に死亡して、

執刀した産婦人科の医師が業務上過失致死・医師法違反の容疑で20062月に逮捕されたのです。

当時、人を救うために行ったこの行為に対して逮捕と言う衝撃的な警察の対応は、

これでは産婦人科なんてリスクが高くてやってられない、という空気を作ってしまいました。(訴訟数も他の分野と比べてかなり多い状況でした)

これだと、なりてがいなくなる

→残っている医師が多忙になる

→その医師が燃え尽き症候群や体調不良で辞めてしまう

→更に残っている医師が多忙になる、という悪循環に陥ってしまったのです。

(ただこの事件、裁判で無罪にはなりました)


そのような産婦人科そのものを救う意味でも、この制度は意味があったのです。

posted by リハ技師 at 20:09| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

ITや人型ロボ 遠隔リハビリに一投

【情報技術(IT)と人型ロボットを活用した遠隔医療でも、お年寄りのリハビリ意欲向上に効果ありー。国家戦略特区として愛媛県が昨年度続ける「リハビリ遠隔医療・ロボット実証プロジェクト」の中間報告で、こんな結果が出た。同県は2018年度まで実証実験を続け、ロボット産業の新たなビジネスモデルに育居たいとしている。】

(中日新聞・長官 201757日 記事引用)


遠隔診療は、聞いたことは何回もありましたが、遠隔リハビリねぇー。

あくまでも研究段階のようですが、国は真剣にこの遠隔リハビリを考えていることが、

記事の文脈からわかるような感じになっています。

実験を行っているのは、

藤田保健衛生大学と国立長寿医療研究センター+1民間企業。

この研究対象、過疎地向けで、

モニターを見ながらの体操指導やリハビリ相談というイメージがあるかもしれませんが、

大都市も人口があまりにも急増し、リハビリ砂漠になっているところもあり、

そのようなところでもこの遠隔リハビリもニーズはかなりあるのかもしれません。


記事によると、

40分間のリハビリ体操をロボットが手本を見せる取り組みを週1~2回、4週間続けた結果、

リハビリ体操の利用者さんの興味(興味度を10段階で評価)は、平均5から7.1へ、

ロボットの抵抗感は、4.8から3.4へ、

逆に親しみやすさは、4.3から7.4に上昇したとのこと。

これをもって記事では、意欲向上に一定程度効果があるかもしれない、ということになったようです。

このような実験が今年度・来年度続けられていきますし、

ホームページで検索してみると、他の企業もこのビジネス

これは遠隔リハビリの実験ではなく、リハビリロボットの開発がメインですが、

将来もしかしたら、

AIなどのテクノロジーが更に発展したら、

「遠くにいるリハ技士」より、「近くの(家にある)リハロボット」を求める世の中になっているかも…。(その場合は、リハロボット+遠隔的要素も機能として加わっているでしょう)


ただブログ管理者、

これを行き過ぎると逆に「閉じこもり」を促進してしまう結果になりはしないかと危惧しています。

posted by リハ技師 at 19:39| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

博多10人死亡火災 当直看護師証言

【福岡市博多区の委員「安部整形外科」で201310月、入院患者ら10人が死亡した火災で、出火時に当直勤務だった女性看護師が毎日新聞の取材に応じた。院内で火災を目撃した関係者による詳細な証言は初めてで、局所的な火災が一気に広がって避難誘導や初期消火が困難だった当時の状況を生々しく語った。看護師は「同じような悲劇を繰り返さないためにも防災設備の充実や定期的な避難訓練が重要だ」と訴えている。】

{毎日新聞(福岡)・夕刊 2017520日 記事引用}


もう少し2013年に置く多この火災を詳しく報告しましょう。

まず死亡者が10名、負傷者が5名。

10人以上の死亡者が出た医療機関の火災は、その前は1973年なので40年ぶりとなるものでした。

温熱療法の機械(ホットパック?)から出火したようで、

当時当院も物理療法機器の点検や、コンセントなどにほこりがついていないかなど、

チェックを入念に行いました。

この火災で亡くなった要因(死因)は、一酸化炭素中毒。

この火災では防火扉が自動的に閉じないように手すりと扉がロープで結ばれていたことが大問題となっていました。(+そもそも防災扉の設備が不十分)

他にも自動的に出るスプリンクラーが設置されていなかったことも問題でした。

このような不十分な状況でなおかつ夜間という体制の中では、

今回の避難誘導や初期消火がうまくいかないのは当然ともいえます。

(当然、当時当院の防災設備は大丈夫なのかのチェックもしました→OKでした)


昨日、当院では年2回おこなっている避難訓練がありました。

今回は夜間で、ナースステーションから火災という想定でした、

地域の消防からチェックしてもらったので、今後の避難訓練に生かしていきます。


posted by リハ技師 at 19:36| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月12日

リハビリ重視で病床減へ

【団塊の世代が全員75歳以上になる2025年に向けて、医療と介護の提供体制の見直しが始まった。手術患者らが入る急性期のベッドを減らし、高齢化で需要が増えるリハビリテーションや在宅医療の充実を図る方向だ。見直しの成否は、各地域の医療機関の話し合い次第で、その行方が注目される。】

{読売新聞(東京)・朝刊 2017521日 記事引用}


来年度の診療報酬改定で回復期リハビリテーション料(もしくは地域包括ケア病棟)がどうなっていくのか、注目です。

記事によれば、

回復期リハ分野のベッドは大きく増やす、というのが大方針です。

急性期は逆に大きく減らす方針なので、

診療報酬改定で一定程度の基準に満たないところは回復期リハ病棟に転換していく方向になるかもしれません。

そうなるとまだまだリハ技士の需要は病院としてもあるでしょう。

介護保険分野もリハ技士が現状大きく増えている中、

事業所によってはまだまだリハ技士の確保はなかなか困難になるのかもしれません。


しかしそもそも急性期・回復期などすべてを入れた総ベッド数、

その国で考えている構想では、1割強ベッド数を削減ということになっています。

ただしこれは民間の病院に強制して、

機能転換させたり、病床数を削減させたりすることはできません。

当然民間の事業所もたくさんの職員を抱えており、自分たちの経営を守らなければいけないからです。

ゆえに知事が要請するというレベルにとどまりますが、

おそらくこれでは国の構想は進まないようにも思います。


国も県も医療機関もWINWINの関係でいけるような妙案があればいいのですが…。

posted by リハ技師 at 19:34| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月10日

「”いるんだよ”って伝えたい ~横浜・特別支援学級の子どもたち〜

番組の紹介。

今回は、527日に放映された

ETV特集の「いるんだよって伝えたい ~横浜・特別支援学級の子どもたち〜」。


番組のホームページから、この番組の概要を引用します。

【横浜市にある小学校の特別支援学級に密着。大人数の一般学級に参加する「交流」活動に挑戦を始めた2人の子どもたちの喜びと葛藤、交流先の児童たちの心の成長を記録する。

横浜市にある小学校の特別支援学級に密着。ここでは発達障害などさまざまな理由で助けを必要とする子どもたちに、安心できる環境を整えてきた。ここで自己肯定感を育んだ子の次のステップが、大人数の一般学級に参加する「交流」だ。交流をめぐる少年の喜びと葛藤、中学での進路に揺れながら交流へと向かう少女の日々を描く。また、ある出来事を機に、心の壁を乗り越えようとする支援学級と一般学級の子どもたちの成長を記録する。】


平成20年の小学校学習指導要綱で、下記の文章がでてきました。

【学校がその目的を達成するため、地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また、小学校間、幼稚園や保育所、中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。】

これは、小学校だけでなく、中学校、高校にも同じ文章が指導要綱に書かれています。

障害のある子どもと障害がない子ども、

この両者が交わることでどのような学習が得られるのか、

それをまさにこの番組で実感できる内容になっていました。


特別支援学級(この学校では個別支援学級)に在籍していた番組の2人の子どもに共通していたのは、

一般学級になかなか打ち解けることができない、ということでした。

番組をみていくと、一般学級の子どもたちの輪に入ることができないでいて、

ブログ管理者もハラハラしてみていました。

本人はその輪に本当は入りたいのですが、

コミュニケーションが苦手で足踏みをしてしまう毎日…。

しかし先生たちがなんとか一般学級に打ち解けるように、

本人や、一般学級の子どもたちになんとか交流ができるように獅子奮闘する姿は目を見張るものがありました。

その後、様々な壁を乗り越えて、今年で卒業した女の子。

卒業式当日に、

その女の子が一般学級に送った感謝の手紙を先生が読み上げるシーン。

その女の子の一般学級の子どもたちとその先生に対してのピュアな気持ちに、

ブログ管理者の心の琴線に触れてしまい、もう涙涙で番組を見続けてしまいました。


さてNHKでは、発達障害プロジェクト、というものを展開しているそうです。

2017年の5月から1年間かけて、

この発達障害をテーマにした番組を多く作成していきます。

なので、これからも発達障害に関しては様々な番組で取り上げられることが多いようですので、

この分野に興味がある方は、NHKは要チェックです。

posted by リハ技師 at 16:59| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月05日

ヒューマンエラー

どの仕事においてもそうですが、

特に医療の場合、様々なリスクが待ち受けています。

当然、リハビリの世界にも様々なリスクがあります。

当法人でも、医療安全上の対策を様々立てています。


しかし、なぜこのような事故・ニアミスは多いのでしょうか。

よく言われるのは、「ヒューマンエラー」と言われるものです。

これを難しく一言でいうと、「システムの許容範囲を逸脱する判断や行為のこと」。

私たちが様々な判断をするときは、

様々な要素が絡み合って、その人の理解に影響を及ぼし、そしてその理解の上で行動しています。

もっと別の言い方をすれば、そのいろいろな要素に人間の行動は影響を及ぼしている、ということです。

(人間の知覚は完全ではないことを理解すべきです、そのことを前提とした退所をする必要があります)

つまり、何かしら不適切な判断をした場合は、

その人の問題だけなのか、

本当は様々な別の要素が大きく絡んでいることなのかを深く吟味することが重要になります。


このブログを見ている人も大きな失敗をして落ち込んだ人たちも多いでしょう。

もう自分はこの仕事に向いていないのでは、と思った時もあったかもしれません。

しかし問われるのは、そこで何を学ぶかです。

個人的にはそのことを総括し、今後起きないようにするためには、どうすればいいかは考え続ける必要があります。

その失敗した事例を振り返るのもいいでしょう、

他の仲のいいスタッフとそのことで議論してもいいでしょう、違った視点を与えてくれることもあります。

本から勉強してもいいでしょう。

何を使ってもいいので、とにかく振り返って考えることは大切なのです。

そのことで人は成長します。

しかし組織としては、個人に指導するだけでなく、

冒頭でも述べた、

それ以上にそのミスする他の要因を徹底的に明らかにしていくことが必要になります。


アメリカ映画のサイレント時代の女優でメアリー・ピックフォードという人がいます。

私はこの人が言ったといわれる、この言葉が好きです。

失敗とは転ぶことではなく、そのまま起き上がらないことなのです。」

posted by リハ技師 at 19:26| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月03日

治療中断 低収入が影響

【世帯収入が低いほど、医療費を負担と感じて治療を辞める割合が増え、年収400万未満では中断理由の3分の1に上るという調査結果を、日本医療政策機構がまとめた。800万円以上の回答割合よりも2倍多く、所得格差が治療の継続に影響している。】

{読売新聞(東京)・夕刊 2017422日 記事引用}


このシンクタンクは、

政治的に中立な立場であることはもちろんのこと、

様々な団体の間においても中立性を保ち、医療政策の調査・提言を行ってきたと、

この機構のホームページに書かれていました。


この記事で分かることは、

単純に経済格差は医療格差に直結する、ということです。

またそうであれば医療格差が大きくなれば、健康格差も大きくなっていくでしょう。

しかし民間ではなく、国がこのことに全面に調査を行ったような文献は

様々インターネットで検索してみましたが見当たりませんでした。

ブログ管理者がリサーチできないだけかもしれませんが、

(政府)として、そのような状況になっていないのかどうかを把握する努力をしているのか、

やや疑問に思っています。


さてよくよくこの調査を、

この機構のホームページで確認すると、

遠隔診療に対しての意識調査に結び付けていたことがわかりました。

治療を中断する理由として、記事にある費用の問題のほかに通院の手間が挙げられています。

遠隔診療では、通院の手間が省けるので、治療を継続できるものになりうるかもしれない、という結論でした。

ただ、当然個人の費用負担をいかに抑えていくかは、今後の課題と記載しているので、

この費用のありかたをどうしていくべきかは、

また様々な調査をまた行ってもらいたい、そう感じた政策機構の報告なのでした。

posted by リハ技師 at 19:35| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月30日

仮想通貨 狙われる高齢者

【ネット上で流通する「仮想通貨」の購入をめぐる高齢者の消費者トラブルが急増している。インターネットを使わない高齢者が仕組みを理解しないまま勧誘されて購入し、売却できなくなるケースが多い。仮想通貨は利用拡大が見込まれる一方で、価格変動が激しくリスクが高い側面もあり、専門家は「契約内容を理解しないままもうけ話に飛びつかないで」と注意を呼び掛けている。】

{産経新聞(東京)・朝刊 201759日 記事引用}


このブログでは、

高齢者をターゲットにした悪質な訪問販売を何度も取り上げました。

今回の訪問販売の内容は、なんと「仮想通貨」。

(そもそもこの「仮想通貨」、

このワードをニュースなどで何回も聞いたことはあります、

しかしホームページでいろいろ調べましたが、はっきり言ってよく理解できませんでした

高齢者であればなおさらでしょう)


まずはっきり言って、訪問販売、というところからかなり疑いの目で対応した方がいいでしょう。

認知に自信がなさそうな高齢者の場合、

このような内容の場合は気をつけるようにと言われても、その判断ができないと思います。

訪問販売は、絶対に相手にしない、というルールでいくしかないです。

(法律では、いったん断ったら、勧誘してはいけないルールになっています)


ただし、それでも話を聞いてしまう高齢者はいます。

その場合は、

やはり家族がその高齢者の身辺にある書類を毎日チェックすることです、

ブログ管理者自身、詳しくは言えませんが、個人的に反省しています。


訪問販売だけでなく、電話勧誘販売も危険です。

消費者被害の件数としては、この訪問と電話勧誘が第1位と第2位になります。

皆さんのところも気を付けてください。

posted by リハ技師 at 19:28| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする