2017年09月19日

子宮頸がんワクチン 勧奨中止から4年

【子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンの積極的勧奨が中止されて4年がたち、接種者が大幅に減ったことにより、国内の女性の20歳時点でのHPV感染リスクがワクチン導入前と同程度に高まるとする予測を大阪大の上田豊助教(産婦人科)がまとめたことが10日、分かった。】

{産経新聞(東京)・朝刊 2017611日 記事引用}


まず子宮頚がんは特に特別ながんのタイプではありません、

20~30代の女性のがん発症の中では第1位の発症率になっています、

日本において年間15000人が子宮頸がんと診断されているという報告もあります。

この子宮頸がんが問題なのは、

初期症状がほとんど無症状ということにあります。

そしてそのまま進行すれば、当然いのちの危険性にまで及びます。

実はブログ管理者の同い年の知人でも、このがんで亡くなりました。


そこで子宮頚がんワクチンがでてきました。

3回の筋肉注射接種で、

多様なウイルス型があるなか、悪性度の高い2種類の型を防ぎます。

しかし4年前に、

1部の人たちにこのワクチンが重篤な副作用を起こしたという報告が相次ぎ、

ワクチン勧奨中止になりました。

どれだけの確率で重篤になるのでしょう。

まずアナフィラキシーは、約96万接種に1回、

ギラン・バレー症候群・急性散在性脳脊髄炎は、約430万接種に1回、

複合性局所疼痛症候群は、約860万接種に1回、となっています。

(上記の情報は、厚生労働省のホームページから)


本来ワクチン接種は毎年15000人もでていることを考えれば、

少なくとも重篤なウイルス型を予防できる子宮頸がんワクチンを接種すべきなのでしょう。

しかし、万が一、というより100万が一において、

重篤な副作用が子どもになってしまったら、と考えてしまうと、

子宮頸がんにならない可能性も高いので、個人としてはそう考えてしまう(ワクチン接種しない)人がいるのは、

気持ちとしては大いにわかります。


こうなると最低限いえることは、こまめに検診を受けてください、というしかないでしょう。

ただ予防できるわけではないので、

がんが見つかったら手術対応とはなってしまい、後遺症的なリスクはでてくるでしょう。

それ以前に、

子宮がん検診受診率は、2010年の古いデーターではありますが、30%強程度と、

まだまだのようです。


そうなるとやはり、ワクチンが………、とまた再度思ってしまいますが、

ワクチン副作用問題はなかなか難しいですね。

皆さんはどう考えるでしょうか

posted by リハ技師 at 19:55| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月14日

社会保障費1300億円引き下げへ 薬価引き下げで圧縮

【政府は、2018年度の社会保障費を1300億円削減する検討に入った。高齢化などに伴う自然増が6300億園に上る見通しで、政府目標の「自然増5000億円」を超える部分を抑制する。政府は、薬価引き下げなどで18年度の診療報酬改定をマイナスとし、削減分の大半を賄う考えだ。】

{毎日新聞(東京)・朝刊 2017714日 記事引用}


これをみると医療本体には、それほど削減幅は大きくないのかなぁと思ってしまいます。

しかしすでに来年度になる前から医療本体への削減は始まっている、ともいえます。

なぜなら今回8月から、

患者の医療費窓口負担の上限を設けた「高額療養費制度」で、

一定の所得の70歳以上の月額上限が引き上げられたからです。

また介護保険においても利用料の自己負担額上限が上がる世帯もでてきました。

ブログ管理者の全くの憶測ではありますが、

記事にある削減分の大半を薬価で賄うとしたのは、

この8月の高額療養費制度の改定によって、ある程度医療費が圧縮されるので、

薬価改定だけで十分ととらえた記事なのかなと思いました。


以前のブログでは、おそらくマイナス改定、

それも過去最低のマイナス改定と言ってしまいましたが、

この記事を信用すると、小幅のマイナス改定という結果が真実味をもってきました。

今年行われた全日本病院学会で、

自民党の田村元厚生労働大臣は、「医療本体をなんとかプラスにするよう働きかける」と述べました。

もしかした、意外と医療本体プラス改定になるのかも…。


まぁ、あまり期待せず見守っていきたいと思います。

posted by リハ技師 at 18:51| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月11日

サ高住進む「介護施設化」

【「自立した高齢者の早めの住み替え先」という想定だったサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)。しかし最近は特別養護老人ホームの待機者の受け皿になるなど「介護施設化」が進み、対応が追い付いていない施設もある。一方で札幌を中心にサ高住の建設ラッシュが続いており、人口の札幌一極中心に拍車をかけている。】

(北海道新聞・朝刊 2017626日 記事引用)


20154月に特別養護老人ホームの厳格化を機に、

おそらく特別養護老人ホームの待機者の数は急減していったと思います。

これだけみると、厳格化をしたおかげで、待機者は減り、

特別養護老人ホームの入所はしやすくなったと思ってしまいます。

しかしこの厳格化が、サ高住の介護施設化か進んだともいえます。

つまりそれは、軽度者は特別養護老人ホームには入れなくなった、ということであり、

その人たちの行き先がサ高住などにいっている、ということなのです。

ただまだサ高住に行けた方は、まだいいのかもしれません。

経済的に不安なところは、

無届け施設などを頼らざるをえなくなります、

そのような場所は、虐待など問題を起こすところも多いのです。


さてこうなるとサ高住の対象者は、

本来元気な介護の必要がない高齢者が対象だったはずですが、

そのような人たちが他に移れず、状況が悪化してもずっと居続けるのです。

それは本来有料老人ホームで適切なケアが必要なのに、

まだ適切なケアができなくても、まだお金が安いサ高住を選んでしまうのです。

ゆえにサ高住では、転倒などの屋内事故が多発しているという報道(朝日新聞 57)がありました。

(20151~20168月までの事故件数は3362)


厚生労働省はサ高住の状況を調査し、適切な対策を打つべきでしょう。

posted by リハ技師 at 19:02| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月05日

通所介護 報酬下げ検討

【厚生労働省は21日、要介護高齢者の自立支援を促すため、心身機能の訓練に消極的な通所介護(デイサービス)事業所への介護報酬を引き下げる方向で検討を始めた。サービスの質を確保するとともに、増え続ける方向で検討を始めた。サービスの質を確保するとともに、増え続ける介護保険費用の抑制にもつなげたい考えだ。】

(高知新聞・朝刊 2017622日 記事引用)


まず介護報酬の改定率の推移をおさらいしておきましょう。

2003年度はマイナス2.3%

2006年度はマイナス2.4%(ただし、この数字は2005年度の改定も含めています)

2009年度はプラス3.0%

2012年度はプラス1.2%

2015年度はマイナス2.27%になっています。

2003年は特別養護老人ホームが4%程度減額されたことが大きく、

2006年は軽度者向けのサービスが大きく減額されたことが大きかったです。

プラスに転じた2009年、2012年は、介護従事者の処遇改善が大きな課題となったため、そうなりましたが、

2015年はまたマイナス方向に転じます、

これは施設介護の利益が結構あると捉えられ、減額方向になったのが大きいことでした。


果たして2018年の介護報酬改定のポイントはどうなるでしょうか、

また改定率もおそらくマイナスになるのは間違いないとブログ管理者は思っていますが、

どこまでマイナスになるのかです。

既に前倒しで処遇改善加算が行われているので、

その処遇改善加算を除くと、過去最低の数値になるでしょう。

もしかしたら、その処遇改善加算を入れ込んでも、過去最低の改定率になる可能性もあります。

今からわかる介護保険分野で変化することは…。

すでに行われている要支援の訪問介護と通所介護の地域支援事業への転換です。

上記以外だとあとは推測になりますが、

もしかしたら(可能性は低いですが)通所介護はただ全部下げるのではなく、ランク分けするかもしれません。

体制や施設の充実度、もしくはアウトカム評価などでのランク分けです。


通所介護以外で注目する介護報酬改定は何でしょう。

やはりブログ管理者はリハ技士なので、気になるのは…。

まず以前にも述べたデイケアの短時間化へシフト?(通所介護・通所リハの各機能の明確化)

リハビリ中心の訪問看護の規制強化?

福祉用具貸与、上限規制導入

リハ以外だと、

訪問介護の生活援助はかなり下がるだろうと聞いています。

あとお泊りデイサービスについては、いろいろ施設環境や勤務状態の問題もあり、

かなりこれも大きく減額されるのではないかと聞いています。


介護報酬改定の諮問答申は来年の1月、

診療報酬の改定と同等に要注目です。

posted by リハ技師 at 15:40| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

「秘密厳守」偽造薬流通招く

【高額のC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品問題で、厚生労働省の専門家検討会は、偽造品を流通させた「現金問屋」と呼ばれる卸売業者に対し、規制を強化することを盛り込んだ再発防止策をとりまとめた。取引相手の「秘密厳守」をうたった現金問屋の商慣行が問題の背景にあるとして、身元確認などを義務付けるのが柱だ。】

{読売新聞(東京)・朝刊 2017614日 記事引用}


まず2つ明確にしなければいけません。

1つ目は現金問屋とは何なのか?

それは、薬局や卸売り業者から余った医薬品を安く買い取って、

転売して利益を受け取っている業種です。

2つ目、

「ハーボニー」の偽造品問題とは何だったのか?

どのような事件だったかというと………。

きっかけは今年の1月、

奈良や東京の薬局・現金問屋に偽造品のハーボニーが発見、

うち1つはすでに患者さんに渡していました。

更に問題だったのは、この現金問屋が仕入れたのは無許可の個人からだったのです。

更に更に問題なのは、医薬品販売無許可の者から、

医薬品を買うことを禁じる規定がないのです。

うーん、えたいのしれないところから平然と買って、

患者さんの命に係わる薬を医療機関に売ってしまう…、

うーん、おそらく法の網の目をかいくぐって、

儲けようとするブラック企業は、そこに食いついたのです。


実はこのような事件は今回が初めてではありません。

1985年にもやはり偽造品が現金問屋に流入される事件が相次いだのです、

その当時の厚生省は、

現金問屋などに取引相手の販売許可の有無を確認させるように通知したのです、

しかし、それはただの通知による指導、

罰則も何もなかったので、変わることはなかったのです。


ゆえにもしかしたら、今回の事件が発覚しなかったら、

偽造品は今までも出回っていて、

患者さんは何の効果もない薬を飲んでいたかもしれないのです。

なぜもっと1985年の事件を契機に規制強化をしなかったのか、はなはだ疑問です。


しかし、今回はさすがに大きな事件に発展したために、

厚生労働省はやっと重い腰をあげて、規制強化に入りました。

取引相手の身元確認義務付け、そして当然しなかった場合罰則も…、

また卸売販売業の許可要件も厳格化されるとのことです。


それにしても、

そもそも余った薬などを簡単に転売する仕組みが果たしていいのかどうか、

患者さんの健康に関わる重大なことなので、

もっと専門部会で議論をして問題のないようにしてもらいたいものです。

posted by リハ技師 at 15:27| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月31日

医療知識持つ「専門士」創設10年

【入院中の子どもをケアするため、医療知識を持つ保育士が増えている。幼い子供の食事の介助のほか、治療をしていない時間の遊び相手やおむつの交換やトイレの補助、昼寝や夜に寝る際のサポートまで担う役割は広い。病状に合わせて保育内容を柔軟に変更することで、通常の保育士では難しい子供の入院生活を支えている。学会が資格を創設してから10年。資格の認知度の向上が課題だ。】

(日本経済新聞・朝刊 2017529)


記事のような仕事を行っている保育士は医療保育専門士と言います。

2007年から創設し、2016年度までには総勢160人が誕生しています。

ただ国の補助金はないことや、

診療報酬として加算はあるもののわずかで人件費を賄うほどのものではないため、

立場的にはまだまだ不安定な位置づけと言えます。

記事では、諸外国の例も挙げられていて、

アメリカでは、このような資格が1980年代から創設され、

小児医療チームには重要な役割を担っていて、

多くの病院に配置されている、とのことでした。


この医療保育専門士、どうすればなれるのでしょうか。

当然保育士の資格を持っていること、

そのうえ、座学研修、

事例に関するレポート作成(各領域の9のレポートを作成)

面接試験、があります。

そして資格は5年ごとの更新制です。

なかなかハードルが高い資格ではありますね。


日本医療保育学会のホームページから、

医療保育の定義が書かれていました。

引用します。

【医療を要する子どもとその家族を対象として、子どもを医療の主体として捉え、専門的な保育支援を通して、本人と家族のQOLの向上を目指すことを目的とする。】

専門的な保育で病児の心をほぐし、

うまく小児治療に望めるように橋渡しをいる、この医療保育専門士。

まだ認知度が低いこともあって、まだまだ数は足りないようです。

少なくともこのブログをみた皆さんは、

このような資格があることを覚えてください。

posted by リハ技師 at 18:48| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月30日

薬 費用対効果悪いのはどれ?

【厚生労働省は、膨らみ続けている薬剤費の抑制策を強化する。高額な新薬が続々登場していることをふまえ、費用対効果がよくない薬を値下げする基準のもととなるデータとして、1年延命できる薬に公的保険からいくらまで支出を認められるかという世論調査を今夏に行う。2018年度からこの値下げ基準を本格導入する考えだ。】

{朝日新聞(東京)・朝刊 2017614日 記事引用}


費用対効果、

これからはこのような観点からの医療費の切り込みが絶対あるはずです。

費用対効果とは意味が違いますが、

リハビリの世界にも似たようなことが求められてきています。

平成20年には、回復期リハビリ病棟の入院料の施設基準に質の評価が導入され、

同じく昨年の平成28年には、ADLの改善(FIM得点)に基づくアウトカム評価を導入されました。

介護保険分野でも、訪問リハ・通所リハにおいての社会参加支援加算もその例として挙げていいものでしょう。


さて記事に戻りましょう。

とりあえず今回は

がん治療薬「オプジーボ」など医薬品7種類・医療機器6種類、

費用対効果の側面で評価していく、とのことでした。


2015年度の医療費は約42兆円、ここ10年で8兆円増加していて、

どうみても財務省は医療費抑制に動くことは間違いなく、

厚生労働省も費用対効果というものを駆使して、財務省と一緒に進めていきそうです。

その中でリハビリ診療・介護報酬もその効果というものが迫られるものになっていくのか、

要注目です。

posted by リハ技師 at 13:23| 山形 ☔| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

美容医療 解約可能に

【政府は27日、美容医療でもクーリングオフを可能とする特定商取引法の政令改正を閣議決定した。これまでエステサロンによるサービスの長期契約は解約できたが、美容医療もトラブル相談が多発していたため規制対象に追加された。今年121日以降に契約したものから適用される。】

{朝日新聞(東京)・夕刊 2017627日 記事引用}


一応、その美容医療のクーリングオフの対象は決まっていて、

脱毛

にきび・しみ・ほくろなどの除去

肌のしわやたるみの軽減

脂肪の溶解

歯の漂白、の5種類だそうだ。


しかしそもそもどのようなトラブルが多いのでしょうか。

消費生活センターという消費(商品やサービス)全般に対する苦情・問い合わせを受けるところがあります。

その相談件数の2割が美容医療に関することで年々少しずつ増えているようです。

苦情の内容としては、

美容医療したのに、かえって悪くなったというもの。

あとは強引な勧誘、

また適切でない高額な価格設定なども問題になっています。


では具体的に今回の政令改正で変わったのでしょうか。

まず契約時の書類に最低限(料金・期間など)の情報を明記して、患者さんに渡すことが義務付け。

また広告も今までは無法地帯であったのに対し、

これからは誇大広告なども強く禁止し、

それに違反すれば行政処分となるのです。

まぁ今まで美容医療がこのクーリングオフの対象になっていなかったのが問題です。


しかしこれでトラブルが大きく減るかというとなんとも言えません。

なぜなら今回のクーリングオフの対象は、

5万円以上かかったもので、なおかつ契約期間が1か月以上のものとなっているからです。

この契約期間1か月以上となると、一回きりの手術のトラブルに関しては、

クーリングオフの対象とならない、ということです。


このことから美容医療を受けたいと思っている方は、

美容医療の世界は、

ピンからキリまであることを自覚し、

かなり慎重に医院探し、契約書確認などをしていく必要があると言えるでしょう。


posted by リハ技師 at 18:33| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする