2017年07月26日

医療機器開発とベンチャーキャピタル

新書の紹介

「医療機器開発とベンチャーキャピタル」

大下創 池野文昭

経営者新書


うーん、ブログ管理者、

前回の本もそうですが、

あまりリサーチすることなく、勢いで買ってしまうことがあります。

今回もその手の本。


概要としては、

日本の医療機器産業が目指すべき未来像とは?

またベンチャーキャピタルの仕組みとプロセスをわかりやすく解説した、ものとなっています。


うーん、まずそもそもタイトルのベンチャーキャピタルという言葉が

実際この著書でもこのワードの説明がなく、

もう皆さん知っているでしょう、という感じの文調になっています。

考えてみれば経営者新書なので、

このような本を読む人には常識的なワードなのでしょう。

なのでビジネス初心者向けのホームページで検索してみると、

下記のような説明になっていました。

【ベンチャーキャピタルとは、主に高い成長率を有する未上場企業(ベンチャー企業)に対して、ハイリターンを狙った投資を行う投資会社(投資ファンド)のことを指します。】

ベンチャーの基本的な仕組みやら、魅力やら具体的に事例も出しながら説明がありました…。

しかしブログ管理者は全くこの手の話には興味が持てなかったので、

久しぶりに超斜め読みを駆使してしまいました。

少し興味を持てたところは第5章のところ…。


【歴史的にみても、画期的な医療機器の開発には医療現場からのニーズが重要であり、医療従事者、特に医師が大きな役割を果たしてきた例が多い。】


10年程度昔の話になりますが、

当院でも開発課がある地元の業者に移乗用の手すりについて議論し、

その議論に基づいて移乗用の新しい手すりの開発に寄与したことがあります。

他にもブログ管理者が覚えている限り、23、その商品開発に関わったことがあります。

(こういうのがあればなぁというようアイデアを、

ただ口をだしただけなので、当院にお金が入ったということはありません)


企業はあるアイデアを具体化して商品化することはできるとは思いますが、

そのアイデアに関しては、

実際臨床の最前線で頑張っている人たちにはかなわないでしょう。

ゆえにどこにおいても医療・福祉の関係者が医療福祉機器に関して、

アイデアや検証をしているところって意外とあります。


臨床だと1人1人の患者さんと向き合っての医療・介護になりますが、

このような医療・福祉機器の開発に関わることは、

たくさんの人たちが助かることにもつながるものです。

ベンチャーキャビタルというのはよくわからないものの、

企業と医療・介護関係者がコラボして、いい商品を作ることって大切だと…、

そう感じました。


この本800円、

しかしほとんど斜め読み、

うーん今度からは、経営者新書は買わないでおこう。

posted by リハ技士 at 19:10| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月19日

福祉と介護 「7K」職場の改善術

新書の紹介。

「福祉と介護 「7K」職場の改善術」

佐藤睦夫

経営者新書


この本の内容は1行でいうと、

きつい、汚い、危険などの過酷な介護職場の改善するポイントを述べたもの、と言えます。

(7Kとは、きつい、汚い、危険、帰れない、給料が安い、規則が厳しい、休暇がない、です)

しかしブログ管理者からのこの本の評価としては、

今後の介護は重要な業種であり、

また介護職場業界の労働問題が深刻である、という状況認識は評価できるところがあったものの、

その肝心な改善術が、

どうにもこうにも改善術になっていない、そう思ってしまう内容の本でした。


著者は、

今言われている7Kをポジティブ7Kに変えられれば、そこで働く人は幸せを感じて仕事ができると言っています。

そのポジティブ7Kとは、

希望、期待、感謝、感動、感激、可能性、快感となっています。

そしてこの本での改善術は、

そのような7つの感覚をまず自分自らが感じるようにならなければいけない的なことが書かれています。

だからこそ、

職場では介護のやりがいをきちんとわかってもらう努力が必要だとも言っています。

それがうまくいけば前向きになれると…。

「うーん」「うーん」なのです。

これは部分的には納得できるものの、

これだけだと、7Kそのものの改善に蓋をしてしまっている状態になってしまい、

絶対長続きしない、そう思って読んでいました。

どう見てもこの本の職場改善術は、バランスを欠いているのです。

(7Kそのものの改善は困難があることは十分わかっています、

しかし何かしら対策がないのか、もっと視野を広く、そして深くみていく必要があります)

なぜこのような耳に優しいポジティブ7Kを連呼するのか、

どうもブログ管理者としては、

賃金や職場環境などの改善は現実大変なので、目をつむりましょう、というブラック経営者的な感覚が隠れているのではないかとみてしまいます。


うーん、今回の本はなのでした。

posted by リハ技士 at 19:53| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

日本の手術はなぜ世界一なのか 手術支援ロボットが招く未来

相当久しぶりに新書の紹介。
日本の手術はなぜ世界一なのか 手術支援ロボットが招く未来
宇山一郎
PHP新書

この本ではなぜ日本の手術が世界一なのかのの著者の考察、
あと手術に対する一般の人が持つ誤解にたいしての説明、
将来の手術の方向性などなどがあるのですが、
一番この本の目玉は第3章のロボット時代の幕開けでしょう。
以前、車の自動運転についてや、プロをも負かすAI(人工知能)など、
現在発展進行中のテクノロジーのすごさを伝えたことがありました。
そしてこの手術ロボも将来、数多くの病院で設置されることは間違いないだろうな、と思わせるものでした。

まず機械のすごさは、
数ミリ単位で動かさなければいけない手術で、
その通り細かく動かすことができるというもの。
医師でも多少なりとも好不調があり、不調な場合は手ぶれがおきて、
メスで健全な組織を傷つけたりしてしまう可能性はぬぐえないでしょう。
つまり手術の精度と安全性を大幅に高めてくれたといってもいいものでした。

この本、きわめてわかりやすく書かれているものの、
読みやすさを優先したためか、
科学的な裏付けをした説明は少なめにはなっています。

将来はもしかしたら、
手術支援ロボの影響で、
外科医の腕(技術)で評価されるのではなく、
どう手術していくか、という戦略をもった医師が評価される時代になるかもしれません。
posted by リハ技士 at 21:05| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月16日

チーム

久しぶりに本の紹介。

堂場俊一の「チーム」という本です。

一言でいうと、箱根が舞台の駅伝小説になります。

ではもう少し詳しく説明を………。

学連選抜が主人公で、

最初寄せ集めたチームが、次第にチームとしてまとまっていくさまが描かれていきます。

その本の中から山登りの区間を任された人物が自分に言い聞かす、このような文章が…。


【踵から着地するな。そんなことはできないのだが、土踏まずを意識して、そこから落ちる感じを持て。そうすることで、踵の負担を減らすことができる。衝撃は膝で受け流せ。とにかく前かがみになってはいけない。ヘソでバランスを取り、道路に対して身体を直角に保つ。】


かなり具体的にイメージトレーニングをしていますね。

何度も何度も繰り返し練習を行ったことで、自分流の動きのイメージをつかむことができたのだと思います。

しかしスポーツはその目標とする大会に向けてのものであり、そのような大会はだいたい一発勝負。

本当にそのことがうまくいくかは、能力+その日の調子や心理状態になっていきます。

また一発勝負としての大会と言うのは、強く精神的な影響を受けるはずです。

皆さんも多かれ少なかれ、様々な心の揺れが身体にも大きく影響してしまう、ということは、経験がありますよね。


リハビリにおける患者さんも、

一発勝負での大会とはまた違う精神的な緊張を持っているはずです。

ボディイメージの問題や、

今後についての不安などの問題を抱えながら、

患者さんは新たな動作獲得に向けてチャレンジをしています。

様々な多くの問題を抱えている患者さんは、

チャレンジしていく活動に対して、

スポーツ選手よりも心の状態は変動し、身体の動きも変わっていくこともあるでしょう。

私たちはそのような心の動きも丹念に見ながら、リハビリを行っていく必要があります。


実際のリハビリでは、

イメージトレーニングをすることも場合によってはありますが、

適切に設定(目標・環境など)され、適切な方法で指導された練習・指導を繰り返し行うことで、

何も考えなくても体が自然と動く、というのが理想的だと、ブログ管理者は考えています。


さてこの「チーム」、

なかなか読みやすくて、でてくるキャラクターもなかなかユニークで面白いです。

箱根駅伝ファンであれば、一気読みする人もいるかもしれません。

posted by リハ技士 at 20:37| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月27日

介護ビジネスの罠

新書の紹介。

介護ビジネスの罠

長岡美代

講談社現代新書


10兆円の巨大市場に巣くう悪徳業者たち。入居者の「囲い込み」は当たり前、増加する「老人ホームもどき」、「看取り」サービスの裏側、「胃ろう」の功罪、高齢者を儲けの道具と考える不届きな事業者が跋扈。家族の弱みにつけ込む悪質な手口を徹底解剖。】

(「BOOK」データベースより)


今までの自治体の措置制度で行われていた介護サービス、

20004月より介護保険制度で大きくその仕組みは大きく模様変わりしました。

この時に介護サービスを民間に開放することで、

市場原理によって悪質な事業者を排除できる、ということでした。

しかし、指定取り消しや効力停止処分になる業者は後を絶ちません。


これはブログ管理者のあくまでも推測ですが、

単に介護事業を金儲けのビジネスとしてだけ考え、

何の理念も抱いていない企業が参入してきているからだと考えています。

今はなにごとにおいても規制緩和・規制緩和という連呼が聞こえてくるほど、

規制はない方がいいというふうに感じてしまっている人たちも多いのではないでしょうか。

しかし、この本を読み進めると、

少なくともこの場合に関しては規制を強化すべきなのです。

そうしなければ、悪徳業者の罠に高齢者ははまってしまい、

介護とは言えない介護を受け続けてしまうのです。


1章はサービス付き高齢者向け住宅の実態について、

2章は患者紹介ビジネスの実態について、

3章は老人ホームもどきの実態について、

4章は看取りビジネスについて

5章は胃ろうについてのメリット・デメリットについて、が語られていきます。


介護ビジネスの対象者は立場の弱い人がほとんどです、

それだけに介護ビジネスの罠にひっかかりやすい対象ともいえます。

そうならないためにも厚生労働省も一定程度規制を強化はしていますが、

この本を読み進めていくとまだまだ不十分であることは否めません。

少なくとも介護の本質を理解しているビジネスをしているところが評価され、

そうではないところを評価しない、という方向に、

もっと厚生労働省はかじを取ってもらいたい、そう強く感じます。

posted by リハ技士 at 16:34| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする