2015年08月25日

脳卒中患者の就労予測

抄読会、623日のOTの報告。

「脳卒中患者の就労予測」

総合リハ・428号・74174520148


この論文で注目したのは、復職できる条件

早速引用しましょう。




1.ADl遂行能力が高い、2.疲労なしに少なくとも300mの距離を歩行できる、3.作業の質を低下させないで精神的負荷を維持できる、4.障害の受容ができている。】

1.何らかの仕事ができる(作業の正確性)、2.8時間の作業耐久力がある、3.通勤が可能である。】

(上記論文から一部改編し、引用)




仕事によっては歩行ができないような車いすの人でも職場復帰可能です。

ブログ管理者自身もかなり昔の話ですが、

若い女性で車いすレベルの人が職場復帰できた事例は複数例あります。

ただ通勤は可能な人で、自動車運転は上肢を利用して可能な人でした。

また仕事のさせ方や環境設定には工夫が必要です。

その他に、精神的負荷の維持は特に高次脳機能障害の人には要チェックの評価項目でしょう。


就労ができるか否かの予測因子として、

論文に出ていた内容と、ブログ管理者が経験した内容で強く重なるのは、

障害の受容と、職場側・特に上司の受け入れがいい、ということです。

(障害の受容というと、技士によっては違和感を持つ人もいるでしょう。

障害を本当に受容することなんて本当にあるのだろうか、というものです。

障害受容論の問題は、いずれ深めたいと思いますので、

ここではいったん障害受容という言葉をそのまま受け止めてください)

まず障害の受容ができないと、職場復帰に身が入らない状態になることが問題です。

さらに職場側の受け入れは、それ以上に重要です。

同じような障害(質・度合い)で、同じような仕事であっても、

その職場の風土だったり、上司の考え方次第で、ガラッと対応が変わります。

例えば職場復帰できる能力は様々な工夫をすればできるのに、

職場としてはそれを受け止めないようなところもあります。

そうなると、患者さんに対してのリハだけでは不十分で、

患者さんの職場環境に対して、リハチームが一丸となって関わるべきです、

しかし、それでも難しいところはあるでしょうが…。

posted by リハ技士 at 19:08| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月24日

片麻痺患者における歩行自立度と下肢荷重率の関係

抄読会、69日のPT報告。


「片麻痺患者における歩行自立度と下肢荷重率の関係」

総合リハ・43巻・35936220154


要旨の結果のところだけ、引用しましょう。




【歩行非自立群は、歩行自立群と比較し、BBS、立位時麻痺側最大WBR(WBR→下肢荷重率)および歩行時麻痺側WBRおよび歩行時麻痺側WBRの値が有意に低く、10m歩行時間は有意に高かった。また、立位時麻痺側WBRおよびBBSに相関関係が認められた。】




現在、様々な歩行を測定する機器が開発されています。

その中で注目されているのは、ウエアラブルセンサーでしょう。

(最近Eテレの「サイエンスzero」で紹介されていましたね)

以前の大掛かりな歩行動作分析装置は、

3次元動作分析ができるモーションキャプチャーシステムでした。

やはり詳細な動きを精密に解析できるのは魅力でしたが、

機器の設置に場所をとること(動作を行う場所に制限あり)や、

その設定にも時間がかかること、また当然かなり高額であることが問題でした。

しかしウエアラブルセンサーは価格が高額であることは変らないものの、

機器が小規模で、

動作を行う場所は制限されず、設定が比較的楽であることはメリットでした。

またモーションキャプチャーの場合は、

様々な商品をホームページ見ましたが、

かなり重装備な装着で、

動作としては不自然な動きになるのではないかと思えるほどでした。

ウエアラブルセンサーは、その点を克服しており、自然な動きが期待できるものになりつつあります。

ただ後はやはり金額です………。


だいぶ話は、抄読会の話とずれてしまいました、

しかし静的な検査ではなく、動的な状況を把握することは非常に重要です。

今回の報告も自立度の判断に、

歩行時の麻痺側荷重率が大きく関与していることが示唆された報告となっていました。


実際の動作そのものの中に、

患者さんを支援できる様々な要素があることは、やはり重視していかなければいけません。

posted by リハ技士 at 18:51| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月18日

認知症の原因疾患別コミュニケーション

616日の抄読会、

OTの報告。


「認知症の原因疾患別コミュニケーション」

臨床老年看護 Vol.20 No.6


今回の報告では、

アルツハイマー性認知症

レビー小体型認知症

前頭側頭型認知症

血管性認知症、の4つの疾患別のコミュニケーションについて述べられます。


ただブログ管理者としては、あくまでもこの報告は参考程度にとどめるべきと考えてしまいます。

確かにその疾患にはその疾患なりの特徴はあるでしょう、

それをかまえて準備して対応することは、一定程度は大切です。

しかし認知症のタイプはその疾患の中でも多種多様です。

その多様性があることを、認知症に対して関わる時にまず最初に念頭におくのです。

その人の今までの価値観、役割、作業歴、現在のその人の環境状況、

そしてその人の疾患…、そのような複雑なものをひとくくりにして関わっていく必要があります。

この疾患だから、このコミュニケーションという硬直的な対応ではなく、

繰り返しますが、もっとその人の全体像をあぶり出してコミュニケーションするのだと考えます。

おそらくこれは普段でもリハ技士は様々な事前情報や、その人の今までコミュニケーションしてきた反応などを見て、コミュニケーションの仕方を変えているはずです。


ただ疾患別を知ることでいいのは、どのような症状が出やすいのか、ということが分かっているので、

その症状に注意を向けて評価・対応できることです。典型的な疾患別患者さんであれば有効でしょうし、

典型的でなくても、なぜ典型的でないのかを分析する作業で、大きくその患者さんを理解することにつながることもあります。


posted by リハ技士 at 19:40| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月17日

グローバル・エントレインメント

抄読会報告

69日のPTの報告。

引用文献 「運動の成り立ちとは何か」 文光堂 170171ページ


グローバル・エントレインメント(大域的引き込み)


まずメトロノームの引き込み現象が述べられています。

どのような現象かと言うと

(余談ですが、このメトロノームの引き込み現象の実験は福山が出ていたガリレオでもやっていましたね)

たくさんのメトロノームを用意し、それを自由に動く台の上におきます、

そしてバラバラに動作させると………、

不思議な事に最終的には完ぺきにそろった1つのリズムに全てのメトロノームがなってしまいます。

この理屈をブログ管理者の能力ではうまく説明出来ません。

きちんとした理屈は、別のホームページで調べてください。

ただここで示唆となるのは、

上に乗っているある1つのメトロノームだけを分析しても、この理屈を理解することはできないということです。

その動く台とたくさんのメトロノームを連続している物体として、捉えていくことです。


ここで抄録から少し引用しましょう。



【身体、中枢神経系、環境がそれぞれ複雑なダイナミクスをもち、それらの間の相互作用から環境の変動に安定で柔軟な運動が、いわば自己組織的に生成されるという新しい運動原理】→大域的引き込み




身体系と中枢経系は互いに引き込みあい、身体系と環境系もやはりお互い引き込みあい、

その結果、運動を生成するのだと著者は言っています。

つまりリハビリにおいてもこのような引き込みあう関係性を理解し、

うまくそれを利用してうまく運動できるような支援をしていく必要があるのだと言っているのです。



明日も抄読会報告です。

posted by リハ技士 at 19:54| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

訪問リハ リハビリテーション専門病院を拠点とした活動

519日の抄読会。

PTの報告。


訪問リハビリテーションの実際 

連載第3回 リハビリテーション専門病院を拠点とした活動

総合リハ418号 747-75420138


訪問リハを行っているところとして、

拠点としては様々あるとは思いますが、

大きくは、訪問看護ステーション、病院・診療所、介護老人保健施設に分かれると思います。

当院はリハビリテーション病院であり、そこから訪問リハを提供しています。

今回の報告もリハビリテーション病院からで、

訪問リハスタッフと、入院担当リハスタッフとの連携が上手くいくことで、

両者ともに質の向上が図られ、

患者さんの地域生活への早期で適切な家庭復帰に向けることができたという報告でした。

その報告の中から、気になったものを引用します。




【自宅復帰するとADLが低下しやすいので早期のリハビリテーション介入が必要である.当院では,安心して在宅生活が開始できるように訪問リハビリテーション関始前に病院との連携を重要視して「入院⇔訪問リハビリテーション連携シート」を作成し使用している.介入後の経過も入院時の担当療法士ヘフィードバックしている.訪問リハビリテーション終了時に,将来身体機能面の低下が予想される場合は通所リハビリテーションヘの移行,身体機能面は安定し就労希望など新たに社会参加が必要な場合は就労事業所などというようにご本人・ご家族やケアマネージャーに情報提供を行い,在宅生恬が継続できる環境作りを行っている.

 訪問リハビリテーション介入時に新たな課題が出てくることも多かった。たとえば病院でのリハビリテーションでは家事動作(調理や庭掃除)は同居家族やヘルパーが行うことにしていたが,家庭復帰後は利用者が家事動作を希望し、訪問リハビリテーション中に訓練を行ったこともあった.】




家庭内の情報が入ってくる通所・訪問系のリハからの情報から、

入院時のリハのあり方を反省させられる場面が多いと聞きます。

逆に入院の時に知り得た情報が訪問時に役立ち、訪問リハがスムースにできることにもつながる場合があるとも聞きます。

つまりこのような情報の共有は、

訪問・通所系担当リハスタッフと入院担当リハスタッフ両者とも有益です。


当院では訪問リハスタッフと入院スタッフでは、

口頭での聴取がメインと聞いています、

今回の報告のようなきちんと確認する情報が盛り込んであるシートを作成した方が、

担当者間によって情報の格差がでてくるという問題はなくなるかもしれません。

当院でもした方がいいのかどうか、確認してみましょう。

posted by リハ技士 at 20:24| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする