8月18日の抄読会、PTの報告。
「緩和ケアにおけるリハビリテーションの役割」
総合リハ43巻8号 743〜7492015年8月
この文献では、
緩和ケアにおけるリハビリテーションの注意点が記載されています。
1つは、急激な機能低下、
2つ目は、苦痛症状の出現と憎悪
3つ目は生命予後が限られていること、というような小項目タイトルで説明されています。
当ブログでは、そこから、3つめのところを引用します。
【病状や症状が増悪傾向にある進行・終末期においては、時間をかけて機能訓練や筋力向上訓練をしても病状の進行に相殺されてしまう。また、患者の時間は限られているので、進行がん患者におけるリハビリテーションで大切なのは、”即効性”である。】
【時間の経過とともに体力が低下する進行・終末期においては、ADLの向上のみをリハビリテーションの目標にはできない。患者のdemandsに応えることが目標となる。】
特に臨床上困難なのは、本人のdemandsへの対応です。
文献にも書かれていることですが、
そのdemandsの実現が困難な場合には、
まずそのdemandsの背景にあるところをくみ取り、そこに向けてアプローチする必要があります。
当然そこはリハ技士のみでくみ取ることは難しいので、
専門分野の違う職種の様々な視点からくる綿密な連携が求められてきます。
このような緩和ケアにおいてリハビリテーションを行う時に、
リハ技士が関わる時は算定として「がん患者リハビリテーション料」があります。
しかし、この敷居がかなり高い、
このがんリハの施設基準では、医師・看護師・リハ技士が適切な研修を受けることとなっていますが、
その適切な研修のレベルがなかなかですし、研修自体もそれほど多くないと聞きます。
(通算14時間程度の研修、
同じ医療機関から医師・看護師・リハ技士がそれぞれ1名以上参加する必要)
これには質の担保するためには必要と言う意見もありそうです…、
その反論にはある程度納得はしますが…。
せめて研修会の数は増やしてもらって、
意欲と実力があるのにも関わらず研修会に参加できない医療施設を減らしてほしい、
そう強く思います。