2015年09月09日

緩和ケアにおけるリハビリテーションの役割

818日の抄読会、PTの報告。

「緩和ケアにおけるリハビリテーションの役割」

総合リハ438号 74374920158


この文献では、

緩和ケアにおけるリハビリテーションの注意点が記載されています。

1つは、急激な機能低下、

2つ目は、苦痛症状の出現と憎悪

3つ目は生命予後が限られていること、というような小項目タイトルで説明されています。

当ブログでは、そこから、3つめのところを引用します。




【病状や症状が増悪傾向にある進行・終末期においては、時間をかけて機能訓練や筋力向上訓練をしても病状の進行に相殺されてしまう。また、患者の時間は限られているので、進行がん患者におけるリハビリテーションで大切なのは、即効性である。】

【時間の経過とともに体力が低下する進行・終末期においては、ADLの向上のみをリハビリテーションの目標にはできない。患者のdemandsに応えることが目標となる。】




特に臨床上困難なのは、本人のdemandsへの対応です。

文献にも書かれていることですが、

そのdemandsの実現が困難な場合には、

まずそのdemandsの背景にあるところをくみ取り、そこに向けてアプローチする必要があります。

当然そこはリハ技士のみでくみ取ることは難しいので、

専門分野の違う職種の様々な視点からくる綿密な連携が求められてきます。


このような緩和ケアにおいてリハビリテーションを行う時に、

リハ技士が関わる時は算定として「がん患者リハビリテーション料」があります。

しかし、この敷居がかなり高い

このがんリハの施設基準では、医師・看護師・リハ技士が適切な研修を受けることとなっていますが、

その適切な研修のレベルがなかなかですし、研修自体もそれほど多くないと聞きます。

(通算14時間程度の研修、

同じ医療機関から医師・看護師・リハ技士がそれぞれ1名以上参加する必要)

これには質の担保するためには必要と言う意見もありそうです…、

その反論にはある程度納得はしますが…。

せめて研修会の数は増やしてもらって、

意欲と実力があるのにも関わらず研修会に参加できない医療施設を減らしてほしい、

そう強く思います。

posted by リハ技士 at 20:41| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月07日

承認と肯定

811日の抄読会、PTの報告。

「理学療法における患者の動機づけを向上させる技術」

PTジャーナル・第48巻第4号・20144


様々なコーチングの技術が述べられていました。

ここでは承認・伝達のところを引用します。




【承認、そして伝達とはコーチングの技術であり、@存在承認:相手の存在に気付いていることを伝える→あいさつや、相手の状態を具体的な事実として伝えること、A成長承認:生長点を的確に伝える→相手の変化や成長に気づき、その事実を伝えること、B………】




言葉遊びととらえられるかもしれませんが、

ブログ管理者の中では、

その人を肯定する、

その人を認める、

では大きく意味合いが違う、と感じています。

まずそのことを問う前にコーチングについてのブログ管理者的私見を…。

コーチングは、一方的な指導者からの受け身的な指導ではなく、

本人自らがどうしなければならなかったのかを

自らが丹念に考えさせるようにもっていくやり方だとブログ管理者はとらえています。

そう考えさせるためには今回の抄録タイトルにもなっている意欲を引きだすことが大前提です。

その意欲を引きだすために私たちは、その人たちに対してどう構えていくか、

そのスタンスが問われます。

その時に、その人を肯定していくことというスタンスは、

特にその人が苦しい立場であればあるほど、その人の気持ちを引きだすことになるでしょう(患者さんは病気やけがでそのような状態に陥っている人も多い)

臨床的にもこの肯定のスタンスはブログ管理者もよくとっています。

しかし、ある程度立ち直る力を持っている人に対して、

その人を肯定するだけの対応は「まずい」とも思ってしまいます。

その人が間違っている態度・対応をした時に、

時には厳しい事を言うことも、その人の為にもなるからです。

そして、それはその人がきちんと受け止めてくれるだろうと考えるだろう、

そう認めているから、そうするのです。

相手のいいところも悪いところもひっくるめて認めて対応する、

しかし、このような構えはなかなか難しいです。

相手の悪いところが、どうしても指導者の中にひっかかってしまうことがあるからです。

ゆえにブログ管理者の中では、

肯定」というスタンスより「承認」というスタンスの方が難しいと感じています。

posted by リハ技士 at 17:50| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月02日

摂食・嚥下障害患者の退院後の摂食状況 −退院後フォローの重要性についてー

721日の抄読会、STの報告。


摂食・嚥下障害患者の退院後の摂食状況 −退院後フォローの重要性についてー

日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌 16(2):198202,2012


要旨の結果のところを引用します。




【外来設立時からの3年間で退院後も継続してフォローしていた患者について検討したところ、………(中略)………。食形態が低下した患者は認められず、退院後に食形態が改善し常食に到達した患者および胃ろうから離脱できた患者を認め、回復期リハビリテーション病院退院後の外来フォローの重要性が示唆された。】




この調査の母集団における在院日数平均は156(41256)

ということは発症からは最低限5か月以上の方が母集団の中にかなりいることは間違いないことです。

そのような発症から長期にわたっていても、食形態があがった事例が数多いというのは、注目に値します。

なぜなら外来(医療保険)のリハでは、

今年度をもって算定日数上限を超えた人たちには原則終了となる、通知があるからです。


もしこのような患者さんの外来フォローが困難になれば、

どうなっていくでしょう。

あとは介護保険になるのでしょうが、うーん。


しかしこの外来フォローには、

1か月ごとの嚥下内視鏡もしくは嚥下造影を用いて、

嚥下機能や訓練効果を確認し、その状態に応じた指導・訓練をしていきます、

きわめて医療的な対応ととらえるのはブログ管理者だけでしょうか。

もちろん現在、長期外来リハで、リハを行う意味が疑問視されている事例はあるのでしょう。

しかし今回は嚥下障害を例に出しましたが、

他にも長期にわたっても改善する事例はあるかもしれません。


厚生労働省はせめて、外来で長期に医療的な関わりをもてば改善する(かもしれない)分野に関しては、

外来リハの道を閉ざすことをしないように強く願っています。

posted by リハ技士 at 18:12| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月01日

低栄養の評価

714日の抄読会、PTの報告。

「食する」とはー 栄養学的視点

PTジャーナル Vol47 No9.2013 pp829836


このブログでは、低栄養の評価について引用しましょう。




【国際的に広く用いられているMNA(MiniNutritional Assessment)という栄養状態の評価手法が、近年、わが国でも入院患者や高齢者に対して利用されています。MNAは、食事摂取量、体重減少、歩行・移動、疾患などによる侵襲(ストレス)、認知症やうつの問題、BMI(Body mass indexあるいは下腿周囲長)6項目から構成されています。】




この引用の前に、栄養状態を評価するうえでよく使用する血液生化学的検査、

血清アルブミンは当然のように紹介されています。

しかし、このMNAは皆さん知っていたでしょうか。

このMNAをよく見てみると、非常に簡単な質問(評価)項目です、

あえて難しい質問(評価)項目はBMIだけでしょう。

(たとえば在宅などで評価する時は困難)

しかし、その場合もふくらはぎの周囲長で代用できます。

とにかく簡便で迅速に評価できるのがポイントです。

あとこの検査は高齢者に特に特化した内容になっていると聞きます、

対象者は高齢者に限定するでしょうが、

皆さんの対象は、おそらく高齢者が多いと多いと勝手に推察しているので、

評価の質としても高いものがあると考えます。

この評価でポイントが計算され、

そのポイントによって、栄養状態良好・低栄養の恐れあり・低栄養と、評価が下ります。


ちなみにMNAは、日本語にすると、「簡易栄養状態評価法」と言います。

posted by リハ技士 at 15:04| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月31日

自分らしさを支えきるOTを目指して

7/1の抄読会、OTの報告。

「自分らしさを支えきるOTを目指して」

OTジャーナル Vol42 N0120081


また例のごとく、一部を引用します。




【…。しかし、自立生活支援センターの方々の活動を共に体験させてもらう中で、「障害の程度は関係ない、何をしたいかを考え、実現することが大切」であることを考えた。

 であれば、OTに必要な事は何か、答えが出てくる。まず必要な事は、対象者の方々に「何をしたいのか」を考えてもらうことである。そこでOTにもっとも大切なことは、「共に考える、共に実現する」という姿勢である。】




この引用を目にしたときに、思い出したのが、

昨年の8月にブログに載せた「頼りにくい社会を変える」という朝日新聞のコラムです。

その中に、「依存先の分散」というキーワードがでていました。

どういうことかというと、

今の現代社会の中で健常者は、

多数派に設計された様々な社会システムをうまく使用しています、

つまり健常者は依存先を多くもっており、そのことで自立しているんだというユニークな指摘でした、

逆にいえば障害を持っている人ほど、その依存先が極端に限られてしまう…、依存先が少ない、となります。

障害をもっている人には

うまく依存先を分散できるアプローチが必要だという視点は、

ブログ管理者的には依存することをためらう障害を持つ人の背中を押す重要な視点だと感じさせられ、

昨年のコラム年間ランキングで1位にしました。


生きる力を支えるためには、本人のやりたいことを尊重する、

このことを達成するためには、

狭義の意味での機能面と能力面を向上させるアプローチで「自立」を目指すだけでなく、

「依存」を増やして、広義の「自立」を目指す、ということになります。

そのためにもリハ技士は、

その「依存先」のことをきちんと理解していなければなりません。

posted by リハ技士 at 19:28| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする