2016年01月06日

認知症の人の自動車運転

抄読会、確認したところ、3つしか残っていないようでした。

今日・明日、明後日と3つを紹介、

日曜日に抄読会の年間ランキングを発表します。


128日の抄読会、OTの報告。

「認知症の人の自動車運転」

(埼玉県和光市にある和光病院の院長が書いた認知症コラム、文献はその方のホームページからとったものでした)


概要としては、

高齢者になると自動車運転能力下がり

特に認知症になると、そのことが顕著になることが説明されます。

そして著者の父の事例や外来受診した実例などを紹介していきますが、

この事例で見えてきたことがあります。

それは当然のことではありますが、

車の運転がなければうまく生活できない状況が背景にあるということです。


しかしそれでも

そこで、著者はいかにうまく運転をあきらめるかという視点の話にもっていきます。

結局結論としては、

きちんと何度も何度も話し合うこと、

車を使用しなくても生活できる環境を作り上げることが書かれていました。


ブログ管理者がもう一言これに追加するとしたら、

車を使用しなくても、コミュニティを築ける仕組みを作り上げることと付け加えます、

生活ができても楽しみがなくなれば、生きることは苦しくなるからです。

どちらにしろ、車を使用しないで作り上げる環境づくりは、

その人の状況それぞれで、その達成難易度は変化しますが、そんな簡単なことではないでしょう。


もう一つ残っている説得は、事故を起こしたらどうするの?というネガティブ説得でしょうが、

これは、少なくとも先ほどの環境づくりをからめないと、

ただ不自由で楽しくない生活に患者さんを追い込むだけになります。


ただ一つブログ管理者が将来期待しているのは、車の自動走行です。

(以前クローズアップ現代で、この自動走行で研究開発をしている報道をみたことがあります)

これが可能になれば、リハビリで自動車運転評価もいらなくなりますよね。

というより、免許がいらなくなったりして…

まあ、まだまだなのでしょうが、そうなればとつい考えてしまいます。、

posted by リハ技士 at 20:14| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

訪問看護ステーションにおける摂食・嚥下障害患者への取り組み

1020日の抄読会、STの報告。


訪問看護ステーションにおける摂食・嚥下障害患者への取り組み

文献は、すみません、確認し忘れました。

(ただこの報告は、

19回日本・摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会で発表)

いつものごとく、気になったところを引用します。




【症例1においては、経口摂取量の増加とともに栄養状態も改善、運動機能も著しく向上し、皿洗いなどの家事手伝いという主婦業への復帰が促進された。…(中略)…。症例2においては、ADLが低下していく中、最期まで食べるという主体性のある活動を維持できた。そして、食事という活動を通して、他者との交流や会食への参加に復帰できた。両者に共通するのは、食事という活動を通して「その人らしさ」を表現できたということである。】




全ての日常生活動作の各々の動作には、

単にその動作単体の意味を超えて、様々な幅広い意味を作り上げています。

その中でも「食事」は、特に顕著な活動とも言えるかもしれません。

適切に食事をとることでの栄養や心理面での変化、

そのことで身体的にも精神的にもいい変化をもたらすことで、

本人にとって意味のある活動にチャレンジすることができる、

そしてそれが更に本人の自信を強めたり、満足度を深めることができていきます。

経口摂取ができる、というだけで大きく、その人の問題の質を変えていくのです。


もちろん、そのアプローチは簡単なものではありません。

特に当報告の2症例目で報告されている終末期は、

摂食・嚥下機能に対するアプローチは困難であることの方が多いでしょう。

数多くのリスクに対応するためには、より綿密なチームアプローチが必須です。


将来、在宅で終末期を過ごす人は増えていくことが大いに予想されます。

国はそのこともふまえ、連携に対して評価する診療報酬を次々と出してきています。

来年度も、そのような方向は変化ないですし、更に進むでしょう。

リハ技士は、そのような連携に向けて、準備はできているのでしょうか。

posted by リハ技士 at 18:44| 山形 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月27日

杖や歩行器のグリップ 高さ調整について

1013日の抄読会、PTの報告。

総合リハ42巻第10号 2014

福祉用具の選定と適合シリーズ「杖と歩行器」


いつものごとく気になったところを引用します。




【杖や歩行器のグリップの高さを求めるとき、本人の身体寸法だけの適合は平地のみで生活する人にとってはいいが、積極的な地域参加や転倒予防のためには不十分な場合が少なくない。高齢であっても障害があっても活動的な生活を支援するために、従来の採寸手順を見直し、新しい方法を実践する必要がある。筆者が提案するは、3段階に分けた採寸方法である。】




おそらく現在行っている方式は2段階が多いのではないでしょうか。

その人の身体構造でまずとりあえずの寸法を決める、

そして実際に歩かせて、本当にその高さでいいのか、

本人の感触とPTの歩行分析を総合的に捉えながら、寸法の微調整を測る、というものでしょう。

著者はそこにもうひとつ、本人の生活環境に合わせた更に微調整をすることを提起しています。

坂道の勾配、段差の高さがどの程度あるかによって、基準の寸法より長くするというものです。

(発表者に質問し忘れたので、ブログ管理者の浅い考えなのですが…)

長くするということは、

下りの歩行に関して、

重心があまり前方にいかないようにすることで、転倒するリスクを減らすということだとブログ管理者はとらえています。

posted by リハ技士 at 19:52| 山形 | Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月23日

脳卒中理学療法診療ガイドライン

929日の抄読会、PTの報告。


「脳卒中理学療法診療ガイドライン」

理学療法学 第42巻第3号 287-295

吉尾雅春


以前当院で講演に来てくれた先生、吉尾先生の論文、

いつも通り、注目したところだけ、引用します。




【神経生理学的方法などの従来の運動療法を行うより、早期に多くの歩行練習を行うほうが効果的である。歩行速度と関係があるのは全体の治療時間ではなく、歩行練習にかけた時間の長さである。運動学習の原則に則って、目的とする運動に直結する課題すなわち転移性を意識し、課題志向的に具体的に取り組むことが重要である。】




脳卒中ガイドラインのほうは、2015年度版が出たので、ぜひ病院には1冊購入すべきなのですが、

これも最近、発刊されていると気がついたので、これから病院長におねだりする予定

(決して買えない値段ではないのですが…)

前回の脳卒中治療ガイドライン2009はホームページ上に公開されているので、

簡単に見ることができます。

どのように変化しているか、今から楽しみです。


さて脳卒中理学療法診療ガイドライン第1(2011)は、

日本理学療法士学会のホームページに、

ダイジェスト版・全体版・分割版があるので、どうぞ参考にしてください。


さて引用文に戻りましょう。

この引用でまず注目なのは、多くの歩行練習、というところでしょう。

これには脳卒中診療ガイドラインにもこう書かれています。




【起立着席訓練や歩行訓練などの下肢訓練の量を多くすることは、歩行能力の 改善のために強く勧められる】




歩行まで持っていくアプローチはさまざまあるものの、

エビデンスとしては、

直接的な歩行訓練が一番信頼性が高いことは脳卒中診療ガイドライン2009をみれば明確です。

あと歩行訓練のよさは、

従来の神経生理学的手法よりは

体で覚える手続き記憶を利用することで実際の歩行が学習しやすい、ということがあります。

また歩けるようになりたいというニーズは患者さんの多くは持っているので、

歩行訓練は動機付けにもいいでしょう。

別の吉尾先生のホームページにある歩行訓練のよさとして、




【下肢筋力を鍛える上では、単純な筋トレではなく、歩行の筋収縮に近い状況でのトレーニングがより効果的であるから】




ということも書かれていました。


もちろんどのような歩き方をさせるかという肝心な問題はあるのですが、

そこをきちんとクリアすれば、

なるべくたくさん歩いたほうが、歩くのがうまくなる、という理屈は大いにわかりやすいものでした。

posted by リハ技士 at 15:59| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月21日

地域包括ケアシステムの実現に向けた国の取り組み リハの視点

またまたためてしまった抄読会報告、

今までたまった分、毎回報告していきます。

91日、OTの報告。

「地域包括ケアシステムの実現に向けた国の取り組み リハビリテーションの視点から」

OTジャーナル49(10):988-993,2015


いつものように注目したところを引用します。



2014(平成26)には、介護保険制度を改正し、全国一律の予防給付(通所介護・訪問介護)を市町村が取り組む地域支援事業に移行し、住民等、多様な担い手による多様なサービスの提供ができる介護予防…】(当文献から引用)




あきらかにリハビリテーションのすそ野はひろがっています。

今までは原則的に要支援1.2を対象にしたリハが対象でしたが、

要支援にならない虚弱者もリハの対象にになっています。

いかに健康寿命を延ばしていくかということでは、

医師による疾病管理や栄養士などによる食事管理と共に、

リハ技士の関与は大きいものがあります。




【介護保険でのリハでは、「心身機能」、「活動」、「参加」の要素にバランスよく働きかける効果的なサービスの提供を推進するための理念の明確化と、「活動」、「参加に焦点を当てた新たな報酬体系を導入した…】(当文献引用)




本来は全ての期(急性期・回復期・生活期など)においてリハビリテーションは、

ICFに沿って、全体を評価し、

その上で全ての「機能」「活動」「参加」にアプローチすることがリハの対応でした。

しかしなぜ生活期(維持期)では、どうしても機能訓練中心になったのでしょうか。

これはまず生活期リハの導入時期から数年と、それ以降では少し理由が違っているとブログ管理者はとらえています。


まず生活期導入時期(+数年)

まず考えられるのは介護報酬上、

リハをする上での点数がそれほど高くついていなかったことがあり、

そのことにより通所リハのリハ技士体制を増やさなかったことがまず要因として挙げられます。

どういうことかというと、人員体制不足のまま行えば、1人のリハ技士で数多くの患者を受け持つために、

時間のかかる「活動」と「参加」に対しては訓練の選択肢としてはあげることができなかったのだと思います。

また患者さんが望む訓練が機能訓練であったこと、

その上でリハ技士は「能力」と「参加」に対して対応できない分、「心」の面である満足度を落さない機能訓練を行った、ということも大きいと思われます。


では、それ以降。

先ほどあげた問題は、

リハ技士が増えていったことと、介護報酬上も少しずつ認められてきたので、

改善していったことは、間違いないと思われます。

しかしこのような訓練を長く行ってきたことで、患者さんにもリハ技士にもなじんだアプローチになってしまいました。

そしてそのことを大きく変えるには抵抗があるのです。

今回から、活動と参加も含めてバランスよく行うことが介護報酬上的に誘導されましたので、

これを契機にして訓練内容も徐々に変わっていくでしょう。

(ただし、患者さんに訓練内容変更をする場合、

きちんと説明しても機能訓練にしてほしいとなってしまい、理解してもらえないことがあります、

当然リハ技士としては心の面も考慮することをふまえた対応が必要になるので、注意が必要です)

posted by リハ技士 at 11:42| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする