2016年01月26日

活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進

119日の抄読会、PTの報告。

「活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進」

月間DAY201511月号 5861


では、いつものように気になるところだけを引用します。


6.の《要介護者の「参加」を促し、継続するために》から、一部を引用します。


【「参加」も、「活動」と同じくラポールを形成することが必要です。さらに、リスクに対する理解を得ることも忘れてはいけません。どんな「参加」活動も、準備不足のままで実施すると失敗体験につながり、その後の継続に影響するため注意が必要です。………(中略)………。

 「参加」を促すためには、参加の場の開発や社会資源の発掘なども必要になります。施設内の配り物をしていただいたり、地域でのバザーへの出品、施設内・公民館などに作品の発表・展示の場を設けるなどはご利用者の負担も少なく、ご自分の作品が認められることで自信にもつながります。】


なぜ、この「参加」ということを重要視すべきなのか、

そこを考えるときに、思い出したい1つの生活期(維持期)リハの歴史を思い出します。

それは、パワーリハです。

皆さんのところでも、通所リハ・通所介護などで、マシーンを購入した人がいたかもしれません。

かなり高額で、何百万の世界だったので、当院では手が出せないと思い、

カジュアルリハという介護予防の本を買い、

それを勉強しながら、要支援者レベルの人たちの通所リハの患者に対応したことを覚えています。

しかし、お金があれば買ってみたいなぁ〜とは、実は心の中では思っていました。

(実際に高齢者においてもパワーリハでの要介護度が改善したという報告が魅力的でした)

しかし、です。

短期的なタームであれば、そのアウトカムは改善しているものの、

長期的なタームでの改善報告はありませんでした。

実際にこのようなパワーリハが、介護予防の事業を覆いつくすような状況にならなかったことが、物語っており、

やはり様々な問題があったのだと思います。


その様々ある問題点の1つとして、

通所で通った時だけ頑張る運動と、

日々何か目的があって動いている(つまり参加している活動がある)ということでは、

運動の効率性ということにおいても、差があったのだと思います。


ただし、一応言いますが、

このパワーリハでの報告、

高齢者においても適切な筋力強化で、大きく歩行状態が変わった、という報告の重要性は消えません。

うまくそのような機能訓練と、

「参加」をうまく促す、両方を行うべきなのです。

(ただ、やはりマシーンが高額すぎます、

非マシーン訓練でも、リハ技士の力量があれば、代用できるはずです)


ゆえに「参加」というキーワードはかなり重要視すべきであり、

そのアプローチを行うべきですが、

高齢者のもつ機能面の可能性に対して、追及する余地があることは認識すべきでしょう。

posted by リハ技師 at 20:37| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月19日

認知症の臨床的徴候

112日に行われた抄読会、PTの報告。

「認知症の臨床的徴候PTジャーナル Vol49 No2


また、いつものように気になった文章を引用します。


【介護においては認知症を理解して本人の立場に立って物事を見ることが重要である。認知症とは本人の望まざる疾患による病的な状態であることを前提に、認知機能障害や生活機能障害を理解することで目の前の一見不可解な言動を了解でき、さらには本人の心理状態を考え合わせることで、本人にとって必要な介護を適切に提供できると考える。】


上記の引用を見ると、

いたって普通のことを言っているよね、ということになるかもしれません。

医療・福祉関係者や認知症の方に少しでも役に立とうという認知症サポーターは、

認知症の行動・心理症状を知ったことで、

認知症の方を理解しようとする立場に立つ思考になるのが自然です。


ただこのような知識がなければ、

認知症は人が崩壊していく状態としてとらえてしまい、

他者からは異常と思われる行動に対しては何の意味もない行動ととらえるかもしれません。

そしてそのような見方は、認知症の方を「人」としてみないという意識にさせていく…。


今時、よほどの人でなければ、そんな人権無視の見方なんてしないんじゃないの、という反論も聞こえてきそうです。

しかし認知症のことを例えある程度知っていたとしても、

認知症の問題となる行動に介護する側が感情的になってしまう可能性があります。

それほど認知症のケアは大変です。

更にしかし、もっと深い知識があり、認知症への正しい理解をしていれば、

その感情を理性的に抑えることもできるかもしれません。

(もちろん家族介護者だけで、認知症を支えることは到底できません)


山形県作業療法士会も、認知症の正しい理解を進める、ということで出前講座を積極的に行っています。

昨年から本格的に行いはじめ、今年は昨年以上に出前講座をしていくでしょう。

このような地道な啓もう活動は、必ず役に立っているとブログ管理者は信じています。

posted by リハ技師 at 20:35| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

ブラインドサッカー

1229日の抄読会、PTの報告。

「ブラインドサッカー」

文献は不明。


報告したPTが障碍者スポーツに興味があり、

実際に深くかかわっていて、

確かその前の抄読会での発表も、障害スポーツにちなんだ報告でした。

またただの紙上報告だけでなく、

動画でブラインドサッカーの説明もあり、興味深く聞くことができました。


簡単にブラインドサッカーのことを説明しましょう。 まず゜

様々な程度の視覚障碍者が参加するので、その程度をならすためにも、

全員アイマスク着用させます。

ボールは転がると音が鳴る仕組みになっていて、

そのボールの音や、プレイヤーを指示する役割を持つ人からの指示を参考に、

プレイヤーは動きます。

またボールを持っている人に向かうときは、「ポイ」と声をかけるというルールがあります。

あとフィールドはフットサルと同じ広さ、

そのフィールドのサイドラインには1メートルのフェンスがあり、

ボールが外に飛び出さないようなものになっています。

(フェンスからの跳ね返りなどもあって、ボールが意外なところに行ったりして、

結構スポーツとしては面白いかも…)


実際に発表者も体験として、アイマスクをつけて行ったことがあるようでしたが、

なかなかうまくいかなかったとのこと。

動画で見た内容はブラインドサッカーの国際大会で、

ブログ管理者かにみれば、よく音だけであそこまでできると思えるほど、

神業の連続でした。

今年もありますが、4年後の東京パラリンピックまでには、

その雄姿を皆さんもぜひ見ましょう。


さてでは、明日、抄読会ベストランキングです。


posted by リハ技師 at 19:08| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

退院早期に起きやすい日常生活のケアやトラブルあれこれ

1222日の抄読会、PTの報告。

「退院早期に起きやすい日常生活のケアやトラブルあれこれ」

回復期リハビリテーションという雑誌(201510月号)から

執筆者は、株式会社くますま代表の理学療法士。

(この内容は、平成27年度第36PTOTST研修会の講義から)


3つの事例が報告されています。

1つ目は、前向きに取り組め、そのことを継続できる活動を獲得したことで、

退院後も健康的に生活再建できた事例、

3つ目は、退院後の生活環境設定で、1年間の四季をふまえずに、指導したために、

退院後の生活に支障が出た事例でした。


このブログでは、

基本的なことだとは思いつつも重要な内容と思ったので、2つ目の事例を報告しましょう。

その2つ目を簡単に説明しましょう。、

入院中にどのような能力の獲得を目的にするかだとか、

どのような見込みがあるかなどのプロセスをまったく話さず、

まったく本人のリハプロセスの十分な理解を得ないまま、退院。

結局その退院した患者はその指示を与えた入院担当のセラピストが絶対になってしまい、

その後の家庭での環境変化に伴っての受け入れが困難、

そして生活に支障が出た事例でした。


入院最初の時点では、ただ指導する、ということでもいいかもしれません。

入院した当初は、様々な不安が出てくるので、

自分で考えさせるようなアプローチは混乱をきたしてしまうということも考えられるからです。

しかし、ある程度たって落ち着いたら、

きちんと患者さんがどのように生活をすることがいいのかということを考えてもらうようなアプローチが必要になってきます(認知症などの判断能力が低下している人は除く)

そうすることの方が、

患者さんが本当に行いたい生活を目指すことができますし、

本人もその生活を目指すという大目的という核があるために、

環境変化があっても様々な対応を受け入れるという柔軟性が出てくるのです。

もちろん、その他の退院後に考えられることを事前に入院中から、

患者さんとともに話し合っていくことが大切です。

まぁ、とにかくインフォームドコンセントをしっかり行う、という基本中の基本をしっかり行うことが大事になります。


、ということで今日は終わり。

実はもう一つ抄読会の報告が残っていました。

日曜日にその最後の1つ紹介し、

月曜日に抄読会ランキングという流れにしたいと思います。

posted by リハ技師 at 21:10| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月07日

集団リハビリテーション

1215日の抄読会、OTの報告。

「総論 集団リハビリテーション」

作業療法ジャーナル vol4820147月号

澤俊二


著者の澤先生は、現在の診療報酬で、

PTOT分野での集団療法がないことを嘆いていて、

PTOTで集団療法で診療報酬できるようにすることを声を大にして訴えています。


今回の抄読会の内容において、かなり太田仁先生の引用が目立ちます。

(ブログ管理者も好きなリハ医の一人でもあります)

特にブログ管理者が気に入ったのが、

・元気が出ない理由 遭遇する精神・心理的問題点

・脳卒中の集団リハビリテーション訓練の13原則

というものです(表形式)

この中身を引用した方がわかりやすいかとも思いましたが、

引用文献の中にある引用ものを紹介するのは、マナー違反かと思い、別のものを…。




【退院した後、在宅に帰ってから元気になっているものと思っていた大田氏だったが、元気になるきっかけは、同じ悩みを持つ人同士が集い、身体の障害を緩和する体操をやりあい、見合って、相手の気持ちを感じ合って情報交換することだと気がついた。】




この引用文献の前提に、

退院した後も、うつうつと過ごす人が多かったという実態があります。

せっかくリハビリして自立して地域に帰っていった人が、元気をなくしている………

たいがいそのような人たちは、社会参加するようなことをせず、閉じこもっている人たちが多い…。

そこで、注目したのがピアサポートでした。

集団がうまくそのピアサポートを使用することで、

新たに社会参加へ動こうかな、という心を作り出せると、著者は実体験をもとに断言します。


特に今後地域で行われる総合介護予防事業では、

集団療法は、大きな意味をもつものだと考えます。

現実的にもその介護予防対象者数は膨大であり、集団でやらざるえない状況もあるでしょう。

介護予防事業を機に、集団療法を行うようになり、

そのことで、集団療法質向上へのこだわりが出てくるようになり、

その結果、集団療法の効果も明確になってくるかもしれません。

そして診療報酬に、集団療法が認められる時がやってくる、と言いたい…のですが…。



posted by リハ技師 at 20:38| 山形 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

認知症の人の自動車運転

抄読会、確認したところ、3つしか残っていないようでした。

今日・明日、明後日と3つを紹介、

日曜日に抄読会の年間ランキングを発表します。


128日の抄読会、OTの報告。

「認知症の人の自動車運転」

(埼玉県和光市にある和光病院の院長が書いた認知症コラム、文献はその方のホームページからとったものでした)


概要としては、

高齢者になると自動車運転能力下がり

特に認知症になると、そのことが顕著になることが説明されます。

そして著者の父の事例や外来受診した実例などを紹介していきますが、

この事例で見えてきたことがあります。

それは当然のことではありますが、

車の運転がなければうまく生活できない状況が背景にあるということです。


しかしそれでも

そこで、著者はいかにうまく運転をあきらめるかという視点の話にもっていきます。

結局結論としては、

きちんと何度も何度も話し合うこと、

車を使用しなくても生活できる環境を作り上げることが書かれていました。


ブログ管理者がもう一言これに追加するとしたら、

車を使用しなくても、コミュニティを築ける仕組みを作り上げることと付け加えます、

生活ができても楽しみがなくなれば、生きることは苦しくなるからです。

どちらにしろ、車を使用しないで作り上げる環境づくりは、

その人の状況それぞれで、その達成難易度は変化しますが、そんな簡単なことではないでしょう。


もう一つ残っている説得は、事故を起こしたらどうするの?というネガティブ説得でしょうが、

これは、少なくとも先ほどの環境づくりをからめないと、

ただ不自由で楽しくない生活に患者さんを追い込むだけになります。


ただ一つブログ管理者が将来期待しているのは、車の自動走行です。

(以前クローズアップ現代で、この自動走行で研究開発をしている報道をみたことがあります)

これが可能になれば、リハビリで自動車運転評価もいらなくなりますよね。

というより、免許がいらなくなったりして…

まあ、まだまだなのでしょうが、そうなればとつい考えてしまいます。、

posted by リハ技師 at 20:14| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

訪問看護ステーションにおける摂食・嚥下障害患者への取り組み

1020日の抄読会、STの報告。


訪問看護ステーションにおける摂食・嚥下障害患者への取り組み

文献は、すみません、確認し忘れました。

(ただこの報告は、

19回日本・摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会で発表)

いつものごとく、気になったところを引用します。




【症例1においては、経口摂取量の増加とともに栄養状態も改善、運動機能も著しく向上し、皿洗いなどの家事手伝いという主婦業への復帰が促進された。…(中略)…。症例2においては、ADLが低下していく中、最期まで食べるという主体性のある活動を維持できた。そして、食事という活動を通して、他者との交流や会食への参加に復帰できた。両者に共通するのは、食事という活動を通して「その人らしさ」を表現できたということである。】




全ての日常生活動作の各々の動作には、

単にその動作単体の意味を超えて、様々な幅広い意味を作り上げています。

その中でも「食事」は、特に顕著な活動とも言えるかもしれません。

適切に食事をとることでの栄養や心理面での変化、

そのことで身体的にも精神的にもいい変化をもたらすことで、

本人にとって意味のある活動にチャレンジすることができる、

そしてそれが更に本人の自信を強めたり、満足度を深めることができていきます。

経口摂取ができる、というだけで大きく、その人の問題の質を変えていくのです。


もちろん、そのアプローチは簡単なものではありません。

特に当報告の2症例目で報告されている終末期は、

摂食・嚥下機能に対するアプローチは困難であることの方が多いでしょう。

数多くのリスクに対応するためには、より綿密なチームアプローチが必須です。


将来、在宅で終末期を過ごす人は増えていくことが大いに予想されます。

国はそのこともふまえ、連携に対して評価する診療報酬を次々と出してきています。

来年度も、そのような方向は変化ないですし、更に進むでしょう。

リハ技士は、そのような連携に向けて、準備はできているのでしょうか。

posted by リハ技師 at 18:44| 山形 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月27日

杖や歩行器のグリップ 高さ調整について

1013日の抄読会、PTの報告。

総合リハ42巻第10号 2014

福祉用具の選定と適合シリーズ「杖と歩行器」


いつものごとく気になったところを引用します。




【杖や歩行器のグリップの高さを求めるとき、本人の身体寸法だけの適合は平地のみで生活する人にとってはいいが、積極的な地域参加や転倒予防のためには不十分な場合が少なくない。高齢であっても障害があっても活動的な生活を支援するために、従来の採寸手順を見直し、新しい方法を実践する必要がある。筆者が提案するは、3段階に分けた採寸方法である。】




おそらく現在行っている方式は2段階が多いのではないでしょうか。

その人の身体構造でまずとりあえずの寸法を決める、

そして実際に歩かせて、本当にその高さでいいのか、

本人の感触とPTの歩行分析を総合的に捉えながら、寸法の微調整を測る、というものでしょう。

著者はそこにもうひとつ、本人の生活環境に合わせた更に微調整をすることを提起しています。

坂道の勾配、段差の高さがどの程度あるかによって、基準の寸法より長くするというものです。

(発表者に質問し忘れたので、ブログ管理者の浅い考えなのですが…)

長くするということは、

下りの歩行に関して、

重心があまり前方にいかないようにすることで、転倒するリスクを減らすということだとブログ管理者はとらえています。

posted by リハ技師 at 19:52| 山形 | Comment(0) | TrackBack(0) | 抄読会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする