2013年09月24日

全体的な健康格差の広がり

健康の社会格差シリーズ、
健康の社会格差に関する論点2

『社会経済的な状態による階層化が進むことにより、貧困層や低所得者層に限らず、社会階層全体を通して階層による健康問題の格差が生じており、またその格差が拡大しているのではとの懸念である。従来の健康診断や介護予防事業などの保険医療福祉サービスは、学歴の低い者や所得の低い者に届きにくいという懸念もある。』

社会階層全体に格差は生じているのか、
貧困層や低所得者層に限らないということなので、
高所得者層と平均レベルの中間層においても拡大していることを懸念しています。
当法人が加盟している民医連が出版している「民医連医療」10月号に、
日本福祉大学の近藤克則さんの論文がでていました。
タイトルは「健康格差社会への処方箋」、
その中にこのような記事をみかけました。
『世間から見れば失業の心配がない、安定した仕事と見られている公務員の中にも、職業階層によって、いわゆるキャリアとノンキャリアでは健康格差があるということが日本でも確認されています』
健康格差はあらゆるところに生じている可能性は高い、ということがわかってきます。

しかしやはり問題は低所得者層・貧困層です。
そのような層の健康診断はどうなっているのでしょうか。
健康診断は会社で行うようなものは強制力がはたらくため受診はされやすくなります、
しかし、内職であったり、自営業者であれば、自らが健康診断にいく必要がでてきます、
これには高い意識がないと、健康診断を受けることはなかなか難しいことだと思われます。
また働いている人でも、最近よく聞こえてくるブラック企業では、
会社の義務といえる健康診断を行わないところもあると聞きます。
つまり低所得者でも健康診断が強制されない場合は、
健康診断が行わない場合があり、
それが健康格差を引き起こしている可能性が高いという事が言えると思われます。
posted by リハ技士 at 16:40| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康の社会格差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月20日

低所得者 医療が受けられない?

健康の社会格差シリーズ4回目、
「提言 わが国の健康の社会格差の現状理解とその改善に向けて」から引用

健康の社会格差に関する論点、3つ挙げられています。
今回はその一つ。
『貧困層や生活保護地帯が増加している現状を背景として、低所得者層において健康問題が集積するとともに、こうした層が最低限の保険医療福祉サービスをうけられなくなっているのではとの懸念である。たとえば低所得者が、自己負担分の支払いが経済的に困難なために医療を受診しにくい可能性がある。特に世界的な金融危機、経済不況は、多くの国民の生活を経済的に困難となる方向に変化させている。こうした急激な社会的変動の下で低所得者層の人々の健康をどう確保するかは緊急の課題である。』

実際にそのような事例は数多くあります、
当事業所においても医療費を払えない状況の人達が入院することがあります。
当法人ではそのような人に向けて無料・低額診療を行っています。
当法人の無料・低額診療を紹介するパンフレットから、
なぜこのような事業に取り組んできているのかが書かれている文章がありますので、引用します。

『日本国憲法は第25条で、「@すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。A国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と国民の生存権と国の社会保障的義務を定めています。
 しかし、現実には一部の医療負担筋が払えないために診察を受けることができず命を落としたり、症状を悪化させたり、治療を中断しなければならない人々が増え続けています。
 生活費には程遠い年金しか支給されない高齢者、真面目に一生懸命働いても生活保護基準以下の収入しか得られないワーキング・プアの増加に向けて、アメリカ発の世界恐慌が広がる中で、若者までもが解雇され住む場所を追い出される事態となっており、このまま放置すれば住民の健康と命は一層深刻な事態に追い込まれてしまいます。』

この無料・低額診療は山形県だと、
当法人・医療法人健友会・医療法人柏松会になります。
皆さんの都道府県にもあると思います、ご確認ください。
posted by リハ技士 at 11:46| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康の社会格差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月17日

格差に対する国民の意識

健康の社会格差シリーズ3回目、

『最近(2008年)の調査でも約半数の国民が(ブログ管理者注:「収入や財産の不平等が少ない」について)「満たされていない」と感じている。』
(このデーターは内閣府で出された「平成20年度国民選考度調査」を参考にしていました)

この半数が満たされていないになったのは1987年、バブル景気が始まった頃でした。
それ以降は、約5割付近で高止まりしています。
日本全体が総中流と言われた頃と違い、
中流だと思わない人が多数になっていることは強く認識しなければいけません。

ここでこの平成20年度国民選考度調査において、
年齢別(例:20代、30代など)にすればもっと特徴的な結果が出たのではないかと推察します。
前回のジニ係数でも明らかになったように、
若い世代ほど格差は広がっていることが推察されます、
ゆえに若い人ほど「満たされていない」と感じる割合は5割よりも、
更に大きく上回るのではないかと考えています。

今までを振り返ると、指標によって格差の捉え方は変わってくるようです、
私たちはそうなると一つの指標だけでなく様々な指標を把握し、
その指標はどのような計算方法であることを理解して、その数値を理解しなくてはならないでしょう。
ただ一応、今までのシリーズ3回をまとめると、
少なくとも2000年までは格差は拡大していました、
しかしその後は、格差拡大はあったかもしれないが
それよりも日本の景気が悪くなったために全体的に貧困化が進み、
それが低所得者の増加につながった、ということです。
ただし若年者には格差拡大はあったと思われるデーターがあります。

次回は、
健康の社会格差に関する論点の整理、です。
posted by リハ技士 at 16:13| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康の社会格差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

ジニ係数

健康の社会格差シリーズ2回目。
提言「わが国の健康の社会格差の現状理解とその改善に向けて」から、
一部を引用。

『例えば、こうした指標の一つであるジニ係数は、等価・当初所得ベースではなお0.376(1995年)、0.408(1998年)、0.419(2001年)、0.435(2004年)、0.454(2008年)と増加しつづけている。等価・可処分所得(…中略…)ベースでのジニ係数は、…(中略)…と2000年以降はほぼ横ばいである。しかし30歳未満など特定の年齢層では可処分所得についてもジニ係数が増加している。』

まずこのジニ係数とは何なのか、ということです。
この計算方法はこのブログで説明するには、かなり厄介なので、
単に不平等程度を図る尺度だという説明だけにしておきます。
あと、完全平等だとジニ係数は0、完全不平等だとジニ係数は1という値だということは説明しましょう。
では、等価・当初所得ベース、等価・可処分所得とは何でしょう。
等価の説明は後にして、
まず当初所得ベース、
これは所得税や社会保険料などを払う前の雇用者所得になります。
可処分所得は、
所得税や社会保険料を払った後の雇用者所得になります。
この上記の言葉に等価をつける場合は、世帯の人数分の平方根で割ることになります。
例えば4人の世帯、一人だけ父親が600万稼いでいるとしたら、
600万÷2(4の平方根)=300万となります。
この金額が税金こみであれば等価・当初所得ですし、
この金額が税金を引いたものであれば等価・可処分所得になります。

上記の基礎知識を踏まえると、
税金を引かれる前の所得の格差は拡大している、
しかし税金を引くと2000年以降、それほど所得は拡大していない、
また、しかし、30歳未満は税金を引いても所得は拡大している、という結果なのです。

しかし2000年以降は全体的に日本がデフレによる不景気で貧困化しているので、
格差は横ばいだったものの、
低所得者の金額そのものは減少していると思われます。
なおさら30歳未満は深刻です。

次回は、格差に対する国民の意識です。
posted by リハ技士 at 17:39| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康の社会格差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月15日

相対的貧困率

健康の社会格差シリーズ1回目。

『2000年代なかばの統計によれば、OECD加盟国の相対的貧困率は日本で14.9%であり、メキシコ(18.4%)、トルコ(17.5%)、米国(17.1%)に次いで4番目に高かった』

この相対的貧困率、
というのがどのように決められるのか分からない人も多いでしょう。
これは、
国民を所得順に並べて中央の人の所得の半分以下しかない所得の割合のことをいいます。
日本の14.9%は2003年のデーターで、
2006年には相対的貧困率15.7%、2009年には16%に上昇しています。
日本は格差が広がり、世界的にも格差は上位ということがわかります。
ここで反論がきそうです、
それは所得が少ない高齢者が大きく増えているのだから、自然とそうなるのだというものです。
しかし子どもがいる現役世代もやや波はありますが、右肩上がりに増え続けているのです。
特に2006年では子どもがいる現役世代では、
2006年から2009年に大きく相対的貧困率は上がっているのです。

次回はジニ係数という指数で格差が広がっていることを説明していきます。
posted by リハ技士 at 13:17| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康の社会格差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする