2012年07月30日

転倒のリスク因子にはどのようなものがあるか

リハビリテーションQ&A。
今回でとりあえず最終回(しかし、また特集する可能性あり)。
今回は、
転倒のリスク因子にはどのようなものがあるか。

リスクには大きく2つ、内因性と外因性に分かれます。
内因性とは本人の特性に関連することです、
例えばバランス障害や筋力低下、視力障害、うつ等が挙げられます。
当院では内因性をふまえての対応が必要になってきます、
もしリハで改善できるものであれば訓練をしていきますし、
なかなか難しい性質のものであれば環境設定や介助のあり方を変える等をしていきます。
外因性は本人以外の環境や状況の問題です、
例えば介助の仕方が悪くて転倒したり、
その人にあわせた環境になっていないために同じく転倒したりする場合です、
この場合は対策としては、
環境の仕方を検討しなおしたり、介助の教育をしたりなどして、
今後の転倒を防いでいきます。

内因性の評価でバランス検査は大事な指標になるでしょう。
Time Up & GoやFunctional Reach TestやBerg Balance Scaleの有名どころの評価法も、
カットオフ値も書かれていて参考になりました。
その他の評価法も少しだけ述べましょう。
Four Square Step Testは恥ずかしながら、今まで知らなかった評価法です、
低い障害物を超えて、前後左右に素早くステップするスピードを測定する評価法というものでした。
感度・特異度もかなり高く、なかなか有望な評価法にみえました。
five times sit to standも初めて聞く検査、
文献をインターネットでリサーチしたのですが、全部英文だったので断念。
ただユーチューブにはこの検査法のやり方を説明したものがあったので見てみました。
両手を胸に交差するように当て椅子に座っています、
その位置から5回、立ったり座ったりしていました、
おそらくその秒数を図る検査だと思われます。
performance oriented mobility assessmentも紹介されていました。
バランス項目16点と歩行項目12点で構成された検査ですが、
日本ではあまり使用されていない検査のようです。
dynamic gait index(動的歩行指数)は様々な歩行をさせてその出来で点数化させるものでした。

文献には出ていませんでしたが、
当院の介護予防の評価では開眼(閉眼)片足立ちお10m歩行もしています、
この評価表も十分バランス評価になると考えています。
posted by リハ技師 at 17:36| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月27日

顔面神経麻痺のリハビリテーション

リハビリテーションQ&A。
今回は、顔面神経麻痺のリハビリテーションはどのように行うのか?

まず顔面神経麻痺の原因の中で代表的なのが、ベル麻痺とハント症候群です。
ベル麻痺は急性発症し原因不明と記憶していましたが、
この総合リハビリテーションの文献では、
膝神経節における単純ヘルペスウイルスタイプTの再活性化と書かれていました。
まずここで誤解する人もいるかもしれないので………、
膝神経節は顔面の神経節です、
形がL字になっていて、膝のように折れ曲がっているところから、
このようなややこしい名前になりました。
再活性化とは、
「いったん感染したウイルスが病原性を発揮せず常在しており、
免疫力低下や局所刺激によって膝神経節で神経炎を起こすこと」と書かれていました。
ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です、
ハント症候群は耳や耳の中に水ほうや、かさぶたができるのが特徴のようです。

予後診断に基づいて筋力強化の随意運動の適応あるいは禁忌を決めていきます。
その予後診断としては、
3週間ほどで完全回復する脱髄型、
発症から3カ月で完全回復する軸索断裂型、
発症4カ月以降に迷入再生による病的共同運動が出現する神経断裂型に分かれます。
顔面神経リハの対象は、この神経断裂型になるでしょう。
病的共同運動を出さないためにも文献では、
1.強力な随意運動を回避する
2.表情筋の伸長マッサージ(ストレッチング)をできるだけ頻回に実施する
3.眼瞼挙筋を使った開瞼運動を繰り返す、
という基本手技が書かれていました。

ベル症候群は仕事の知人や通所リハの利用者でも見たことのある疾患です、
その人たちは早期に回復(おそらく脱髄型)しました。

入院患者さんでも入院中にベル麻痺を発症する事もあるかもしれません、
当然医師と相談の上ですが、
このような顔面神経麻痺のリハビリテーションを行う必要性はあるでしょう。
うーん、顔面麻痺に対してのリハを経験したことがなかったので、勉強になりました。
posted by リハ技師 at 18:49| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月25日

「包括的呼吸リハビリテーション」とは何か?

リハビリテーションQ&A。
「包括的呼吸リハビリテーション」とは何か?

『呼吸リハビリテーションは運動療法だけで成り立つのではなく、きちんとした薬物療法・食事療法・患者教育・カウンセリングなどをセットにした「包括的呼吸リハビリテーション」として行われることでその威力が倍増する。』

慢性期の呼吸器疾患の人はたくさんいます、
その人たちには本人自らが呼吸器疾患について理解していただくことが大切です。
またどのようなリハでもそうですが、
チームで対応することが必要です。
例えばですが、
医師が呼吸器疾患の管理をし、
看護師がその呼吸器の状態をチェックし、問題があれば医師に情報を流します、
また理学療法のところで呼吸器にかかわる運動療法を行い、
作業療法では日常生活の中で息切れを少なくする呼吸法や日常生活動作を指導します、
栄養士は栄養状態の指導を行い(低栄養状態だとその呼吸器疾患に悪い影響を与えます)、
ソーシャルワーカーは社会福祉サービスの相談やカウンセリングなど…。

呼吸器リハにかかわるテクニックの向上がリハ技師には目が向きますが、
もっとたくさんの要素があることに充分留意していく必要があります。
posted by リハ技師 at 19:55| 山形 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月23日

パーキンソン病のリハビリテーションでは何をするのか?

リハビリテーションQ&A。
今回は、
パーキンソン病のリハビリテーションでは何をするのか?

「パーキンソン病のリハビリテーションでは、症状そのものに対するリハビリテーションと不活動に伴う二次的な症状に対するリハビリテーションに大きく分けることができる。前者の代表的な訓練としては、リズムや音楽に合わせた歩行訓練などがよく例として出される。これは、合図(cue)を利用した外発生随意運動を取り入れた訓練が効果的であるとの報告が多く見られるようになり、特に、歩行障害や姿勢反射障害を伴っているパーキンソン病患者に対しては試みる価値の高い訓練である。後者は廃用に伴う筋力低下や持久力低下などに対する訓練である。
パーキンソン病の進行とともに高温障害、嚥下障害、認知機能低下、精神症状、日常生活動作困難、呼吸機能低下、自律神経症状などが合併する。そのために、動作や歩行に関する問題点だけでなく、包括的な対応が必要となってくる。」

パーキンソン病患者にはリズム障害があります、
健常の人よりはそのリズムが速くなったり、乱れたりします。
それが歩行のリズムにも影響を与えます。
何かしらのメロディにメトロノーム音を追加して聴かせることで、
そのリズムを安定させ、その結果、歩行を安定させるというものでした。
またパーキンソン病はうつなどの精神症状もあるので、
気分を明るくさせるような取り組みとしても音楽療法は有効です。
実は以前、県のパーキンソン病友の会で講演した事もある内容です。

後者の廃用症候群に対してのアプローチも重要です。
安全で動きやすい環境、活動的な生活づくりなど基本的な対応はやはり必要です。
posted by リハ技師 at 15:33| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月20日

腰痛に対する運動療法とその効果は?

リハビリテーションQ&Aシリーズ。
今回のQ&Aは、
腰痛に対する運動療法とその効果は?

エビデンスとしては、
急性腰痛に対して運動療法は適応がなく、
慢性の腰痛に対して運動療法は適応となるようです。
古典的にWillamsの体操が有名です。
腹筋と大殿筋の筋力強化、ハムストリングスのストレッチ中心の体操です。
バランスがとれた腰痛体操と思われますが、
腰痛でも様々あるので、この体操で全てOKという事にはなりません。
やはりきちんとした医師からの診断に基づいて体操は検討していく必要があります。
その他にもマッケンジーの体操が挙げられていました。
近年、日本整形外科学会らが中心となって、
全国規模のランダム化比較試験が行われ、
「腹筋体操・背筋体操、腰・背・腹部のストレッチ、大腿後面のストレッチを組み合わせた」
上記の運動の有効性が証明されたとのことです。
posted by リハ技師 at 18:41| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月14日

変形性膝関節症の運動療法は有効か?

リハビリテーションQ&A。
変形性膝関節症の運動療法は有効か?

「膝関節の機能を回復するには、より積極的に筋力強化や可動域拡大を図り日常生活動作を質の高いものにする必要がある。変形性膝関節症では一定の筋委縮が見られることが多く、簡便で長期にわたり行える訓練方法が薦められる。」

文献では2つの訓練法が書かれています。
ひとつは下肢拳上運動です。
もう一つはハムストリングス伸展訓練です。
大腿四頭筋の筋力強化とハムストリングスの緊張緩和を目的にしています。
(下記のイラストは
「造血細胞移植now&future@webのホームページのフリーイラスト集から
利用したものです)m111.jpg
posted by リハ技師 at 17:33| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

脳卒中の装具療法の意義は?」(下肢)

リハビリテーションQ&A。
今回は
「脳卒中の装具療法の意義は?」

ここで話すのは下肢装具のことです。
『従来は、脳卒中片麻痺に対する装具療法の目的としては、「能力低下(disability)=活動の制限」に対しての使用が主体として考えられており、具体的な目的としては、下肢装具では@立脚期の安定、Aつま先離れを容易にする、B正常歩行パターンに近づける、C変形の予防、………(中略)………。しかし近年、装具療法は、「能力低下』(disability)=活動の制限」にとどまらず、「機能障害(impairment)=機能・構造の異常」に対する治療として急性期より積極的に用いられるようになってきており、………」
脳卒中治療ガイドラインにもグレードBとされ、
非常に信頼性の高いアプローチとも言えるでしょう。

当院でも理学療法部門では装具カンファレンスを開いたりなど、
事例検討を多く積んで理学利用法部門スタッフの知識・技術の蓄積に努めています。
posted by リハ技師 at 20:46| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月21日

脳卒中患者の痙縮の治療にはどのようなものがあるか?」

リハビリテーションQ&A.
今回で7回目.
今日は.
「脳卒中患者の痙縮の治療にはどのようなものがあるか?」

この文献には5つの治療法が挙げられています・
患者教育とストレッチ
装具療法
内服薬療法
ブロック療法
ポツヌリス療法
です.

まず患者教育とストレッチ.
一番よく使用するのがこの方法でしょう.
私は外来患者さんを担当しているので,
在宅での機能チェックの仕方,そして悪化しないように自己訓練を指導します.
その中のストレッチはかなり使用する訓練方法です.

装具療法は上肢では当院ではあまり使用されることはありません.
下肢では痙縮の予防+歩行の獲得に向けて,当院ではよく使用されます.

内服薬療法はブログ管理者にはよく分かりません,
ただ薬は副作用の事をきちんと図って処方する必要があります,
確かに筋弛緩剤を使用する場合は注意が必要でしょう.
しかし当院の医師は当然ですがリハに精通していますので,
適切な処方を出すことが可能です.

ブロック療法は?ですが,
ポツヌリス療法は当院でも福村リハ部長ができる資格を持っています.
利点としては
「感覚障害を生じないこと,比較的手技が容易で疼痛が少ない事,痙縮の抑制に比して筋力低下が少ない事」となっています.
短所としては高額なこと,何回も使用すると耐性がつくことです.

もちろんその他にもなるべく筋緊張を高めないような動作を指導する事も大切です.
posted by リハ技師 at 20:09| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リハビリテーションQ&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする