2014年07月23日

避難世帯 半数が家族分散

【福島県は28日、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故のため県内外に避難している県民を対象に実施したアンケート結果を発表した。震災発生当時は一緒に暮らしていた世帯のうちほぼ半数の48.9%が、家族が2か所以上に離れて暮らしていることが分かった。】
【避難指示が出ている自治体ごとの調査はこれまでも行われているが、県が自主避難者も含め、全体の状況を調べたのは初めて。避難後、心身の不調を訴えるようになった人がいる世帯も67.5%に上り、避難の長期化が大きな負担になっていることも判明した。
 第1原発がある地域では大家族が一緒に暮らしていた世帯も多いが、離れ離れの生活を強いられている実態が浮き彫りになった。民間アパートを利用した借り上げ住宅や仮設住宅が狭く、同居が難しいことが背景にあり、仕事や進学のため若い世代が自分で家を借りたり、購入したりする例も増えている。
 家族の分散状況は「2か所」が33.3%、「3か所」が12.1%、「4か所」が2.9%、「5か所以上」も0.6%に上る。「世帯でまとまって1か所(1人暮らし含む)は44.7%。
 帰還については、県内に避難している世帯の40.4%が、被災当時と同じ市町村に戻りたいと希望。県外避難の世帯は17.5%にとどまり、現在避難している市町村への定住希望(26.4%)の方が多かった。】
(日本経済新聞・朝刊 2014年4月29日 記事引用)

この調査は、福島県避難者意向調査(応急仮設住宅入居実態調査)全体報告書として、
ホームページにでています。
県の生活環境部で出しているものです。
皆さんも興味があれば確認してみてください。

さて、この家族の分断は様々な形があります。
例えば避難地域ではないのですが、
子どものために自主的避難を妻と子どもがし、
夫がその避難先では仕事がないために地元に残るというものです。
このことを避難地域でもないのに、
過剰に反応して避難したと強く批判する人たちをインターネット上ではみかけます。
つまり国が年間20ミリシーベルト以下では健康被害はないというお墨付きを与えたのに…、
ということが根拠として挙げられることが多いようでした。
しかし震災前の基準が年間1ミリシーベルトであったという事実があったことを忘れてはいけません。
そして放射線管理区域(年間5.2ミリシーベルト)は、
必要のあるもの以外は立ち入り禁止となっていたのです。
そしてそこで白血病になっていたら労災認定が下りたのです。

実際どこまでが、安全か安全でないかの科学的には解明しておらず、
様々な科学者で意見が食い違っています。
しかしこの食い違いをそのままには出来ないので、
国際的な取り決めとして年間1ミリシーベルトと決めたのです。
そうであれば、子どもに影響が強い放射線被ばくに関して、
親が子供を連れて避難させるという行為は、
子どもの健康に支障をきたさない可能性を求める正常な反応だということができます。
そもそも世界や国が年間1ミリシーベルトと法律で決めていたのに、
この震災で20ミリシーベルトに急遽変えたということに強い違和感があります。
(以前の取り決めの20倍です、
放射線被ばくに関しての耐性が急に20倍アップするということは当然ありません、
このことだけでも不安に感じる人はいるのではないでしょうか)

上記の理由から福島から避難した家族を批判することがおかしいということは分かってもらえると思います。
ただし、残っている子どもを持っている家族に対して批判するのは間違っています。
科学的には結論が出てないこと、
そして家族が分断されることのほうが、より家族としては幸せに暮らせるという決断なのです。
どちらの判断にしても、福島の人たちのぎりぎりの判断なのです、
そのことに対して安易に外部から評価するべきではないと考えます。

ただ今回分断された家族の精神的な健康状態が思わしくないという結果は、
重視すべきです。
家族が再び一緒に住めるような政策を国は、今後なお一層推し進めていくべきでしょう。
posted by リハ技士 at 19:39| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

3.11 教訓 特養ホームうなばら荘

【東日本大震災で洋野町には高さ10メートル前後の津波が襲った。同町種市の町立特別養護老人ホームうなばら荘(佐々木安武所長)は海岸付近の海抜約15メートルの高台に建つ。被害は免れたが、今回の震災で津波のリスクがあらためて浮き彫りになった。足の不自由な高齢入所者が多いうなばら荘は、地域の協力など新たな避難対応策を模索している。
 2011年3月11日。通常の入所者74人に加え、短期入所6人のお年寄りたちが昼過ぎの穏やかな時間を過ごしていた。
 沢里勝美所長補佐は緊急地震速報を聞き、すぐに館内放送で「間もなく強い地震が来ます」と注意を促した。直後に大きな揺れが襲い、職員たちは利用者に寄り添った。施設は停電となり、暖房や給湯設備も停止した。
 大きな揺れだった。「余震で建物が倒壊したら大変」と、利用者をひとまず外へ避難させることに。職員は駆け付けた消防団員らと、2階にいた16人を車椅子に乗せ、施設外部に通じるスロープから1階へ運び出した。
 利用者を毛布でくるんで外でいったん待機させたが、寒さのため「このままでは凍えてしまう」と、再度施設内へ連れ戻した。1階の廊下に布団を敷き、持ち寄った反射式石油ストーブなどで暖を取ってしのいだ。
 幸い津波の被害はなかった。沢里所長補佐は「施設が高い場所にある安心感から、津波という考えはなかった」と振り返る。しかし、震災を経て「どんな規模の災害が起きるか分からない。あらゆる可能性を考え、利用者や職員を守るための対策を考えなければ」との思いに変わった。】
(岩手日報・朝刊 2014年1月31日 記事引用)

どの程度の津波を想定するのか、
これによって避難のありかたは変化していくでしょう。
いくつかの沿岸部の津波避難計画をホームページ上でみましたが、
最大の津波の高さを以前予測していた数値より2倍にしているところを多く見かけました。
記事のこの地区では、東日本大震災の記憶が強く残っているので、
震災前の予想より2倍どころではなく、もっと高い津波を想定せざるを得ないでしょう。
記事を見ると、町では津波が来た場合は、海抜約30メートルの町民文化会館に避難するように指導しています。
つまり20数メートルの津波を来るかもしれないと考えているようです。
そうであれば、海抜15メートルのうなばら荘では、無理があります。
うなばら荘は車椅子使用の人や寝たきりの人が多く、移動に介助を要する人たちが多いですし、
町民文化会館までには1キロ以上離れています。
しかし完璧な対応は困難ではありますが、
最小限の被害になるように、
実践的な訓練を行って、万全の態勢を整えていかなければいけません。
これはうなばら荘だけでなく、
海岸近くにある福祉施設・病院に関しても言えることです。

いや、海岸近くだけでなく、全ての病院・福祉施設がきちんと震災に備えなければいけません。
以前紹介した宮城県の長町病院は震災を想定して、3.11前に震災での避難訓練を行っていました。
当然マニュアルも作成していたのです。

もう過ぎてしまいましたが、
3.11が近くなったら、
病院・福祉施設の震災行動マニュアルがどのようなものになっているか確認してみたらどうでしょうか。
そしてもしできるのであるなら、震災避難訓練を3.11に行ってもいいと思います。
私たちはこの震災を必ず未来の糧にしていかなければいけません。
posted by リハ技士 at 19:28| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月08日

原発再稼働推進の疑義W 現在の原子炉の状態

原発再稼働推進の疑義W
ネタ本は、NEWTON 4月号
特集「災厄 福島原発1000日ドキュメント」
PART1の過酷事故の連鎖

最終回 現在の原子炉の状態

【…1〜3号機の原子炉内で溶け落ちた核燃料のくわしい情報はいまだ不明だ。原子炉に注入した水が、高濃度汚染水となって建屋の地下にたまる状況は、今もわかっていない。2014年1月現在も、約9万トンの高濃度汚染水が、原子炉建屋やタービン建屋の地下にたまっている。
1〜4号機は、2012年4月に法律上は「廃止(廃炉)」になっていた。5号機と6号機も2014年1月31日づけで廃止(廃炉)が正式に決定した。これで福島第一原発の原子炉は、すべて廃止となった。
 今後、1〜3号機の原子炉で溶け落ちた核燃料の状態を調べて、それを取りだす方法を検討するための開発研究が行われる。5号機と6号機は、それらの研究開発のための実物大の実証試験(モックアップ試験)に利用される予定だという。なお、5号機の原子炉は1〜3号機と同じタイプの原子炉(マーク1型)である。
 法的には廃止が決まったといえども、40年以上かかるとされる実際の廃炉作業は、まだはじまったばかりといえるだろう。】
(NEWTON4月号 78ページ引用)

原子炉の状況は全くまだわかっていない、放射線が高すぎて近づけないからです。
原発事故で本来一番検証しなければいけないのは原子炉です。
特に津波に来る前に地震で損害があったのではないか、国会事故調では指摘されています。
もちろん、国会事故調も様々な状況を総合的に分析して、そのような指摘をしました、
しかし、当然物証はありません。
その物証がなければ具体的な問題は本当はわからないのです。
しかし原子力規制委員会はその物証は確認せずに、
世界で一番の安全基準を作るの、一点張りです。
ブログ管理者もその安全基準の概要版をみました、
もちろんこの分野は素人なので、具体的なことはわかりません。
しかし素朴な疑問が………、
国会事故調や政府事故調で指摘された設備的な問題点、
まだ新規に建てるというのであるならばまだわかりますが、
既存の施設がちょっとした工事をやることで世界最高の安全基準になるのかどうか……、
あやしい、と感じてしまいますが、いかがでしょうか。

あと廃炉の問題。
原子力規制委員会は今年中におそらくどこが世界最高水準の安全基準をクリアしていると報告し、
再稼働するところが相次ぐ可能性が高いでしょう。
それよりも早く廃炉にした方が良い原発を原子力規制委員会は指摘するべきです。
いつ地震が起きてもおかしくない状況であることがわかった今、
そのことをもっと早く国に指摘するべきではないでしょうか。
もちろん、その原発内で暮らす地域の人たちをどう支えていくかは考えていく必要があるでしょう。

今回で原発再稼働推進の疑義Wはいったん終了します。

次回からは止まっていたリハビリテーションワードを再開します。
posted by リハ技士 at 20:11| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月07日

原発再稼働推進の疑義W 核燃料の移送

原発再稼働推進の疑義W
ネタ本は、NEWTON 4月号
特集「災厄 福島原発1000日ドキュメント」
PART1の過酷事故の連鎖

核燃料の移送

【1〜4号機の使用済み核燃料は、地震や水素爆発で壊れた建屋の使用済み核燃料プールの中で、冷却がつづけられてきた。ところが、ふたたび大きな地震がおきるなどして設備がこわれる可能性が懸念されている。長期的に保管することを考えると、ほかの安定的に冷却できる設備に核燃料を移す方が安全だ。
 そこで、4号機の使用済み核燃料を、4号機原子炉建屋の向かいにある共有プール建屋に移動させることが決まり、そのための準備が行われてきた。2013年11月18日、ようやく移送作業が開始された。
 4号機の使用済み核燃料は、建屋の5階にあるプールに、核燃料が詰まった細い管を束ねた「燃料集合体」という形で保管されている。燃料集合体は、まずは保管用のラックから1体ずつ取り出されて、専用の輸送容器(22体収容可能)の中に移動される。この作業は水中で行われ、核燃料の放射線は水によって遮蔽される。
 その後、容器の密閉性のチェックなどが行われたあと、燃料集合体をつめた輸送容器は、クレーンに吊られて、約30メートル下の地上へと降ろされる。輸送容器は、衝撃耐久テストなどが行われており、30メートルの高さから落下してもこわれることはないとされている。
 2014年2月10日現在、1533体の燃料集合体のうち、308体が共有プールへと移送されている。1度に22体ずつしか運べないため移送には時間がかかり、すべての核燃料の移送が完了するのは、2014年末になる予定だ。】
(NEWTON4月号 72ページ引用)

現時点(4月7日)で504体が共有プールへ移送されています。
やっと1/3という状況です。
この移送での問題として挙げられるのは、
この瓦礫があるプールの中で予定通りに順調に進むかというものです。
少しずつ核燃料棒は移送していますが、
そこで片付けられた燃料棒から、
隠れていた他の燃料棒の状態などがわかり、なかなかその燃料棒を移送することが困難な場合がでてくるかもしれません。
その場合は、予定した工程表通りにはならないでしょう。
そうなると作業する人の被曝線量が増えることにつながり、
この作業に大きく影響を与えます。

福島原発で働く人たちの放射線被曝、
そのことをきちんと管理しているのか、
そしてそのような人たちがもう被曝させてはいけないという判断になった時に
熟達した技術者を配置していくことは可能なのか。
国は2011年の3月11日〜12月15日で特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳を出していました、
この手帳があることによってある一定程度の被曝がある場合は、
検診を義務付け、
離職後も国の費用で一般健康診断・癌検診が受けられるようになっていたのです。
しかし12月15日の事故終息宣言の次の日から労働に携わった労働者には、
この登録証は対象にならなくなったのです。
まだまだ原子炉建屋では毎時100マイクロシーベルト以上なっているところがあります(本来は0.5マイクロシーベルト)。
どう考えても、健康に問題が起きる可能性が高くなると考えるのが自然だと思いますが…

次回で原発再稼働推進の疑義Wはいったん終了します。
(最終回は、現在の原子炉の状態)
posted by リハ技士 at 20:34| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月03日

原発再稼働推進の疑義W 汚染水対策

原発再稼働推進の疑義W
ネタ本は、NEWTON 4月号
特集「災厄 福島原発1000日ドキュメント」
PART1の過酷事故の連鎖

汚染水対策

【2013年9月26日に政府が発表した汚染水対策の基本方針は、「汚染源を取り除く」「汚染源に水を近づけない」「汚染水をもらさない」の三つである。これにもとづいて、各種対策が行われている。
 その中でも、汚染水の流出と流入を食い止める抜本的な対策として期待されるのは、鉄製の管による「海側遮水壁」と、凍土方式による「陸側遮水壁」だ。
 海側遮水壁は、18〜27メートルの鉄製の管(鋼管)を、1〜4号機の海側に打ちこみ、横に連結させることでつくられる。建屋の地下にたまった汚染水が海へ流れ込むのを防ぐ「汚染水をもらさない」ための方策だ。
 陸側遮水壁は、1〜4号機の原子炉建屋とタービン建屋を取り囲むようにつくられる予定だ。冷却材が通る管を地下30メートルほどの深さまで埋め込み、その周囲の水を土ごと凍らせることで壁(凍土壁)にするという方法でつくられる。「汚染水に水を近づけない」ための方策だ。
 凍土方式のメリットとして、すでにある建屋の地下構造物を邪魔することなく設置できるという点がある。建屋の地下には、配管を通す通路などが数多く通っている。凍土方式の場合、地下に設置するのは細かい冷却材の管だけなので、地下構造物のすき間をぬって壁が作れるのだ。
 一方で、凍土方式による遮水壁はトンネル工事などで使われることはあるが、これほどの大規模なもの(長さ約1.5キロメートル)は過去に例がないため、効果を疑問視する声も上がっている。】
(NEWTON4月号 70ページ引用)

この凍土方式、これだけ大規模な工事は今まで経験がないということがかなり不安です、
またこの凍土方式は、短期(2年程度)の運用実績はあるものの、長期的な運用実績はないため、
長期的に本当に耐えうるのかという検証はされたのか気になります。
まず短期的にこの方式で行って、長期的な対応はこれからということであればいいのですが、
そのような提起は政府の方からはなにもないようです。
そもそも本当にこれだけの規模を全て凍らせることが出来るのか、という規模自体も未知数なのですから…。
うーん。
またこの冷却は大量の電気を使用しますが、
これがトラブルで電気が復旧しないという事が起きれば………。

だったらおまえはどのような対策があるのだという反論が返ってきそうです。
しかしこれは小出氏が2011年の時点で述べていたように、
地下水に接触する前に囲いをつくって汚染の広がりを防いでいく地下ダムをつくる、という案はどうなんだろうと思ってしまった時もありました。
ただこれは金額が1000億以上かかる、
またこの工事をする労働者に被曝してしまうという問題で、見送られているようです。
お金はいいとしても、労働者の被曝は確かに………。

その他の案となると、確かにブログ管理者も案は確かに浮かびません。
そうなるとやはり現在のこの凍土方式しかないのでしょうか。
まずこの凍土方式の大規模で行う検証、長期間で行う検証をきちんと行う、それしかないのかもしれません。
そのことで汚染水を防ぐことをここでは願うしかありません。

次回は、核燃料の移送です。
posted by リハ技士 at 20:32| 山形 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする