2020年08月19日

あずみの里裁判 無罪確定

安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で入所者の女性=当時(85)=がおやつのドーナツを食べた後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた准看護師山口けさえさん(60)の無罪が確定し、弁護団と支援者は十二日、松本市内で会見を開き、東京高裁の無罪判決と東京高検の上告断念を評価した。裁判を巡って萎縮が続いた現場では、利用者の生活の質の向上と安全を両立させる介護に向けて再構築が始まる。
(中日新聞 WEB版 2020年8月13日 記事引用)

以前、高裁で無罪になったことは報告しました。
ただブログの最後に、
検察側が上告し、最高裁がどう判断するか、予断ならないことを付け加えました。
しかし、検察側が上告断念ということで、無罪が確定しました。

実はこの裁判に鶴岡協立リハ病院の元医師が弁護士側の参考人として出廷しました。
今回検察側はドーナッツ片による気道閉塞を主張し、
おそらく弁護側は福村医師を参考人と呼び出し、
ドーナツ片では窒息せず、死因は脳卒中であることを主張したのだと思われます。

結局死因は高裁では判断しませんでした、
これはおそらく仮に窒息だとしても、
その患者さんが窒息してしまうという予見性を判断できない、というものだったかと思います。

そして高裁は、以下にこう言い切りました。
時間を費やすのは相当でなく、速やかに原判決を破棄すべきである」
高裁がここまで言い切ったことが、
上告断念の1つの大きな要素につながったでしょう。

以前にも報告したように、
民事では賠償金を払い、遺族に謝罪をしています。
しかしこの刑事において、罪が認められるということになると、
もうリスクの高い患者は多くの施設では引き受けづらい空気になってしまう状況に陥ります。
もちろん、入居者の安全安心は追及しなければいけません、
しかし常に事故のリスクはゼロにはなかなかできません、
なおかつ介護者の絶対数が少ない中で、介護職の対応はぎりぎりの体制で行っているところが多いでしょう、
なおリスクは高まってしまいます。
そこで介護事故を刑事罰にしたら、もう介護職のなりてはいなくなるでしょう。
そこまでいかなくても、
過剰な安全対応をしていけば、
なるだけ動かさない(廃用が進んでしまう、自立が進まない)、
新たなことは行わない(介護の質の改善が進まない)などにつながっていくでしょう。
今回は食事のことだったので、
例えば食事内容が同じ内容になり、食の楽しみが減ってしまうなどにもつながりかねませんでした。

当法人も今回のあずみの里裁判で、介護職を中心に署名活動を数多く集めました。
全国でもたくさんの署名が集まったと聞いています。
とにかく関わった皆様、ご苦労様でした。
posted by リハ技士 at 16:34| 山形 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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