2017年11月24日

発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ

久しぶりに新書の紹介。


「発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ」

山口真美

講談社BLUE BACKS


本の背表紙にこの本の内容紹介が記載されています、一部引用します。

【じつは、脳が発達する過程で、うまく視覚が形成されなかったりすると、

そのほかの感覚器の形成に影響が現れるというのです。

人より視力や聴力が極端によすぎるために同じものを見たり、聞いたりしていても

まったく違う世界として受け止めているかもしれない、

それが発達障害の素顔なのです。

自閉症、ADHD、ディスレクシア、ウィリアムズ症候群、アスペルガー症候群など、

感覚の特性としてとらえることで新しい治療と対応の可能性が見えてくる!

少しのあいだかれらの世界に寄り添ってみませんか。】


視覚形成から発達障害を論じる、という切り口が新鮮でした、

もっと砕いていうと、視覚形成がうまくいかなくなると、心の異常が起きてしまう…(ちょっとかみ砕きすぎて、正確でないかもしれません)、というもの。


私たちの高次脳機能といわれるもののなかで、

コンピューターでもできるもの(もしくはコンピューターのほうが上回っているもの)は結構あります

例えば、計算だったり、記憶的なものであったり…。

しかし、人間関係や社会関係を作るうえでの学習はコンピューターには、

少なくとも今のところ難しいのではないでしょうか。

他人の心を推し量ったりなど、複雑な推論が求められます。

また人は十人十色であり、1人の人がその関係に成功したからと言って、応用できるとは限りません。

つまりそれだけ相手の心を読む、というのはそれほど難しいのです。

自閉症の子どもも、相手の心が読めない、と言われています。

そして自閉症は第一次視覚野の発達に問題があるとされているのです。

(生まれつきからある脳の機能障害的なものだけではなく、

様々な環境からの刺激が脳の構造・機能を歪めてしまう例も本書では提示されていきます)


視覚野だけでなく、感覚の異常も報告されます。

例えば自閉症のひとの中には、聴覚過敏や視覚過敏なることによって、

感覚処理がうまくいかなくなる子どもたちも多い…。

最近の発達障害をテーマにした番組でも、感覚処理がうまくいかないことで、

人間関係や社会生活がうまくできない人たちを報告したものが多くなっています。

この本の中で、ブログ管理者が一番面白かったのは、

5章の「コミュニケーション能力は顔と視線から」というもの。


多少なりとも知識がないと、ハードルが高い本ではありますが、

ハードルを越えれば、「うーん、なるほど」と知的好奇心をくすぐられる内容になっているでしょう。

posted by リハ技士 at 18:15| 山形 ☔| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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