2017年02月10日

オバマケアの実態

堤美果新書3冊シリーズ、

5回目。


今日も沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>2章から引用します。


【…、2010年に導入されたオバマケア。

 回転ドアをくぐり政府の法律設計チームに入り込んだ医療保険会社重役が骨子を書いたこの法律は、全国民に民間医療保険への加入を義務付けながら(無保険者は罰金)、保険料やその適用範囲、薬価の設定などには規制をかけないなど、医療複合体の利益を損なわない内容になっている。】


当ブログでは2010年のオバマケアが導入されたときは、

肯定的にとらえて紹介をしたことを覚えています。

いろいろな反対で骨抜きになった感はぬぐえないけれども、

医療改革の第1歩として評価する、というものでした。

しかし、もっと具体的に中身を見ていくと、

あの時に評価したのは間違いだったと反省しています。

なぜか?

まずオバマ前大統領はこの政策が上院・下院で成立するために様々な譲歩を行ってきたのですが、

その譲歩がかえって今までよりも医療政策としては後退していったのです。

まずオバマケア政策は病気などを理由に保険の加入拒否はできず、全員対象に保険に入れるようにはしましたが、

その分、企業がリスクを負うので、その利益を維持するためなのか、

保険料は値上がりし、安い保険商品も廃止され、

指定病院・医師リストを縮小して、実際に保険を使用して受けられる枠を狭め、

薬は相変わらず、企業の言い値で薬価を決めていく…。

また病院側も大量の書類とルールの厳格さ、そして利益にあまりならないことから、

医者側が診療拒否など、

ほとんどオバマケアは理念だけが高らかに歌われたものの、

実際にはあまり機能していなかった、という強い批判が同じ民主党からもでているのです。


もちろん無保険よりは、やはり一歩前進だ、という評価もできるでしょう。

しかし、世紀の医療改革、と将来に誇れるような改革ではなかったことは、

間違いないようです。

それだけ、アメリカは企業が政治を操れる状態になっていて、

オバマ前大統領も企業に対して闘ったのかもしれませんが、

結果としては敗れた状態だったのです。


今度のトランプ大統領はオバマケアを大批判しています。

そして政治経験のない企業トップ。

果たして、このオバマケアがまたどのようになっていくのか、

これにも要注目です。

posted by リハ技師 at 17:43| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 堤未果新書3冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック