リハビリテーションの歩みシリーズ、
参考・引用文献は、リハビリテーションの歩み その源流とこれから。
久しぶりのシリーズになります。
今回からは、日本リハビリテーション医学会の歩み(181〜214)のところから、
無理やりに要約するのではなく、
二か所だけ、注目した所を引用していきたいと思います。
『第1回日本リハビリテーション医学会総会は水野祥太郎初代会長のもとに1964年7月12日に大阪で行われた。会長講演は「リハビリテーション医学の地域社会における諸活動」で…』
この当時で、会長講演のタイトルに地域社会という言葉が入っていることに驚きます、
病院という小さい枠ではなく、もっと幅広い視野にたっていました。
そしてこの水野祥太郎先生は(別の本から得た情報ですが)大阪のリハビリテーションの開始は、
昭和20年、終戦で落ち込んだ傷痍軍人を勇気づけさせようとイベント列車を使った事といっています。
つまりリハビリは単に身体機能改善ではなく、
精神面や社会参加なども含めての改善を目指す事をリハビリテーションと認識しています。
単に疾患を治療する医療ではなく、生きることを支える医療として、とらえていたのです。
このようなリハの認識はこのような数多くの大先輩がいてくれたからこそ、
すそ野が広く、そして奥深い医療を形成していったと感じるのです。
この章では他にリハ総会・学術集会の発表内容の変遷や、
機関紙「リハビリテーション医学」の発刊、
そして法人化問題等が述べられます。
法人化問題ではなぜ法人が必要だったのかという説明が述べられます、
『他の日本医学会分科会と比較すれば、…中略…、社会性と公共性をとを併せ持った学会であることに、特色とまた誇りを持っている』
法人化問題以前から、
常に社会の要請に応じて開かれた組織であったこと、
そしてそれらに真摯に応えてきた実力があったことに気づかされます、
後輩である現在のリハ技師たちもそのような先輩たちが上記のように作り上げていったということを、
胸を張って大いに誇りたい、と思います。
次回は、大学におけるリハ医学の臨床・研究・研究体制の整備です。
2013年08月23日
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