2013年08月15日

注意欠陥多動性障害 成人まで症状残る

『落ち着かない。注意も持続が難しく、片付けができない。集中困難、不注意、衝動性がある状態が6カ月以上続き、学校や職場、家などで問題を起こす。生まれつきの発達障害の一種、注意欠陥多動性障害(ADHD)の典型的症状だが、性格のせいにしたりして、本人も諦めてきた。女児より男児に多い。症状は幼少期だけでなく、成人まで続く。「早めに治療することが望ましい」と専門医は助言する。』
『当事者の30代女性に話を聞いた。女性は大学院に在籍中で、3人の子の母親だ。幼少の頃から落ち着きのなさや不注意を指摘された。自分の性格と考えて、諦めていたが、結婚や子育てを経験する中で、生活上の困難が著しくなった。
 専門医に受診して長く話を聞いてもらい、「ADHDという病気だよ」と言われ、肩の荷が下りたという。成人期ADHDに昨年承認された薬を飲み始めて症状は軽くなった。この女性は「薬に出合わなかったら、365日24時間サバイバルみたいなのがずっと続いて疲れ果てていた」と語る。
このように成人になっても症状は残る。それがあまり知られておらず、成人期ADHDの医療が遅れる要因になった。当事者の女性は「大人で分かっても、治療で変われる」と体験を話す。
 世界保健機構(WHO)の調査によると、成人のADHDの有病率は3.4%とみられている。
 日本では大規模な疫学調査は少ないが、弘前大医学部神経精神医学講座の中村和彦教授らが2010年に浜松市内の18〜49歳の約3900人に調査し、少なくとも成人の1.65%がADHDと推定した。この有病率を全国に当てはめると、成人期ADHDは約100万人に上る。ごくありふれた病気と言える。
 児童精神科の斎藤卓哉日本医大准教授は「ADHDは最も多い発達障害で、慢性疾患だ。小児期患者の50〜70%が成人期まで持ち越される。成人になってはじめて診断される人もいる」とみる。
 斎藤准教授は成人期ADHDの治療指針として薬物療法に加え、生活相談や精神療法、職場や家庭の協力を挙げる。自尊心を向上させるように心理社会的な治療をしながら、周りの関わりを重視して職場環境変更や福祉援助の要請も検討する。』
(上記2点 北日本新聞・朝刊 2013年5月22日 記事引用)

成人期になってADHDを診断するのは非常に困難と聞いたことがあります。
記事に出ていた中村和彦氏の診断はどのようなものを使用したのでしょうか。
ホームページでその論文を見つけました。
その論文によると、
診断で使用したアセスメントツールは、
アメリカで使用されているコナーズ成人ADHD診断面接(CAADID)を日本版にしたものでした。
少し前までは日本には、このような診断ツールはなかったのですが、昨年にこの日本版が出版されていました。
また、成人期ADHDの重症度をはかる評価尺度が今まではありませんでした。
Conners’ Adult ADHD Rating Scale(CAARS)がやはり、昨年日本版を出版しました。
中村和彦氏は早速日本版にしたこの診断ツールを利用し疫学調査を行ったのです。


全国には、もしかしたら100万人いるかもしれない成人期のADHD、
このような人達は様々な生活の中で他の人よりもうまく関われなかったり、
そのことによる二次障害での精神状態不安定さを引き起こすこともあるでしょう。
やはり今回のような日本版を利用して、
早く診断し、適切な治療を受けることが重要です。

薬剤・認知行動療法・生活相談・心理教育プログラムなどなど、
やれることはたくさんあるのです。
posted by リハ技士 at 15:24| 山形 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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