2013年07月07日

医療機器・医薬品価格への規制撤廃

今日からTPPと医療の関連について特集します。
引用文献は、
「TPPと医療の産業化」二木立 勁草書房
2012年5月発刊

pp32から引用
『日本がTPPに参加した場合、アメリカの要求がさらに強まるのは確実です。私はそれには3つの段階があると判断しています。
 第一段階は日本の医療機器・医薬品価格規制の撤廃・緩和要求です。これは米国通商代表部が毎年発表する「外国貿易障壁報告書」の定番です。2011年度版では「医療機器・医薬品」の貿易障壁の指摘と是正要求は、保険、テレビ、コミュニケーション(医療IT)に次ぐ長さであり、医療機器については外国平均価格調整ルールの廃止を医薬品に関しては新薬創出加算の恒久化と加算率の上限撤廃、市場拡大再算定ルールの廃止または改正などを列挙しています。』

まずわからない言葉が出てきました、
いくつか言葉の勉強をします。
満月外国平均価格調整ルール、
薬価算定ルール上は、
欧米4ヵ国(米英独仏)における同一薬剤の価格を参考に,
これらの先進国の価格から突出して高くもなく低くもない,
ある意味で国際的に平準化した価格を目指して,算定価格を調整することになっています.
満月新薬創出加算(正式名称は新薬・適応外薬解消等促進加算)
特許が切れていない新薬の薬価を特許期間中は据え置いて、
特許が切れ、後発医薬品が発売された時点で一気に下げる、というものです。
満月加算率は様々な加算率があります、
画期性加算(全く新しい着想の薬剤)
有用性加算(かなり高い有用性のある薬)
市場加算(市場規模が少ない薬)などがあります、
カッコ内等の条件が満たされた時に一定程度の加算があります(ただし上限あり)
満月市場拡大再算定ルールは、
ある医薬品の売上げが、「当初の想定の2倍以上」、
かつ「年間150億円超」、そして、「類似薬効比較方式」で薬価が決められたものについては、効能追加という比較対照薬との類似性が損なわれたときに薬価を引き下げるというものです。(最大25%の引き下げ)

これらすべての言葉を把握し、
先ほどの文章を読むとわかるのが、
アメリカは薬剤を高く設定し、製薬企業が儲かる仕組みを作りたいということです。
このことが認められるとどうなるでしょうか。
ますます医療保険財政は薬剤費(新薬など)の高騰で苦しくなります、
そして結局しわ寄せは診療報酬本体にいき、
実質上、診療報酬本体は大きく引き下げになり、地域の医療施設の経営は苦しくなっていきます、
また患者負担増も求められていくことも容易に想像できます。
逆に製薬会社の利益は大きくなっていくでしょう。

医療は人の命・健康がかかっています、
そこに「稼ぐ」という要素が非常に強い仕組みを作ることは、
そのまま命・健康が脅かされるということになります、
それを許してはいけません。

この医薬品・医療機器に関しては、
TPP対象項目に入っている可能性は極めて高いと内閣府も認めている話です。
そしてこれは与党自民党が守ると宣言している内容ではありません。
医療関係で与党自民党が公約しているのは、
国民皆保険制度を守ると言っていることに過ぎません。
ただしこのTPPでその国民皆保険制度の質を大きく変化させていくことになりかねないと思われます。

次回は、医療特区に限定した市場原理導入です。
posted by リハ技士 at 16:08| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック