2013年03月08日

広域避難 認知症患者 戸惑わせない

広域避難3
『「虹の家」では、浪江町の雰囲気を取り戻そうと努めている。元のホームに掛けてあった風景写真や油絵を飾りなおしたほか、先月には一部の入居者が元のホームに一時帰宅し、よく聴いたレコードや愛用のはんてんなどの私物を持ち帰った。
 お祭りを企画するなど、仮設住宅の住民との交流に力を入れる。認知症ケアには、顔見知りの人に囲まれた安心感が大切だからだ。「住民とのなじみの関係をゼロから作らないといけない。その取り組みの最中です」と星さんは話す。
 厚生労働省によると、こうしたグループホーム型の仮設住宅は今年10月現在、福島県内に9カ所、昨年9月現在で宮城県に18カ所、岩手県に6カ所ある。
 福祉仮設住宅を調査している東北工業大学工学部建築学科教授の石井敏さんは「転居に伴い認知症が悪化したケースもある」と話す。
 あるグループホーム型仮設住宅では、一般の仮設住宅から離れた場所に造られたため「こんな寂しい場所に来てしまって」と涙を流す入居者、以前のグループホームと大きく異なる建物に「こんな家見たことない」と怒る人もいた。転居から4カ月で、攻撃的な言動や短期的な記憶の急激な低下など、認知症の症状が進行したケースが見受けられた。
 浪江町健康保険課によると、震災前、要介護、要支援に認定された高齢者は911人。それが、今年8月には1256人に増えた。仮設住宅などの慣れない環境で、認知症が悪化したケースもあるのではないかと同課ではみている。』
{読売新聞(東京)・朝刊 2012年12月14日 記事引用}

厚生労働省は、
「避難所でがんばっている認知症の人・家族等への支援ガイド」というパンフレットを作成し、
避難所で支援する人が参考になるようなものを作っていました。
具体的にどのようなことが書かれていたか、大項目だけ紹介しましょう

1.ざわめき・雑音のストレスから守る工夫を。
2.一呼吸でいい、ペースを落として、ゆったりと、少しずつ。
3.本人なりに見当がつくよう、本人に情報を。
4.飲食、排泄、睡眠の確保を。
5.少しでも「快の刺激」を。
6.体を動かそう。
7.落ち着かない場合、抑えるのではなく、早目に本人にそった対応を。
8.本人を見守る家族や介護職員が解放される時間の確保を、現状や要望の確認を。

パンフレットには具体的にもっと書かれています。
しかし家族がこのパンフレットを渡されたとしても、
そのようにできたでしょうか。
やはりこのような人たちはなるべく介護が分かっている人が対応することです、
そしてそのような介護が受けられるような避難所が必要です。

広域避難1のブログで高齢者や障害者が居住しやすい避難所がなければいけない事を指摘しました。
私が指摘するまでもなく、
阪神・淡路大震災の教訓から「福祉避難所」というものが必要だということになり、
中越地震ではこの福祉避難所が設置され、その評価も高かったと聞きます。
認知症の高齢者もこのような施設で介護を受けないと、認知症は悪化する可能性もあります。
なぜなら一般の避難所にいる人たちも今回の震災で精神的に追い詰められている場合も多く、
認知症の問題行動に寛容に対応することは困難な状態だからです。

やや話はずれますが、この福祉避難所は機能したのでしょうか。
毎日新聞の記事では、福島ではこの福祉避難所は他の県と比べて先進的に取り組まれてきた県でした。
しかしこの福祉避難所がどこに設置されているか、という周知徹底がなされておらず、
避難先を探している福祉施設はまず近郊の避難所にいくしかなかったということです。
私も山形県においても、福祉避難所は整備されているのか、
そして整備されているとしても、どこがなっているのか全く把握していません。

もうすぐ東日本大震災が、まる2年を迎えます。
私たちは東日本大震災で亡くなった人たちへの祈りと、
今でも苦しみ続けている被災地にいる人たちを忘れないことと、
自分たちの地域の避難計画・避難場所などがどうなっているのかを確認するべきではないでしょうか。
posted by リハ技士 at 11:47| 山形 | Comment(0) | TrackBack(0) | 震災・原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック