2011年06月02日

認知症リハビリテーションのEBM

総合リハビリテーション 2011年5月号
特集「認知症リハビリテーションのEBM」
5つの論文が報告されていますが,
そのうち2つの論文を紹介しましょう.

「行動心理学的症候と対処法」
田中尚文
だいぶ前に認知症の本を読んだときに異常行動を,
中核症状と周辺症状にわけて説明されていました.
しかし現在では認知症の行動心理学的症候(BPSD)と言っています.
これは周辺症状だと説明されてきた行動が,
ある疾患では中核症状になることがわかってきたのです.
BPSD,皆さんもよく覚えてください.
このBPSDの重症度の評価に,
BEHAVE-AD FWやNPIがあります.
(その前に認知症の評価の前にせん妄があるかどうかは確認しなければいけません)

BPSDには非薬物療法が基本で,
見当識訓練や回想法があります.
見当識訓練は,
「現在の場所や天気,人物の見当識などを反復して伝えることにより,言動の時制を現在に近づけて,誤った認識に由来する行動障害や情動障害を緩和することを目指す.」
回想療法は,
「昔の記憶が比較的保持されていることを利用して,おのおのの思い出を陳述させる」
では具体的にBPSDに対してどのような対応が必要となってくるのでしょうか.
妄想と徘徊と睡眠覚醒障害の対応が書かれていました.
興味がある方は是非ともこの文献を読んでください.

「認知症の非薬物療法および若年性認知症の就労リハビリテーション」
小長谷陽子 森明子
認知症のリハにエビデンスを求めることは困難なのですが,
英国の見当識訓練と回想療法を取り入れたCSTは,
エビデンスとして高く認められてきており,
英国の認知症診療ガイドラインに採用されています.
著者はこのCSTを日本流に変更し「いきいきリハビリ」として行っています.
基本は1対1での対応です.
詳しい内容は省きますが,
具体的な内容が書かれていて大変参考になりました.
特に介護保険分野でのリハでは特に使用できるもののように思われます.

若年性の認知症の所は割愛します.

その他,運動療法が健常者の認知能力を改善させ,
うつ病やアルツハイマー型認知症の危険性が低下するなどの報告も興味をもちました.

認知症は今後超高齢社会においてますます増えるばかりです.
それゆえか認知症の研究は最近多く見かけるようになりました.
今後もますます様々な報告がなされるでしょう.
リハ技師としては非薬物療法の様々な報告は注目していきたいと思います.
posted by リハ技士 at 15:59| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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