2011年05月23日

臨床実習再考

作業療法ジャーナル 4月号(2011年)
特集「臨床実習再考」

コラムも含めて7つの論文がありました。
その中から4つの論文をごく簡単に報告しましょう。

「作業療法士養成のための臨床実習再考」
竹田徳則
毎年7000名の作業療法士を社会に送り出していますが、
その作業療法を目指す学生は多様化し、
様々な課題を抱えている者が増えてきています。
このような学生に対してどのように教育をし、
質の高い作業療法士を育てることが課題です。
現在の臨床実習では
クリニカル・クラークシップという形態をとるところも多くなりました。
上記の内容は、
「実習指導者のもとで秘書として働いて仕事を覚える」というものです。
これは単に知識・技術の習得ではなく、
専門職種としての態度を身につける事が目的となっています。
私はレポート中心の実習ではなく、
体験を中心として学生とディベートする実習というイメージととらえました。
また様々な問題を抱えている学生には、
ある一定の学校側のフォローがある事が必要です。
実習指導者に対しての指導技術、その事に関する知識は、
臨床実習指導者会議などで研修できる場を作る事が重要となってきます。

「現代の学生気質とその対応」
高木邦子
現代の学生気質として6つ挙げられていました。
意欲・主体性のなさ・表面的な真面目さ・要求の厳しい依存性
うたれ弱さ・現実と乖離した自信・社会的スキルの不足。
確かに上記のような傾向はありますし、
その後の記述におけるどうしてそのような気質になったかという環境面での考察は、
十分に理解しつつも、
自分が社会人になった時も同じようなことがいわれていたような気がします。

ではそのような学生にどう向き合えばいいでしょうか。
当論文では4つの方法が挙げられています。
1.危機への直面は教育の一環と考える、
必ず誰でも人生、壁にぶつかります。
その事自体は異常ではなく当然であるという認識をまず支える側は持つ必要があるのでしょう。
2.具体的なフィードバックをする。
3.目標の優先順位と評価基準を明示する
4.場合によっては個別指導も

「臨床実習における心理的ストレスとメンタルケア」
綾野眞理
臨床実習の場は学生にとっては異文化体験であり、
カルチャーショックにおける心理的反応と類似しています。
臨床実習前に予想されるストレスを学校側が実習指導者に伝える事が重要と書かれていました。

「臨床実習再考」
工藤亮
まずは臨床実習の現状が述べられています。
これはごく簡単に表になっているのがあるのでそれを引用しましょう。
指導者側の抱えている問題点
指導者の人員不足・指導時間が取れない・指導者の若年化傾向
指導者の教育力低下・認知領域に偏る指導・治療効果の提示困難
学生が抱えている問題点
指導内容の違い・指導者との相性・やり取りができない
社会性のなさ・意欲の低下・想像力のなさ

クラークシップにも言及されていますが、
先ほど述べたので割愛します。
ただし先ほどの論文よりは詳しく内容が書かれています。

最後に指導ポイントが書かれていて、
1.学校側と実習施設側との連携
2.対象者との直にふれあって成功させる体験
3.学生にやる気を起こさせる関わり
を挙げていました。

ここまで読むと、
学生に甘すぎるのではないかという意見も出そうです。
ただ人は教育で大きく変わるのだという信念、
その事をベースにするのであるならば、
そのやり方はその対象者(学生)いかんで変わってくると考えます。
固定的な観念で指導に当たることなく、
現在の学生気質をふまえつつ、
先ほどの信念のもとに、
柔軟な対応が望まれるのではないでしょうか。
posted by リハ技士 at 10:05| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 ジャーナル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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