2019年05月06日

要介護1、2の生活援助のありかた………

2020年度の次期診療報酬改定に向けては、▼地域医療構想の実現に資する急性期入院医療報酬の見直し▼かかりつけ機能の評価の整理▼かかりつけ機能を持つ薬局の評価と、そうでない薬局の減額―などを検討するとともに、次期介護保険制度改革に向けて▼要介護12の生活援助サービスの地域支援事業への移行▼ケアマネジメントへの利用者負担導入▼介護サービス事業所・施設の再編・統合―などを検討すべき―。

423日に開催された財政制度等審議会・財政制度分科会で、こういった議論が行われました。】

(メディア・ウォッチ 2019426日 記事引用)


ここで気になるのは、

要介護12の生活援助サービスの地域支援事業への移行についてです。

そもそも基本からおさらいしましょう。

介護保険でいう「生活援助」とは何でしょうか。

具体的な言うと、

掃除・ゴミ出し・洗濯・アイロンがけ・料理・ベッドメイク・衣服の整理整頓などなど、

利用者に身体に直接介助する以外の介助ということになります。

ではこの生活援助が地域支援事業へ移行しようという議論がある背景には何があるのでしょうか。

国は一言でいうと、

給付と負担のバランスのとれた制度にするためという、

よくわかるような、わからないような説明をしています。

おそらくこのような話がでてきたのは2015年に政府が出した経済財政運営と改革の基本方針からだと思います。

その中の「負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化」にこう書かれています。

【公的保険給付の範囲や内容について検討した上で適正化し、保険料負担の上昇等を抑 制する。このため、次期介護保険制度改革に向けて、高齢者の有する能力に応じ自立した生活を目指すという制度の趣旨や制度改正の施行状況を踏まえつつ、軽度者に対する 生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援 事業への移行を含め検討を行う。】

これでもわからないかもしれません。

まぁ簡単に言うと、

更に高齢化が進み介護保険給付が増加していくので、

財政的には厳しい国としては、給付としては重点化・効率化しなくてはならない、というものです。


ここで問いたいのは、

地域支援事業になった場合、現在のサービスは継続できるのか、ということです。

ブログ管理者は継続できるかもしれないけど、他に問題が深刻化する、という考えです。

まず要介護12の割合が今の介護保険全体のだいたい5割程度いう大きな割合だ、ということです。

まず地域にいる絶対数が多いはずです。

また介護12は当然様々その状態は違いますが、

要支援よりも例えば移動がなかなか困難だったりすることがあったりと、その介護の必要性から言うと「じゃ、いいや」とその介護をあきらめられない人が多いと考えます。

そうなると絶対数が多いのに、

地域支援事業に変わったから、その生活援助はあきらめます、という人は少ないでしょう。

なので移行した場合、生活援助サービスのニーズはあまり変化がないとととらえています。


この地域支援事業、当然介護保険の中の事業ですから、

国からお金は出ます。

ただ他の介護保険と違うところは、上限額が設定されているのです。

その上限額を超えたものに関しては、地方自治体がその給付を負担しなければならないのです。

ニーズが変わらない場合(つまり今後更に増えていく)、地方自治体がそれを支え切れるのか、という問題です。

地方ではなかなかその財政がうまくいっていないところもかなりあると聞きます。

つまり地方自治体の財政が深刻化していくのではないかと…。

そうなった場合に国はますます地方自治体の財政が厳しいのでという口実を作り、

えばもっと生活援助など利用者負担するものを増やしましょう、介護報酬単価を減らしましょう、という動きに変わっていくかもしれません。

そうなっていくと、

もういまでもあるようなごみ屋敷化の多発化、そこまでいかなくても不衛生状態の高齢者が急増してしまうのではないかという危惧をもってしまいます。


はっきり言って早ければ2021年、遅くとも次の診療報酬・介護報酬同時改定(2024年)では、

この提起は現実的なものになる可能性は低くない、とみるべきでしょう。

posted by リハ技士 at 18:11| 山形 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする