【1970年代に全国の学校を公演で回り、2016年に中皮腫で死亡した元劇団員の男性(当時70歳)について、池袋労働基準監督署(東京)が、公演会場だった体育館のアスベスト(石綿)が原因で中皮腫を発症し、死亡したと労災認定していたことがわかった。遺族らが19日、記者会見で明らかにした。】
(朝日新聞デジタル・2018年12月20日 記事引用)
アスベスト問題、
このブログでも何回か紹介したことがありますが、
久しぶりの紹介なので、おさらいしましょう。
アスベストの問題が多くの人たちに知られたのは2005年。
ある工場付近にいる住民の健康被害からでした。
そこでは約25年の間に、アスベストが原因で亡くなったと思われる人が約270人にものぼったのです。
このアスベスト、昔の建築材では防音や断熱性などから、当たり前のように使用していました。
(普通に小中学校の建物にあったと記憶しています)
ブログ管理者も、子どもの頃に古くなった建築物で、
アスベストがあらわになったところをみたことがあります。
しかしなぜ25年もの間、アスベストの問題が明らかにならなかったのでしょうか。
それはこのアスベストは、長い年月をかけて発症されるものだからです。
どのような被害かというと、
肺の繊維化(アスベスト肺)、肺がん、悪性中皮腫…。
小中学校に普通にあったものなので、
もしかしたら今後アスベスト被害を訴える方は多く出てくる可能性があるでしょう。
またアスベストは2004年までは普通に製造されていたので、
今でも十分残っている可能性があり、
特に古くなった分、老朽化して、アスベストがむき出しになっているところは危険なのです。
しかしこのアスベスト問題は根が深い…。
このアスベスト製造の旗振り役だった日本石綿協会の立場は、
飛散しないように管理すればアスベスト問題は起きない、管理が重要だという立場でした。
しかし問題になって以降、
石綿無含有建材一覧表というものを作成していたのですが、
そのアスベストが入っていないというものにもアスベストが入っていたということが明らかになったのです。
日本石綿協会の「管理」はどうなんだ!!と突っ込みを入れたくなりますよね。
もうそうなると現在の新しい建築物も怪しい…と思ってしまいます。
国の厳しい徹底管理が必要でしょう。