2017年03月23日

認知症とともに よく生きる旅へ

久しぶりに番組の紹介。

114日放送。

ETV特集「認知症とともに よく生きる旅へ ~丹野智文42~


いつものように番組のホームページから引用。

【認知症と診断された後、人はどう生きていけばよいのか。どんな支援があるべきなのか。手がかりを求め、一人の認知症の男性がイギリスへ旅に出た。その10日間の旅の記録。

旅をしたのは、仙台市の丹野智文さん(42歳)。英国は、医療や介護の専門家だけではなく、認知症の本人を「経験による専門家」と位置づけ、「本人にはどう見えるか」を重視するアプローチを続けてきた先進地。番組では、丹野さんが英国で17人の認知症の人びとを訪ねる対話の旅を追った。認知症の当事者たちが「声をあげられる」仕組みや、それに「耳を傾ける」文化に触れながら、自らの生き様を問い返す旅ともなっていく。】


丹野さんは、若年性アルツハイマー病。

数年前に人の顔が覚えられなくなったところから気が付き、

仕事にも支障をきたすようになります。

丹野さんの仕事場は配置換えをして、現在事務作業をしています。

仕事場では自分のために作った詳細なマニュアルがあり、

仕事の具体的なやり方を忘れても、

それを見ればできるようにしてなんとか行っていました。

しかし車の運転は辞めることになり、電車での通勤に変えました。

その通勤も降りるところがわからなくなる場合もあり、

自分が若年性アルツハイマーであるカードを持参し、周りの人に助けてもらえる工夫をしています。

丹野さんは他にも、

オレンジドアという、宮城の認知症をともに考える会の代表を行っています。

政府は新オレンジプランで、

【認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す】

上記のプランには7つの柱があり、その7番目に、

【F認知症の人やその家族の視点の重視】がでています。

具縦的には、

認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施

初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援

認知症施策の企画・立案や評価への認知症の人やその家族の参画、です。


様々な工夫をして勤務している丹野さん、

このような診断名が下り、なおかつ症状が進んできているということを考えれば、

投げやりになってしまい、もう何もしたくないと思ってしまっても不思議ではありません。

しかし、小さな子どもを2人抱え、その子たちを大人になるまでなんとかしなければならない、

そのような強い想いで、この病気と闘っている状況でした。


しかし、です。

診断後に、日本では何の相談窓口もなく、一時はかなり精神的に追い込まれたことがありました、

早期診断・早期絶望、という表現を丹野さんはしていました。


丹野さんは今回、そのような早期診断・早期絶望させていないヨーロッパ各国の先進地に行きます。

そこで見えてくるものがあったのです。

まず1つ目はリンクワーカーという職種。2010年、2013年と打ち出されたスコットランドの認知症対策の国家戦略ででてきた職種。

診断された人1人に対し、

ただ1人のリンクワーカーが担当します。

当事者と家族が直面するあらゆる問題を支援の専門家やサービスに結びつけていきます。こうした診断直後に特化した支援体制は日本にはありません。

この制度が実は認知症者・その家族からの声が土台になって作られたものです。

日本でも先ほどの新オレンジプランの7つの柱の一つ、

【認知症の人やその家族の視点の重視】をただの標語にするのではなく、

実際にスコットランドのように政策に結び付けてほしいものです。


もう一つ丹野さんが注目したのが、

認知症とともによく生きる、という言葉。

今まで認知症に闘ってきた丹野さんとしては、新鮮な言葉でした。

おそらく丹野さんは家族を守るためにも必死になって「なんとかしよう、なんとかしなければ、でもダメかも…」という思いでいたのだと思います。

その考えの根底には、認知症に対するまだ残る絶望感があった…。

しかしその行った地域では、

必死というよりは楽しく積極的に生きていました。

様々な地域の手助けもあるせいか、

「できない」ということではなく、「工夫すればできる」という前向きな感覚になっていたのです。

丹野さんは、そこで「心のもちよう」をどうしていくかに強く感銘したのです。

そのように思ってもらうためにも、

地域の人たちが認知症を支えていく仕組みを作っていく必要があります。


明日も番組の紹介を行います。

posted by リハ技師 at 13:29| 山形 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 番組紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする